今日の「懐かしのヘヴィメタ(懐メタ)・シリーズ」はラット(Ratt)です。
これまたラフ・カットを書いていて思い出しました。際限がありません。
この二つのバンドはラフ・カットの記事で書いたようにバンド間の移動が多くありました。
本来ならばこちらのラットを先に書けばよかったのですが、どうも思考回路が目茶目茶なようで、芋ずる式に思い出すという体たらくなのでご容赦願います。
ラットについてはLAメタルのトップランナーのようなバンドですので、詳しい説明は不要かと思いますが、簡単な略歴だけ書こうと思います。
1976年にスティーヴン・パーシー(Stephen Pearcy,vo)がサンディエゴで結成したのが始まりです。当時は「ミッキーラット」と名乗っていました。この頃にはジェイク・E・リー(Jake E. Lee,g)も加入していましたが、バンド名をラットに変えた頃、ラフ・カット結成のためラットを離れました。この頃には同じく後にラフ・カットに移籍するクリス・ヘイガー(Chris Hager,g)、マット・ソーアー(Matt Thorr,b)も在籍していました。
彼らが去った後、スティーヴンと残ったロビン・クロスビー(Robbin Crosby,g)と共にボビー・ブロッツァー(Bobby Blotzer,ds)、ウォーレン・デ・マルティーニ(Warren Justin DeMartini,g)、そしてドッケンかフォアン・クルーシェ(Juan Croucier,b)を加えて新生ラットを誕生させました。
そして1983年、6曲入りのミニアルバム『Ratt』を自主制作でリリース。
これが人気を博し一躍LAメタルシーンに躍り出ました。
そして翌年、メジャーのアトランティックからフルレングス・アルバム『Out Of The Cellar』をリリース。
このアルバムは全米で7位を記録し、トリプル・プラチナに。シングルの「ラウンド・アンド・ラウンド」は全米12位の大ヒットとなりました。これでラットは押しも押されぬメタル界のスーパースターにのし上がりました。
そして1985年、セカンドアルバム『Invasion Of Your Privacy』がリリースされます。
Side A
1.You're In Love
2.Never Use Love
3.Lay It Down
4.Give It All
5.Closer To My Heart
Side B
1.Between The Eyes
2.What You Give Is What You Get
3.Got Me On The Line
4.You Should Know By Now
5.Dangerous But Worth The Risk
プロデュースはボー・ヒル(Beau Hill)です。
このアルバムも全米7位を記録し、ダブルプラチナでした。
ラットのアルバムジャケットはどれも扇情的でジャケットを見ただけで欲しくなります。
中身は前作同様「RATT N' ROLL」です。まさにアメリカン・ハードロックです。ウォーレン・デ・マルティーニのギターもなかなかいいものを出しています。
しかしこの時期が全盛期だったと思います。
この後、サードアルバム『Dancing Undercover』をリリースしますが、全米26位にとどまりました。
まず、ジャケットでがっかりしました。またそそるようなジャケットを期待していたのですが、肩透かしでした。
収録曲「ボディ・トーク」がエディ・マーフィーの映画『ゴールデン・チャイルド』に起用されました。
1988年、1990年と2枚のアルバムをリリースします。『Reach For The Sky』と『Detonator』でした。
残念ながら、かつての勢いはありませんでした。
時代は変わりつつありました。オルタナ・グランジブームに移り変わろうとしていました。さらにロビン・クロスビーがヘロイン中毒でバンドを離れました。
そして1992年、遂にバンドは解散しました。
スティーヴン・パーシーはアーケイド(Arcade)を結成します。
ウォーレン・デ・マルティーニはホワイトスネイクへ参加後ソロへ。
1997年にはスティーヴン、ウォーレン、ボビー、それにヴィンス・ニールのバンドにいたロビー・クレイン(Robbie Crane,b)を加えて再結成します。
しかし、長続きしません。スティーヴンが再び脱退。
そして2007年にはまたまた再結成。スティーヴン、ウォーレン、ボビーに今度はクワイエット・ライオットからカルロス・カヴァーゾ(Carlos Cavazo,g)が加入。
かと思ったら2014年にはまたまたスティーヴンが脱退。遂に活動停止状態。
そして現在はまたまたスティーヴン、カルロスにかつてのメンバーフォアン・クルーシェを加えてラットとして活動開始。一方ボビー・ブロッツァーも自身のバンドを結成しラットを名乗って訴訟に。後に「Bobby Blotzer's Ratt Experience」と名前を変えて活動中。
つまり二つのバンドに分裂したようです。いやいやなかなか大変です。それだけラットという名前には価値があったのでしょう。
Ratt - What You Give Is What You Get - HQ Audio
それでは今日はこの辺で。