今日の「この人の、この1枚」はマディ・ウォーターズ(Muddy Waters)の『The London Muddy Waters Sessions』です。
マディ・ウォーターズについては以前にも紹介しましたが、今日はマディが白人のロッカーとセッションを行ったアルバムを紹介します。
1972年にマディがロンドンに渡って録音したものです。これは前年に同じくチェス・レコードが企画した黒人ブルースマンと白人のブリティッシュ・ロックを共演させるという企画の第2弾でした。第1弾はハウリン・ウルフ(Howlin' Wolf)でした。ここには白人ではエリック・クラプトン、スティーヴ・ウィンウッド、ビル・ワイマン、チャーリー・ワッツ、イアン・スチュワート、らが参加しました。
この第2弾、『The London Muddy Waters Sessions』にはロリー・ギャラガー、スティーヴ・ウィンウッド、リック・グレッチ、ミッチ・ミッチェル、ジョージ・フェイムらが参加しました。
Side A
1.Blind Man Blues
2.Key To The Highway
3.Young Fashioned Ways
4.I'm Gonna Move To The Outskirts Of Town
5.Who's Gonna Be Your Sweet Man When I'm Gone
Side B
1.Walkin' Blues
2.I'm Ready
3.Sad Sad Day
4.I Don't Know Why
メンバーは
Vocals, Slide Guitar – Muddy Waters
Bass – Rick Grech
Drums – Herbie Lovelle, Mitch Mitchell
Guitar – Rory Gallagher, Sam Lawhorn
Harmonica – Carey Bell Harrington
Piano, Organ – Georgie Fortune, Steve Winwood
Tenor Saxophone – Seldon Powell
Trombone – Garnett Brown
Trumpet – Ernie Royal, Joe Newman
Vocals – Rosetta Hightower
プロデュースはEsmond EdwardsとIan Greenです。
レコーディングにはアメリカからギタリストのサム・ローホーンとハーモニカのカリー・ベルを連れて行きました。ホーン・セクションはレコーディングの後にアメリカで追加録音したものです。
ロリー・ギャラガーとリック・グレッチはA1からA5、B2からB4に参加。
スティーヴ・ウィンウッドはA2、A4、B3に参加。
ミッチ・ミッチェルはA2からA5、B3に参加。
Georgie Fortuneはジョージ・フェイムのことでA1からA5、B2からB4に参加。
ロゼッタ・ハイタワーはイギリスの人気黒人女性歌手。A1に参加。
マディ本人はこのロック色の強いアルバムを気に入っていません。評論家たちも低い評価でした。ところがトラディショナル・フォーク部門でグラミー賞を獲得してしまいました。
チェス・レコードは白人のブルース・ブームに便乗してベテラン・ブルース・マンを引っ張り出したのでしょう。
マディ・ウォーターズはこの時60歳間近でしたが、その迫力あるヴォーカルは健在でした。
それでは今日はこの辺で。