Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

スイスの英雄 『ゴットハード(Gotthard)』 

今日はスイスで国民的人気を博するハードロックバンド、ゴットハードについて知っているところを書いてみたいと思います。私のフェバリット・グループの一つです。

1991年に結成、メンバー構成は

スティーヴ・リー(Steve Lee,vo)

レオ・レオーニ(Leo Leoni,g)

マーク・リン(Marc Lynn,b)

ヘナ・ハーベッガー(Hena Habegger,ds)

の4人でスタートします。

1992年、ファーストアルバムGotthardでデビューします。

プロデュースは同じスイスの大御所バンドクロークス(Krokus)クリス・フォン・ロア(Chris Von Rohr)が担当します。このクリスが曲作りの面で大きな力となります。さらにゲスト・ギタリストでシン・リジイやディオ、デフ・レパードのヴィヴィアン・キャンベルも2曲参加します。ヴィヴィアンのギターはもちろんいいんですが、レオのギターも素晴らしいです。さらに、スティーヴのヴォーカルがデヴィッド・カヴァーデイルばりで凄いです。ディープ・パープルでおなじみの「ハッシュ」も取り上げています。とにかくストレートなハードロックで気持ちいいです。この頃はまだまだ日本での人気は無く、3、4枚目あたりからメロディアスになってきてその頃から日本でも少し人気が出るようになってきたと思います。

 

続いてセカンドアルバムは1994年の『Dial Hard』です。

前作の延長でゴリゴリのハードロック、いいですね。ビートルズの「カム・トゥゲザー」を見事なアレンジで驚かせれます。さらにボーナストラックではツェッペリンの「ロックンロール」も演ってます。ロバート・プラントにも負けていません。曲はほとんどがスティーヴとレオとクリスの共作です。

 

そして、1996年に第3作、『G』がリリースされます。

 この3作目は、ハードさが若干引っ込み、メロウさが出てきた感じがします。それでも「Make MY Day」などのロックンロールはカッコいいです。さらにボブ・ディランの「マイティ・クイン」も申し分なしです。

 

続いての4作目はアコースティック・ライブです。『D frosted』、1997年です。

これがゴットハードのターニングポイントになったアルバムでしょう。素晴らしいアコースティックライヴです。おそらくこれほどのライブは聴けないのではないでしょうか。アコースティックだからといって軽くなるわけでもなく、ハードな曲はハードに、リラックスした曲はさわやかにと飽きさせません。そして全体としてはメロディアスになっています。ギターにクロークスやエイジアにいたマンディ・メイヤーが参加しています。観衆と完全に一体化しています。とにかく文句なしにいい。ただし、ファンの間では賛否両論でした。

 

続いて、1998年に『Open』がリリースされます。

このアルバムから前作で参加していたマンディ・メイヤーが正式に加入します。基本は前作を踏襲するという方針が採られたようなメロディ重視の作品になっています。初期の作品でファンになった人たちからの不評も目立ちました。私などはこれはこれでいいと思っています。アーティストが同じ路線を貫くのも、それはそれでいいし、方向転換もそれはそれでいいと思います。本人がやりたいようにやり、聞き手が判断する、それだけです。ザ・ムーヴの「Blackberry Way」をカバーしています。彼らは必ずカバー曲を挿入します。サービスなんでしょうか。「Let It Rain」などを聴いていると本当に癒されます。名曲です。

 

続いて、2001年に『Homerun』をリリースします。

 ハードさを残しながらもますます美しいメロディーが目白押しになってきました。

名曲「Heaven」やハードロックの「Light In Your Eyes」、叙情的で重い「Eage」など佳曲ぞろいです。今回のサーヴィスはアンディ・テイラーの「Take It Eazy」です。

 

続いてのアルバムは2003年の『Human Zoo』です。

このアルバムらプロデュースがクリス・フォン・ロアに別れを告げ、マーク・タナ―に替わります。曲作りもほとんどがマーク・タナ―とリーとレオの共作になります。

果たしてどうなるのかと、不安と期待で聴きました。基本路線は変わらず、ハードとメロディアスの組合せです。初期のゴットハードらしさも随所に見られます。

このあとマンディ・メイヤーが退団し、フレディ・シエラー(Freddy Scherer)が加入します。

次の2005年の『Lipservice』は残念ながら未購入です。

Lipservice

 

そして2007年の『Domino Effect』がリリースされます。

これは素晴らしい出来に仕上がったんじゃないでしょうか。メロディアス・ハードの完成です。間違いなく日本人受けするでしょう。初期のハードロックからはだいぶ変わりましたがやはりこれはこれでよかったのです。人に歴史あり、バンドにも歴史ありです。

実は私がゴットハードを購入できたのはここまでなのです。これ以降は未購入です。飽きたわけではなく欲しかったのですが、残念ながら手に入らなかったのです。

そして2010年に悲報が入ります。ヴォーカルのスティーヴ・リーがトレーラーに飛ばされたバイクの直撃で即死しました。悲嘆にくれたメンバーは2012年にニック・メーダーを後任のヴォーカリストとして迎え再起しました。

残念ながらそのアルバムは未だ聴けていません。早く見つけないと。

 


Gotthard - Let It Rain

ボブ・ディランの「マイティ・クイン」カッコいい。


Gotthard - Mighty quinn HQ (Original)

 

ゴットハード、いいですね。

 

それでは今日はこの辺で。

『ファイアーハウス(Firehouse)』 アメリカン・メロディアス・ハードだ!

今日はアメリカでは人気が無くアジア・ヨーロッパで人気の高いファイアーハウスです。メロハーはアメリカでは受けないのは定説ですが、確信犯的にアメリカを無視して日本やヨーロッパ、アジアで活動をしている姿に複雑な思いがします。国民性の違いからその嗜好が違うのはやむを得ないことなのでしょうが、それでもメロディアスなものを好むアメリカ人も少なからずいるはずですが、そういった人たち向けの音楽をやっても商業的には成功しません。となれば自ずとそのマーケットは嗜好があった海外へと向かいます。ミュージシャンの信条としてどうするかの決断が迫られるのでしょう。あくまでアマチュアではなくプロとしての音楽ビジネスなのですから。

ファイアーハウスは1988年に結成されます。結成時のメンバーは

C.J.スネア(C.J.Snare,vo,key)

ビル・レヴァティ(Bill Leverty,g)

ペリー・リチャードソン(Perry Richardson,b)

マイケル・フォスター(Michael Foster,ds)

です。

ファイアーハウスは『ホワイト・ヒート(White Heat)』『マックス・ウォリアー(Maxx Warrior)』との合体です。ホワイト・ヒートのマイケルとビルがマックスのC.J.とペリーを引き抜き結成されました。バンド名はまだホワイト・ヒートのままでした。ジョン・ボン・ジョビが彼らを気に入り、彼等のデモテープをエピックに持ち込み契約が成立します。そしてバンド名をファイアーハウスに変えてデビューします。

デビューアルバムは『Firehouse』です。1990年です。

 

このアルバムはアメリカでもダブル・プラチナと爆発的に売れました。シングルヒットも飛び出しました。ファイアーハウスはとにかく楽曲がいいんです。ハードロックからメロディアスなバラードあり、アコースティックナンバーあり、そしてロックンロールありと全く飽きさせません。演奏力も高いし、ヴォーカルも歌唱力が高く売れないはずがありません。

そして続くセカンドは1992年『Hold Your Fire』です。

 

このアルバムも基本は前作の延長線上にありますが、よりメロディ重視になったということで逆に不評を買い前作以上のヒットは生まれませんでした。当時のグランジブームに押されてハードロックが下火になったということも影響したのかもしれません。

続いて3年後の1995年にサードアルバム『3』をリリースします。

このアルバムは前作をより発展させメロディアスになっています。とくに「アイ・リヴ・マイ・ライフ・フォー・ユー」は名曲でいかにも日本人好みでアジアでは大ヒットしました。しかしアメリカでは全く評判にもなりませんでした。このあたりからファイアーハウスはメイン市場を国外に向けていきます。

翌年には4枚目のアルバムとして『Good Acoustics』をリリースします。1996年です。

 

これはこれまでの曲を全編アコースティックで演奏するというベスト盤的な色合いを持ったアルバムです。もちろん新曲も3曲あり、イーグルスやイアン・マシューズも取り上げていたスティーヴ・ヤングの「Seven Bridges Road」なども演っています。

全編アコースティックですがこれが実に気持ちいいんです。アコースティックといっても生ギター1本という訳ではなく、あくまでバンド演奏ですから、フォークロックやカントリーロックを聴いているような心地よさがあります。とにかくいい曲ばかりでよくぞこれだけの曲が書けたものだとただただ感心するばかりです。

続いて3年ぶりの1999年に5作目として『Category 5』をリリースします。

 

このアルバムは前作の出来の良さに気をよくしたのかアコースティカルな面も引き継ぎながらロックしています。ファイアーハウスが紡ぎ出すメロディーラインは本当に心地用させてくれます。これはもうすでにメタルでもなく、オルタナでもなく、70年代のウェストコースト・ロックです。これはあくまで私の感想ですが。2000年の時代にこの音楽はアメリカ本国では受け入れられなかったのでしょう。時代は変わろうと私はこの手の音楽は好きですが。

このあとファイアーハウスは2000年に『O2』、2003年に『Prime Time』をリリースします。

   

 

 『O2』からベースのペリー・リチャードソンが脱退し、替わりにオールマン・ブラザース等にも参加したブルース・ウェイベル(Bruce Waibel)が加入します。しかしながら、かつての勢いは感じられません。

ここから長い期間休眠状態になります。2014年に再レコーディングのベストアルバム『Full Circle』を発表します。

 

それ以外に目立った活動の情報は入ってきていません。ファイアーハウスの完全復活を望んでやみません。

 


FireHouse - When I Look into Your Eyes

 


I Live My Life For You - FireHouse [Lyrics]

 

またまたまた、やっぱりメロハーはいい。

 

それではきょうはこの辺で。

『アングラ(Angra)』 ブラジル産メタルはいかがでしょう

今日はブラジルの代表的なメタルバンド『アングラ』について書いてみようと思います。それまでブラジルのメタルバンドというと『ヴァイパー(Viper)』でしたが、そこのヴォーカリストであるアンドレ・マトス(Andre Matos)がヴァイパーを脱退し、ギタリストのラファエル・ビッテンコート (Rafael Bittencourt )ともう一人のギタリストであるキコ・ルーレイロ(Kiko Loureiro)、ベースのルイス・マリウッティ (Luis Mariutti)、ドラムのマルコ・アントゥネス (Marco Antunes)と共に1991年に結成されました。アングラとはブラジルの神話の”火の女神”から取られたといいます。

ファーストアルバムは1993年にリリースされます。『Angeles Cry』です。

クラシックとヘヴィメタルの融合、これがアングラのコンセプトなのでしょう。メロディック・スピードメタルあるいはシンフォニック・メタルなどと呼ばれました。まさにクラシカルなヘヴィメタルです。音楽的にはヴァイパーの延長線上ですが、アンドレ・マトスがさらにクラシカルなものへと発展させています。2曲目の「Carry On」の疾走感は圧巻です。レコーディングはガンマ・レイカイ・ハンセンのスタジオで行われ、ガンマ・レイのメンバーもゲスト参加しています。プロデュースはヴァイパーを手掛けたチャーリー・バウアーファイン、そこにヘヴンズ・ゲイトのサシャ・ピートが手を貸したといいますからジャーマン・メタルの影響もそこかしこに見られます。

 

2作目はしばらく間が空いて1996年に『Holy Land』がリリースされます。

ドラマーがリカルド・コンフェッソーリ(Ricard Confessori)に替わります。

このアルバムではクラシックとの融合は変わりませんが、さらにブラジルの民族音楽が加わわって、壮大なアルバムに仕上がっています。ブラジルの歴史を描くコンセプトアルバムのような様相を呈しており、素晴らしいアルバムです。

 

3作目は1998年に出されたFireworksです。

このアルバムではジューダス・プリーストなどを手掛けたクリス・タンガリーディスをプロデューサーに迎え、ヘヴィメタルへの回帰を目指すということで製作されたようですが、クラシックとの融合はそれほどの替わり映えはありませんでしたし。どちらつかずの中途半端な結果になったような気がします。この方向転換の意図は前作の一部における不評があったということと、メンバー間の方向性の違いが表立ってきたことが挙げられます。このアルバムを最後にアンドレ・マトスはグループを去ります。それに伴い、ルイス・マリウッティとリカルド・コンフェッソーリも不安を感じ脱退します。

 

この3人は後に『シャーマン(Shaman)』を結成しますが、その前にアンドレ・マトスはヘヴンズ・ゲイトのサシャ・ピートと『VIRGO』というプロジェクトを結成しアルバムをリリースします。

 

残ったキコとラファエルはヴォーカルにエドゥ・ファラスキ (Eduardo Falaschi)を迎え、さらにベースにフェリペ・アンドレオーリ(Felipe Andreoli)、ドラムにアキレス・プリースター( Aquiles Priester)が加えバンドの立て直しを図ります。そして2001年に再起を図り、『Rebirth』を発表します。

誰もがアンドレが居なくなったアングラはもう駄目だろうと予想していました。しかし、このアルバムはまさに『再生』でした。ファースト、セカンドのクラシックとの融合を見事なまでに再生しています。心配したヴォーカルもアンドレに勝るとも劣らぬ歌唱力を披露しています。アングラは完全復活を成し遂げました。

 

そして2004年に5枚目のアルバム『Temple of Shadows』をリリースします。

これはコンセプトアルバムです。ラファエルの手による11世紀十字軍のストーリーから現代への警鐘というコンセプトです。ゲストにガンマ・レイカイ・ハンセンブラインド・ガーディアンのハンズィ・キアシュなどが参加しています。もしかしてこれがアングラの最高傑作かもしれません。コンセプトアルバムだからと言って堅苦しいことはなく、メロディック・スピード、クラシック、フラメンコ、プログレなどが交じり合って素晴らしいアルバムになっています。

 

そして2006年に6枚目『Aurora Consurgens』が発表されます。

これは前作があまりにも素晴らしかったので、ちょっと期待を裏切る出来になってしまったような気がします。決して悪くはないのですが、どうしても前作と比較してしまうのと、クラシカルな要素が若干足りないためかアングラらしさが影を潜めているような印象を受けます。

 

そして2010年に4年ぶりとなるアルバム『Aqua]』をリリースします。

 ここでドラマーが以前在籍していたリカルド・コンフェッソーリに替わります。

これはシェイクスピアの最後の作品「テンペスト」をモチーフにしたコンセプトアルバムです。再びクラシック要素が増えてきていますが、ヴォーカルのエドゥ・ファラスキ の勢いが無いような印象です。前々作のコンセプトアルバムに比べると明らかに物足りなさを感じます。

 

この後2014年に『Secret Garden』をリリースしますが、残念ながら未購入なのでコメントできません。申し訳ありません。

情報によると心配していたヴォーカルのエドゥ・ファラスキは脱退したようでゲストヴォーカルなどを迎えやりくりしているようです。

実はアルバム『Rebirth』の後にミニ・アルバム『Hunters and Prey』が発表されているのですが、これがいいのです。

ミニ・アルバムと言っても8曲入りで、『Rebirth』のプラスアルファ的でこの2枚を一緒に聴くとまた格別です。

アングラはアルバムのアートワークも素晴らしく(途中から同じデザイナー)でジャケットを見ていても飽きません。

アングラのメロスピ(メロディック・スピードメタル)を聴いていると、ハロウィーンガンマ・レイブラインド・ガーディアンとはまた違った南米の匂いのするメタルを堪能することができます。

 


ANGRA - "Carry On" (Official Video) HD

 

またまた、やっぱりメロハーはいい。

 

それでは今日はこの辺で。

極上のメロハー 『テン(Ten)』 と 『ゲイリー・ヒューズ(Gary Hughes)』

今日は日本から売れ始めたバンド、テンを書きたいと思います。メロディアス・ハードは日本でよく売れるというのが定説ですが、このバンドはその典型じゃないかと思います。まず、日本で火がついて、その後本国のイギリスをはじめヨーロッパで売れ始めたという変わり種です。彼らの歩みをあまり長くならないよう2000年までに限って書いていきます。

テンはそれまでソロシンガーでアルバムも2枚出していたゲイリー・ヒューズの3枚目のソロアルバムを制作する予定で話が進んでいるところに、デア(Dare)のギタリストのヴィニー・バーンズ(Vinny Burns)と同じくデアのドラマー、グレッグ・モーガン(Greg Morgan)が参加して結成されました。もともとゲイリーのソロアルバムということで進められていたプロジェクトなので曲の大半はゲイリーのオリジナルです。そして1996年に『テン(Ⅹ)』がファーストアルバムとしてリリースされます。他のメンバーはセッションミュージシャンを起用しています。

 

いきなりクラシカルなiインストから始まる「The Crusades」以降、メロハーのオンパレードです。これは日本人の好みにピッタリです。ヴィニー・バーンズの泣きのギターが光ります。

 

そして5か月後という短いスパンでセカンドアルバム『The Name Of The Rose』がリリースされます。

この短い期間でのリリースはゲイリーがソロアルバムの制作のためにため込んでいたが楽曲がかなりあり、前作のリリース時点でセカンドの制作もかなり進んでいたという事らしいです。メンバーも正式に6人になりました。ベースのシェリー(Shelley)はやはりもとデアのメンバーです。セカンドギターは元Cageのジョン・ハリーウェル(John Halliwell)、キーボードは元Tygers Of Pantangのシェド・ライランズ(Ced Rylands)です。

このアルバムも前作の延長線上にあり、メロディアスでハードで・ロックとバラードがうまい具合にバランスがとれて素晴らしい出来に仕上がっています。ここでもオープニングのタイトル曲をはじめ、ヴィニーのギターが冴えます。

 

続いて1年後の1997年にサードアルバム『The Robe』がリリースされます。

ここで、シェリーがメンバーから外れベースはセッションミュージシャンが起用されます。そして10曲中3曲がヴィニー・バーンズとの共作になっています。プロデュースもこれまでゲイリーとマイク・ストーンの共同でしたが今作からゲイリーの単独になっています。メロハーにますます磨きがかかっています。ミディアムテンポの曲が多くなっているような気はします。

 

この後、1998年に2枚組のライブアルバムを発表します。『Never Say Goodbye』です。

 さらにこの年、驚くことにゲイリーは3枚目のソロアルバムを発表します。『Precious Ones』です。バックにはテンのメンバーが参加しています。

 内容はハードロックというよりはどちらかというとAOR的なアルバムです。テンよりはかなりソフトな感じです。それにしてもこのバイタリティには驚かされます。

 

さらにこの年5枚目のアルバム『Sprellbound』をリリースします。まさに驚異的です。

 

このアルバムには変化が見られます。まずはアルバムのアートワークです。これまでとは全く違ったジャケットになっています。レコード会社もマーキュリーに変わったということもあるのか、イラストはスペインのルイス・ロヨという人です。さらにベースにスティーヴ・マッケンナ(Steve Mckenna)が加わります。そしてレコーディング・ミックスはレフ・マッケンナといってフェア・ウォーニングのファーストアルバムをミックスした人です。内容はメロディアスなことは変わりませんが、よりハードロック的な部分も少し増えたような気がします。

 

そして2000年に『Babylon』をリリースします。

 このアルバムはヴァーチャル・リアリティを扱ったコンセプト・アルバムになっています。キーボードのシェド・ライランズが脱退し、ゲストでレインボーやゲイリー・ムーアでおなじみのドン・エイリーが参加しています。ここでは全曲ゲイリーの曲になっています。コンセプトアルバムとなっていますが、楽曲の方はメロディアス健在です。

このアルバム発表の少し前にヴィニーのソロアルバムも発表されています。『The Journey』です。

ここではヴィニーのギターがたっぷりと堪能できます。

しかし、残念ながらヴィニーは2002年にテンを脱退します。その後も大幅にメンバーチェンジがあり、ゲイリーがグループを率いて頑張っているという現状です。

ヴィニーが去った後のテンの評価は大きく分かれてしまっています。

ということで2000年までに焦点を当ててテンとゲイリー・ヒューズを見てきました。

やっぱりメロハーはいい!

 


Ten - After The Love Has Gone

 

それでは今日はこの辺で。

 

レコードジャケット、お気に入り 第12弾

レコードジャケットシリーズの12回目。今日は、いろいろジャケットを見てるうちに、顔のドアップだけを集めたら面白いかな、なんて思い、チャレンジしました。意外と数が多く載せきれません。やむを得ず一部のみ紹介ということでやってみます。1アーティストにつき1枚を原則としましたが、どうしても載せたいというものに限り複数枚としました。

中にはちょっと反則がありますが、愛嬌ということでご勘弁を。今回もボケが多いです。光の加減かと思いますが、技術不足なので致し方ありません。ご容赦願います。

それではいってみましょう。

 

まずはこれから。ボブ・ディランは顔のジャケットが多くて困りましたが、なるべく顔が大きいのを選びました。最初から1枚原則を破ってしまいました。かなりボケてます。帯邪魔。こうして見ると全部同じ向きです。こちらの方が写真写りが良いのでしょうか。

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続いて、ジャクソン・ブラウンジェシ・コリン・ヤング

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続いて、リディア・ペンスとジャニス・ジョプリン

Lydia f:id:lynyrdburitto:20170720105831j:plain

 

次は「青春の光と影」のジュディ・コリンズ。この人、顔のドアップが多いのです。

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次にジョニー・キャッシュとリトル・リチャード。

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次はジョー・エリーとドン・ニックス。

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次はデイヴ・メイソンとスティーヴ・ウインウッド。永遠のライバル。

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続いてニルソンとランディ・ニューマン。ニルソンはランディのカバーで1枚のアルバムを作っています。今はもういません。

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次はフィル・オクスとディノ・バレンティ。二人ともいません。

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次は、スプリングスティーンポール・サイモン。ポール、若いですねえ。

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続いて、ウォーレン・ジヴォンヴァン・モリソン。ヴァンはちょっと変則。

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次はフランキー・ミラーとスティーヴ・ミラー。関係はありません。

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次はリンダとマリアもう一度。

Linda Ronstadt    f:id:lynyrdburitto:20170730102309p:plain

 

 エミール・ハリスとジョニ・ミッチェル。ジョニの『ブルー』確かにブルーです。

Luxury Liner    Blue

   

次は、アストラット・ジルベルトとエタ・ジェイムス。凄い組み合わせ。あっ、これは写真じゃないな。反則。

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続いて、フランク・ザッパ。2枚です、ご容赦。

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リチャード・トンプソンクリス・クリストファーソン

Pour Down Like Silver    Me and Bobby Mcgee

 

ジェリー・ジェフ・ウォーカーとジェシウィンチェスター。味があります。

Driftin' Way of Life    Jesse Winchester

 

ジム・クロウチとジョー・コッカージョー・コッカー凄い!

グレイテスト・ヒッツ    With a Little Help from My Friends

 

J.D サウザーとティム・バックリー

f:id:lynyrdburitto:20170803085243p:plain    Happy Sad

 

続いて、ブルース界から大御所ハウリン・ウルフとO.V.ライトです。

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続いて、フィリップ・ウォーカーとジュニア・ウェルズ。

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次はタジ・マハールとリトル・ミルトン。これは写真?だな。

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次は、ルーズベルト・サイクスとマジック・サム。渋いですねえ。

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続いて、オーティス・ラッシュとホームシック・ジェイムス。

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次は、3大キングのアルバートとフレディ。フレディは写真か?反則?

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次は、ブッカ・ホワイトとルーサー・アリソン。でかい!

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続いて、ジェイムス・カーとコーネル・デュープリー。カーは写真でしょうか?

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ついでにジャズ界からも出てもらいましょう。

まずは、アン・バートンジュリー・ロンドン

f:id:lynyrdburitto:20170720113718j:plain Yummy Yummy Yummy

 

 

続いて、ヘレン・メリルとビリー・ホリディ。ビリーは反則。ヘレンのジャケット、最高。

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続いて、サラ・ヴォーンとペギー・リー。

f:id:lynyrdburitto:20170720114353j:plain Then Was Then, Now Is Now!

 

 

次は、デクスター・ゴードンアート・ファーマー

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次は、クリフォード・ブラウンジョン・コルトレーン

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次は、ポール・デスモンドとアート・ブレーキ―。

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次は、ジェイムス・ブラッド・ウルマーチャーリー・パーカー。凄い組み合わせ。

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続いて、マイルス・デイヴィスと大反則のディラン。自画像。

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随分出ましたが、まだまだ全然足りません。でも、きりが無いのでやめます。顔のアップジャケットは意外と多いのです。改めて思いました。でも面白みという点では今一つかな。

最後はこの人に締めくくってもらいましょう。アニー・ロス。

それでは今日はこの辺で。

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映画 『恋する惑星』 を観る

今日のキネ旬シアターは『恋する惑星』でした。

監督:ウォン・カーウァイ

主演:トニー・レオン金城武フェイ・ウォン、ブリジット・リン

1995年公開(日本) 香港制作

 

先週紹介した『花様年華』と同じ監督、主演男優でした。

 

lynyrdburitto.hatenablog.com

花様年華』の6年程前の作品です。映像も観ていて、『花様年華』で魅せた映像美の元はココからきているのだなと思いました。斬新なカット、アングルなど『花様年華』ほどにはまだ到達していませんが、なかなか面白いものが有りました。

ストーリーは現代風(といっても20年以上前ですが)恋愛映画とでもいいますか、ちょっと変わった男と女の物語です。舞台は返還前の香港・九龍の雑居ビル街です。そこで、たまたますれ違った男女が再び出会う、というテーマになっています。

2つの物語があって、一つ目は失恋した警官(金城武)が謎の金髪女性(麻薬の密売人、ブリジット・リン)にバーで話しかけ、そのまま酔ってホテルで1泊。しかし女は眠り込んだまま、何事もなく男は部屋を出る。その後、ポケットベル(時代を感じさせます)に「25歳の誕生日おめでとう」の伝言が届きます。

次は、これまたスチュワーデスに振られた警官(トニー・レオン)が勤務中に寄ったスタンド飲食店の店員(フェイ・ウォン)に見染められるという話。この飲食店は先ほどの話の警官もちょくちょく利用しています。その辺が面白いところです。一目ぼれした店員は警官の住所を聞きだし、勝手に部屋に入り、いろいろ模様替えなどしてしまいます。しかし警官は失恋の痛みでそんなことに気が付きません。ある日、彼女がまた部屋の掃除などをしているときに警官が帰ってきて、見つかってしまいます。しかし、話すうちに彼女の気持ちを知った警官は彼女をデートに誘います。喜んだ彼女。しかし約束の日、彼女は現れす、カリフォルニアへと旅立ってしまいました。1年後、その飲食店を譲り受けた警官が開店準備をしているところに、彼女がスチュワーデス姿で現れます。警官は1年前の彼女の置手紙(手書きの搭乗券)を見せ、「雨に濡れて行き先が見えないが何処だったんだ?」と聞きます。彼女は「書き直すから、どこへ行きたい?」と聞き返します。警官は「君の行きたいところ」と答えます。

洒落てますね。悲恋ではなく、ちょっと温まる、恋愛映画です。

ママス&パパスの『カリフォルニア・ドリーミング』が後半、何度も流れます。それとフェイ・ウォンが「クランベリーズ」の『ドリームス』をカバーしています。この人は歌手でもあったのです。それも有名なベテラン歌手です。1999年の日本レコード大賞ではアジア音楽賞を、また中国人では初めて日本武道館でコンサートを行ったそうです。全く知りませんでした。無知ですねえ。

ブリジット・リンは最後までサングラスを外しませんでした。顔が見たかった。

この作品でウォン・カーウァイ監督は一躍世界中に知られるようになったそうです。

 

それでは今日はこの辺で。

 

『マシュー・スイート(Matthew Sweet) 』のカバー集1,2

今日はアメリカのシンガーソングライター、マシュー・スイートが「バングルス」のリード・ヴォーカル、スザンナ・ホフス(Suzanna Hoffs)と組んで2006年と2009年に発表したカバー集を紹介します。

マシュー・スイートは1986年デビューでこれまでに12枚ものソロアルバムを発表しています。

スザンナ・ホフスは女性バンド「バングルス」のリードヴォーカルで1989年までに4枚のアルバムをリリース、その後バンドは活動休止、スザンナはソロに転向し3枚のアルバムをリリースします。2000年にはバンドを再結成し、現在までに2枚のアルバムを発表しています。

 

 

2013年には第3集が出たのですが未購入なので今回は触れません。

マシュー・スイートは天才マルチ・プレイヤーでこのアルバムでもドラム以外はすべて自分で演奏しています。もちろんゲストプレイヤーもいますが。片やかわいらしい声の持ち主、スザンナ・ホフスが絶妙のコンビネーションを披露します。マシューの他のアルバムではほとんどがオリジナルですが、ステージでは昔の歌のカバーもしているそうです。

 

第1集の曲名と原曲は次の通りです。

      1. I See The Rain (The Marmalade)
  2. And Your Bird Can Sing (The Beatles)
  3. It's All Over Now, Baby Blue (Bob Dylan)
  4. Who Knows Where The Time Goes? (Fairport Convention)
  5. Cinnamon Girl (Neil Young And Crazy Horse)
  6. Alone Again Or (Love)
  7. Warmth Of The Sun (The Beach Boys)
  8. Different Drum (The Stone Poneys, featuring Linda Ronstadt)
  9. The Kids Are Alright (The Who)
  11. Everybody Knows This Is Nowhere (Neil Young And Crazy Horse)
  12. Care Of Cell #44 (The Zombies)
  13. Monday Monday (The Mamas And The Papas)
  14. She May Call You Up Tonight (The Left Banke)
  15. Run To Me (The Bee Gees)
 
第2集の曲名と原曲は次の通りです。
 
      1. Sugar Magnolia(Grateful Dead)
  2. Go All The Way(The Raspberries)
  3. Second Hand News(Fleetwood Mac)
  4. Bell Bottom Blues(Derek & The Dominos)
  5. All The Young Dudes(Mott The Hoople)
  6. You're So Vain(Carly Simon)
  7. Here Comes My Girl(Tom Petty And The Hertbreakers)
  8. I've Seen All Good People: Your Move/All Good People(Yes)
  9. Hello It's Me(Todd Rundgren)
  10. Willin'(Little Feat)
  11. Back Of A Car(Big Star)
  12. Couldn't I Just Tell You(Todd Rundgren)
  13. Gimme Some Truth(John Lennon)
  14. Maggie May(Rod Stewart)
  15. Everything I Own(Bread)
  16. Beware Of Darkness(George Harrison)
 
見てください、この選曲の素晴らしさ。ビートルズからディラン、ニール・ヤング、フェアポート・コンベンション、ビーチ・ボーイズ、フー、リンダがいる頃のストーン・ポニーズ、トッド・ラングレン、デレク&ドミノス、モット・ザ・フープル、デッド、カーリー・サイモンリトル・フィートゾンビーズ、ママス&パパス、ビージーズ、ロッド・スチュアート、トム・ペティフリートウッド・マック、ブレッド、マーマレード、ラブ、ベルベッツ、ビッグ・スター、それにビートルズのジョンとジョージ。
 
みんなそれぞれオリジナルを大切にし、変なアレンジをしていないところがいいです。
特に、フェアポートやドミノス、カーリー・サイモンのカバーが素晴らしいです。オリジナル曲が好きだということもありますが、スザンナのヴォーカルがたまらないです。
 
ニール・ヤングの「Cinnamon Girl」、カーリー・サイモンの「You're So Vain」、ドミノスの「Bell Bottom Blues」のビデオです。スザンナはこの時50歳を過ぎていると思うのですが、若いです。
天才マシューについてはまた別途書いてみたいと思います。マシューはデビュー当時の美少年からむさ苦しいオッサンに変身しています。冗談です。
それでは今日はこの辺で。