色々と昔のことを思い出していたら、マッシュマッカーン(Mashmakhan)のことを思い出しました。
1970年から71年にかけて日本で大ヒットを飛ばしたバンドです。このバンドのことなど、世の中の人は忘れているだろうと思い、念のためにネット検索をしてみたら、驚くなかれ多くの人がブログに書いていました。このバンドを覚えているということは、ほとんどがおじさん以上の方々だと思いますが、それほどこのバンドは当時は人気があったのです。
なにしろ1971年のあの伝説のグランド・ファンク・レイルロード(Grand Funk Railroad)の雨の後楽園コンサートのオープニング・アクトまで務めたのですから。
マッシュマッカーンはカナダ出身のバンドで結成は1969年でした。
メンバーは
ピエール・セネカル(Pierre Sénécal,key,sax)
レイバーン・ブレイク(Rayburn Blake,g,vo)
ブライアン・エドワーズ(Brian Edwards,b,vo)
ジェリー・マーサー(Jerry Mercer,ds,perc)
という4人でした。
これ以前にはThe Triangleというバンド名で地元の歌手のバックバンドを務めていました。1969年に彼らが録音したデモテープをコロムビアレコードのプロデューサーBob Hahnの耳に留まり契約に至りました。そして1970年にリリースしたのがアルバム『Mashmakhan』です。そしてそのアルバムの中からシングルカットされたのが「霧の中の二人(As The Years Go By)」という訳です。
この曲がアメリカでヒットしました。地元カナダでは10万枚でしたがアメリカでは40万枚も売れました。そしてすかさず日本でも発売されると、翌年1971年の1月のオリコンでは、以前紹介したショッキング・ブルーの「悲しき鉄道員」を抑えて総合1位に輝きました。日本での売上は40万枚に達し、世界中で100万枚を売り上げました。私も御多分に漏れずドーナツ盤を購入しました。今では押し入れの奥深くに眠っていると思います。
いかにも日本人受けする様なメロディーです。決して上手いとは言えないヴォーカルですが、ちょっとサイケデリックな匂いもして耳に残る曲でした。
しかし、このマッシュマッカーンはこの1曲を残しただけで、1971年には解散してしまいました。見事なまでの一発屋でした(2枚目のシングルもあったのですがヒットには至らなかった)。
とはいっても彼らは2年間の間に2枚のアルバムを残しています。ファーストの『Mashmakhan』とセカンドの『The Family』です。CDではどうやら2イン1で発売されたようです。
当時、高校生だった私にはアルバムまで手が回らず、このバンドの全体像というものをつかめませんでした。聞くところによると、当時のいわゆるニューロック・バンドということでしたが、「霧の中の二人」を聴く限りはポップス・グループの様でした。
ところがそれから、数十年経って、DVDで『フェスティバル・エクスプレス』という(以前にもキネ旬シアターで観た映画として紹介しましたが)、カナダ盤ウッドストックの映像を観て、そこにマッシュマッカーンが登場していたのです。お目当てはもちろん、ジャニス・ジョプリンやザ・バンド、グレイトフル・デッド、フライング・バリット・ブラザースなどでしたが、マッシュマッカーンがロックを演奏しているところを映像で観て、見直しました。
それにしても「霧の中の二人」とはただただ感心するタイトルでした。
霧の中の二人/マッシュマッカーン As The Years Go By/Mashmakhan
それでは今日はこの辺で。