Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

映画『永遠に僕のもの』を観る

昨日のキネ旬シアターは『永遠に僕のもの』でした。

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監督:ルイス・オルテガ

主演:ロレンソ・フェロ、チノ・ダリン、ダニエル・ファネゴ

制作:2018年 アルゼンチン、スペイン 日本公開 2019年

 

アルゼンチン史上最悪の犯罪者をモデルにした実話です。その名は「死の天使」と呼ばれたカルロス・ロブレド・プッチ

1971年から72年にかけて、11人の殺人、1人の殺人未遂、42件の強盗、その他強姦、性的虐待など悪事の限りを尽くしたカルロスはその時まだ19歳でした。1972年2月に逮捕された時には20歳になったばかりでした。

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映画は1971年、ブエノスアイレス。カルロスことカルリートスは善良な両親のもとに育ちましたが、欲しいものがあると何でも手に入れたくなり窃盗を繰り返します。家には見慣れないものがたくさんありますが、両親は気が付いていますが厳しく注意できません。少年院にも入り、転校を余儀なくされました。カルリートスの心情は「みんなどうかしている、もっと自由に生きられるのに。楽しまなきゃ。」というものでした。

 

カルリートスは新しい学校で知り合った少年ラモンに急速に惹かれます。ラモンもカルリートスを気に入ります。ラモンはカルリートスを父親のホセに紹介します。そこで父親から銃を撃たせてもらい興奮したのです。ホセは前科者でした。そして3人で銃砲店に強盗に入りました。そこで大胆な行動をとるカルリートスにホセは感心し、しかし危険性も感じました。

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ある時は強盗に入り、起きてきた家のものを何のためらいもなく撃ち殺しました。まるで強盗や殺人を楽しんでいるようです。その後も次々と強盗をはたらき、都度殺人も繰り返します。

 

しかし、次第にラモンとの間に溝が生まれます。ラモンは足を洗いたいと言い出したのです。苛立つカルリートスはラモンと同乗した車でわざと事故を起こし、最愛の友人ラモンを死なせてしまいます。それからはラモンの新しい相棒ミゲルと組んで強盗を繰り返しますが、ささいな諍いからこのミゲルも残虐な殺し方で殺してしまいます。

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やがてカルリートスに捜査の手が伸び、逮捕されます。世間は美少年ということもあって、この稀にみる少年犯罪をセンセーショナルに報道します。両親は精神障害だということを主張しろと説得しますが、本人は自分はまともだと言って聞きません。そしてスプーンを飲み込んで医務室へ行った際に隙をついて脱走します。

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電車に乗ったカルリートスは初めて涙を流します。カルリートスはラモンの家に行きました。しかし、そこは空き家になっていました。一晩そこで過ごし、翌朝そこから自宅へ電話をします。電話に出た母親から「帰ってきて」と言われますが、様子がおかしいことに気付き「ラモンの家にいる」と言って電話を切ります。

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置き忘れていたラジオのスイッチを入れると音楽が流れてきました。カルリートスは音楽に合わせて踊り始めました。やがて外は警察の包囲網で一杯になりました。それでもカルリートスは踊り続けるのです。

 

果たしてカルリートスの流した涙はなんだったのでしょう。後悔か、寂寥感か、いやいやこの少年は明らかにサイコパスです。良心のかけらも無く、罪悪感もなく、平気で嘘をつく、自己中心的。そんなサイコパスの特徴が至る所に見られます。そのような人間に後悔や孤独感などありません。とすると涙の意味は何だったのでしょう。何か中途半端です。もっと徹底的にサイコパス人間を描いてもらいたかった。

あなたの隣にもサイコパスはいるかもしれません。普段は普通の人と全く変わらず生活しています。気を付けましょう。

 

カルロス・ロブレド・プッチは現在67歳。終身刑で今も服役中です。

 

 

 


【公式】『永遠に僕のもの』8.16(金)公開/本予告

 

それでは今日はこの辺で。