今日の「聴き比べ」はちょっと変わっています。加川良さんの代表曲『教訓Ⅰ』をなぎら健壱(当時はなぎらけんいち)さんがパロった歌があります。その名も『教訓Ⅱ』です。
良さんの『教訓Ⅰ』はデビューアルバム『教訓』に収められています。彼は既にこの世にはいません。2017年に亡くなりました。高田渡先生を追うように若くして亡くなってしまいました。
1970年の中津川フォークジャンボリーで飛び入り出演してこの歌を歌い大喝采を浴びました。以来、高田渡・岩井宏と共に出演することが多く、三馬鹿トリオなどと言われていました。
シニカルな詩の内容が、当時の社会を痛烈に風刺していると、学生の間で大変な人気を博しました。今でも十分通用する内容だと思います。彼もそのつもりで最後まで歌っていたものと思います。
教訓Ⅰ
作詞・作曲 加川 良
命は一つ、人生は1回
だから命を捨てないようにね。
あわてるとついフラフラと
お国のためなのといわれるとね
*青くなって尻込みなさい、逃げなさい、隠れなさい*
お国は俺たち死んだとてずっと後まで残りますよね
失礼しましたで終わるだけ
命のスペアはありませんよ
*繰り返し
命を捨てて男になれと
言われた時には震えましょうよね
そうよあたしゃ女で結構
女の腐ったのでかまいませんよ
*繰り返し
死んで神様といわれるよりも
生きて馬鹿だといわれましょうよね
きれいごと並べられた時も
この命を捨てないようにね
*繰り返し
なぎら健壱さんがデビューアルバム『万年床』でこの歌の替え歌を歌いました。題して『教訓Ⅱ』です。実にうまい替え歌です。
教訓Ⅱ
作詞:なぎらけんいち
作曲:加川 良
いもちゅうは六十度 ジンは四十度
だから悪酔いを しないようにね
あわてると ついふらふらと
飲み屋のためなどになりますよ
※青くなって もどしなさい
はきなさい あげなさい
飲み屋は俺たちいなくても
ずっとあとまで ありますよね
又来てねで終わるだけ
給料袋のスペアーはありませんよ
※くりかえし
命をすてて 男になれと
言われた時には なりましょうよね
そうよ私しゃオカマで結構 後ろ穴をせめてね
※くりかえし
いもちゅうは六十度 ジンは四十度
だから悪酔いを しないようにね
あわてると ついふらふらと
二日酔いなどに なりますよ
※くりかえし
なぎらさんと言えば私にはあの「悲惨な戦い」が忘れられません。おかしくて腹を抱えて笑ったものでした。
それでは今日はこの辺で。