今日の「聴き比べ」は1969年に由紀さおりさんが歌って大ヒットした『夜明けのスキャット』です。
この曲を初めて聴いた時には、いつまでも「ルールールー」ばかりで、いつになったら歌が始まるんだと不思議でした。これがスキャットというものなのかと驚いたものです。
ところがこの曲があれよあれよと大ヒットしミリオンセラーとなり紅白歌合戦にも出場しました。
由紀さおりさんはお姉さんの安田祥子さんと共に子供のころから童謡歌手として活躍していました。しかし、童謡やクラシック系の楽曲ではお姉さんとは力の差が歴然としており、自分はジャズや歌謡曲に興味があり、その路線に進むようになり歌謡曲でデビューを果たしますがさっぱり売れませんでした。やがてキャバレーやナイトクラブでも歌うようになりました。
そんな時作曲家のいずみたくに出会い『夜明けのスキャット』で再デビューを果たし、一躍人気歌手に上り詰めたのです。
この曲は元々ラジオ番組のテーマ曲で番組の音楽担当がいずみたくで提供が明治製菓、その明治製菓のCMソングを歌っていたのが由紀さおりさんだったのです。いずみは彼女に「ルーでもラーでも何でもいいから歌詞をつけて歌ってみて」と言われ、彼女は当時流行っていたスキャットに起承転結をつけて歌ったのです。すると、この曲は誰が歌ってるんだと言う問い合わせが殺到し、これは売れるぞ、となって短い詞をつけてレコーディングされたそうです。そういえば映画「男と女」の音楽もスキャットでしたね。
その後はヒット曲にも恵まれ、また役者としても活躍し、安田祥子さんとの姉妹デュオも復活し大活躍です。
ただ、この曲には盗作疑惑もあったことを憶えています。サイモンとガーファンクルの『サウンド・オブ・サイレンス』でした。よく似ています。

夜明けのスキャット
作詞:山上路夫
作曲:いずみたく
ルルル・・・
ラララ・・・
パパパ・・・
ルルル・・・
愛し合うその時に この世はとまるの
時のない世界に 2人は行くのよ
夜はながれず 星も消えない
愛の唄ひびくだけ
愛し合う2人の 時計はとまるのよ
時計はとまるの
私の好きな小島真由美がカバーしています。
布施明さんです。
それでは今日はこの辺で。