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訃報 安田裕美 & 映画『1917 命をかけた伝令』を観る

またしても驚きの訃報が飛び込んできました。ギタリストの安田裕美さんです。72歳でした。山崎ハコちゃんのご主人です。今年の1月に2人のライヴを観たばかりでした。ショックです。その時も病気をされたとのことで痩せて見えたので心配していましたが、あまりに突然で言葉もありません。もう、裕美さんのギターが聴けないのと、2人揃ってのライヴが観られないと思うと残念でなりません。ハコちゃんの悲しみを思うと胸が痛みます。

心よりご冥福をお祈りします。合掌。

 

昨日のキネ旬シアターは『1917 命をかけた伝令』でした。

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監督:サム・メンデス

主演:ジョージ・マッケイ、ディーン=チャールズ・チャップマン

製作:2019年 イギリス・アメリカ 2020年 日本公開

 

この映画の舞台は、1917年の第一次世界大戦中の西部戦線です。そういえば先日観た『彼らは生きていた』第一次世界大戦を描いた映画でした。監督のサム・メンデスが祖父から聞いた話を基に脚色したものです。

 

1917年4月6日、フランス北部の西部戦線ではドイツ軍とイギリス・フランス連合軍の睨み合いが続く中、ドイツ軍の後退が始まりました。しかし、この後退は連合軍をおびき寄せるための罠であることを、イギリスの偵察部隊が察知しました。イギリスのマッケンジー大佐率いるデウォンシャー連隊(通称D連隊)は翌朝そのドイツ軍に総攻撃をかけるための準備をしていました。

兵士のトム・ブレイクは誰か一人を連れて、エリンモア将軍の元へ行くようにと命じられます。トムはウィリアム・スコフィールド(通称ウィル)を連れてエリンモアの元へ行きました。エリンモアはドイツ軍の策略を教え、マッケンジーに対し攻撃の中止を伝えよと命じます。

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通信手段はすべて途絶えてしまっているため、二人に対し伝令を命じたのでした。D連隊にはトムの兄を含め1600人の兵士が従軍していたのでした。明日の朝までに伝えねばD連隊は全滅してしまいます。

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兄を案ずるトムはウィルの助言も聞かず直ちに出発します。二人はD連隊が向かっているクロワジルの森をめがけて進みます。途中、危険極まりない無人地帯を抜け、やがてドイツ軍が陣取っていた塹壕に到着します。しかし、その陣地はもぬけの殻でした。そこを偵察していると突然爆弾が爆発、ウィルは生き埋めになってしまいます。何とかトムに助け出されます。ドイツ軍が仕掛けていった爆弾だったのです。

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さらに先へ進むと平原が広がりました。そこで民家を見つけました。人の姿はなく、牛が1頭いるだけでした。バケツにはミルクがあり、それを水筒に入れていると、上空で飛行音が聞こえます。見るとイギリス軍とドイツ軍の戦闘機が交戦中でした。被弾したドイツの戦闘機が二人のいる民家に向かって突っ込んで墜落しました。様子を見るとドイツ兵は瀕死の状態でした。ウィルは死なせてやろうと言いますが、トムは水を与えてやろうと言い、ウィルが水を汲みに行っている間に、ドイツ兵はナイフでトムを刺したのです。驚いたウィルはドイツ兵を銃殺し、トムに駆け寄りますが静かに息を引き取りました。最後に母親への伝言を頼んだのです。 

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ウィルは悲しみをこらえ、伝令書をしまい、ブレイクの指輪をはずしポケットに入れました。そこへスミス大尉率いる部隊が通りかかりました。ウィルの話を聞くとトラックに乗せてくれました。途中で橋が破壊されていたため、トラックは迂回しなければなりません。一刻の猶予もないウィルは壊れた欄干を渡って先を急ぐのでした。しかし、そこでスナイパーからの狙撃を受けます。何とか逃れたものの跳弾を受けて気絶してしまいます。

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気がつくと夜になっていました。表へ出ると、遠くで炎が見えます。街は廃墟となっていました。残っていたドイツ兵に銃撃されます。なんとか地下に潜り込むと、そこにはフランス人の女性と赤ん坊が隠れていました。ウィルは食料とミルクを彼女に渡すと、制止を振り切って表へ出ます。またドイツ兵に追われると、ウィルは川に飛び込みました。激流に流され、やがて滝壺に。そこにはおびただしい数の死体が浮かんでいました。それらを乗り越え何とか岸にたどり着くとと、思わず涙があふれてきました。

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そこはクロワジルの森でした。美しい歌声が聞こえてきます。近づくとイギリスの兵士たちが円陣を組んで、歌を聞いていたのです。彼らはD連隊でした。攻撃開始のために心の準備をしていたのです。ウィルはマッケンジー大佐を探して走り、各上官にも攻撃中止を伝えますが聞いてくれません。そうするうちに最初の部隊が突撃を開始します。それを待っていたかのようにドイツ軍の攻撃が始まりました。

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ウィルはその攻撃の中走ります。そして第2の攻撃隊が出陣しようとするとき、やっとマッケンジー大佐を探し出すことができました。ウィルは必死に訴えますがマッケンジー大佐はなかなか聞いてくれません。それでもとうとう伝令書を読むとマッケンジーの顔色が変わり、攻撃の中止命令が出されました。 

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ウィルはトムの兄を探し始めました。野戦病院で兄を見つけ、トムの最期を知らせます。そして自分はトムに命を助けてもらったこと、そして遺品を渡し家族への伝言を伝えました。兄は「弟が君と一緒でよかった」と涙をこらえながら握手をしました。

ウィルはポケットから母の写真を取り出し「私のもとに戻ってきて」というメッセージを読みながら目を閉じるのでした。

 

この映画はワンカットで撮られたというのが謳い文句です。実際はワンカットをつなぎ合わせたようですが。そうではあるとしても凄い迫力です。激流に流されるシーンや砲撃の中を走り回るシーンの長回しは迫力十分です。

どこまでも続く塹壕は当時の戦争の在り様を教えてくれているようです。また二枚羽の飛行機も第一次世界大戦らしいです。

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それにしても人類はなぜこのような愚かな戦争を繰り返すのでしょうか。

 


『1917 命をかけた伝令』予告

 

それでは今日はこの辺で。