今日の「聴き比べ」は吉田拓郎の『ある雨の日の情景』です。
この曲は吉田拓郎さんがまだ「よしだたくろう」と名乗っていた頃のアルバム『人間なんて』に収録された、短い曲です。短いのですが、私にはとても胸に沁みる曲でした。
彼の大ヒット曲「結婚しようよ」のB面になった曲です。
「イメージの詩」や「青春の詩」、さらに「今日までそして明日から」などの楽曲は、高校生の私にとっては当時のプロテストソングとはまた別の意味でとても刺激的でした。その中でもこの曲は、何かもの哀しく、当時の自分の心境が浮かんでくるような逸品でした。
ある雨の日の情景
作詞:伊庭啓子
作曲:吉田拓郎
バスが止まって(並木道に)
外は雨がふっている
ガラス窓に
いっぱい並んだ雨だれの
むこうで誰かが(肩をすぼめて)
タバコに火をつけた
それから人は (人は皆)
皆傘をさして
まるで心を
傘でかくせるみたいに
そして黙って(黙って雨の)
雨の中を歩いてる
それから雨は(雨はどこか)
どこかの風と一緒に
茶色のハッパを
一枚落としていった
それから皆 (皆雨に)
雨にぬれて歩いている
雨の中を(中をバスは)
バスは動きだした
この曲を、当時アイドルとして人気絶頂の天地真理ちゃんがカバーしていました。驚きました。こちらもいいですね。
ついでに好きだった曲。「マークⅡ」を。
そして「イメージの詩」。これが私のたくろう出発点でした。
それでは今日はこの辺で。