オランダのハードロックバンド、と言うよりはエイドリアン・ヴァンデンバーグ (Adrian Vandenberg,g)がホワイトスネイクに所属する前に結成したバンド、それがヴァンデンバーグ(Vandenberg)です。
エイドリアン・ヴァンデンバーグはオランダで自身のバンドでギターを弾いていましたが間もなく活動停止、その後シン・リジィのオーディションを受けるも落選、そして1982年にヴァンデンバーグを結成します。
メンバーはバート・ヒーリンク (Bert Heerink,vo)、ディック・ケンパー (Dick Kemper,b)、ジョス・ズーマー (Jos Zoomer,ds)でした。
ヴァンデンバーグはATOCOレコードと契約すると、早速ファーストアルバム『ネザーランドの神話(Vandenberg)』をリリースします。
このアルバムは母国オランダはもちろん、翌年にはアメリカでもヒットしビルボードの65位まで上りました。シングル「バーニング・ハート」は39位になるヒットでした。
オランダのバンドですがアメリカン・ハードロック的な音楽性が受けたのでしょう。
翌年にセカンドアルバム『誘惑の炎(Heading For Storm)』がリリースされます。
Side A
1.Friday Night
2.Welcome to the Club
4.Different Worlds
Side B
1.This Is War
2.I'm on Fire
3.Heading for a Storm
4.Rock On
5.Waiting for the Night
セルフ・プロデュースです。
このアルバムは母国オランダでは先行シングル「ディファレント・ワールド」がチャートの17位、アルバムチャートは14位を記録しました。日本でも「ウェイティング・フォー・ザ・ナイト」がシングルカットされました。
ポップな曲が増え、ヨーロッパ特有の叙情的なメロディーも光ります。ただハードロック的な面がやや後退し、ポップロックに近くなってしまいました。売れ線を狙ったのか、それがアメリカでは裏目に出てしまったのかもしれません。
それでも日本人の私にとっては好アルバムです。
そして1985年にサードアルバム『アリバイ(Alibi)』がリリースされます。
この後、エイドリアンはデヴィッド・カヴアーデ―ルにホワイトスネイクへの加入を打診され、承諾します。そしてヴァンデンバーグは解散となります。
たった3枚でしたが良質なアルバムを残しました。
エイドリアン・ヴァンデンバーグは1987年のホワイトスネイクのアルバム『サーペンスアルバム』の製作途中から参加し、続く『Slip of the Tongue』では腱鞘炎を起こし、アルバム制作には参加しませんでした。
ホワイトスネイクはその後活動休止状態になります。エイドリアンはトミー・アルドリッジ(Tommy Aldridge,ds)、ルディ・サーゾ(Rudy Sarzo,b)、ロン・ヤング(Ron Young,vo)と共にマニック・エデン(Manic Eden)を結成し、アルバムを1枚発表します。
その後はホワイトスネイクの活動再開に合流します。
この辺の流れは以前書いていますので参考にしてください。というか、何故マニック・エデンの記事を先に書いていたのか、もう少し系統立てて書けばいいものを、行き当たりばったりなものでこのようなことになってしまうのです。
Vandenberg - Waiting for the Night
Vandenberg Different Worlds (HD)
それでは今日はこの辺で。