1968年にビートルズ(The Beatles)はアップル・コアなる会社を設立しました。この会社には5つの部門がありました。エレクトロニクス、映画、出版、レコード、小売業です。その中のレコード部門がアップル・レコードです。この中で一番成功したのがアップル・レコードでした。
そのアップル・レコードの第1号のレコーディングに選ばれたのがメリー・ホプキン(Mary Hopkin)でした。
メリー・ホプキンは元々イギリスのフォークグループのメンバーでした。解散後はテレビ番組のオーディションを受けて合格します。そしてテレビ出演したところ、ミニスカートで日本でも有名になったツイッギーに認められ、ポール・マッカートニーに紹介されました。
ポールはすぐさま彼女を気に入り、レコーディングを開始しました。そして出来上がったのがシングル『悲しき天使(Those Were the Days)』です。
B面はピート・シーガーの曲でザ・バーズでもおなじみの「ターン・ターン・ターン」でした。
このシングル盤は発売と同時に売れ始め、イギリスではビートルズの「ヘイ・ジュード」を抜いて僅か4週間でナンバーワンに輝きました。全米でのビルボードでの2位になる売れ行きでした。日本でも翌年には森山良子が日本語でカバーしてヒットしました。
この曲はもともとロシア民謡です。それをジーン・ラスキンという人が英語で歌うようになり、自作曲と発表したため彼の曲と言われるようになったようです。
ロシア民謡独特の覚えやすい物悲しいメロディーが何とも言えません。そしてメリー・ホプキンの声がこの曲にピッタリマッチして、これだけ大ヒットするのも頷けました。
翌年にはやはりポール・マッカートニーのプロデュースでアルバム『Post Card』がリリースされました。
このアルバムはアメリカ盤とイギリス盤で収録された曲に違いがありました。これは当時はよくあることでした。
イギリス盤には何故か「悲しき天使が」収録されていません。アメリカ盤には入っています。日本盤には当然入っていましたが、これまた曲順が違っています。日本盤は1曲目に「悲しき天使」を持ってきていますが、アメリカ盤ではB面の4曲目でした。
ドノヴァンの曲を3曲も取り上げています。その他にハリー・ニルソンの「The Puppy Song」もカバーしています。
その後もCD化され、ボーナストラックもついて発売されました。
「悲しき天使」は他にも多くの人がレコーディングしています。以前取り上げたヴィッキーもその一人です。フランス語でカバーしています。
「悲しき天使」、ビートルズを差し置いてアップル・レコードの記念すべき、輝かしい第1号となりました。
今でもこの曲が流れると、若かりし青春時代を思い出します。永遠の名曲でした。
悲しき天使/メリー・ホプキン Those Were The Days/Mary Hopkin
「悲しき天使 Le Temps des fleurs」ヴィッキー Vicky Leandros
【ロシア語】長い道を (Дорогой длинною) (日本語字幕)
それでは今日はこの辺で。