Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

この人の、この1枚『チッキン・シャック(Chicken Shack)/アンラッキー・ボーイ(Unlucky Boy)』

今日の「この人の、この1枚」は引き続きチッキン・シャック(Chicken Shack)です。彼らの6作目『アンラッキー・ボーイ(Unlucky Boy)』です。

 

前作がよりハードロックに接近したアルバムになっていましたが、一転ブルースに回帰したアルバムがリリースされました。1973年の『アンラッキー・ボーイ(Unlucky Boy)』です。メンバーのジョン・グラスコックがジェスロ・タルに参加するために脱退、代わりにボブ・デイズリー(Bob Daisley ,b)が加わりました。

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Side A

1.You Know You Could Be Right

2.Revelation

3.Prudence's Party

4.Too Late to Cry

5.Stan the Man

 

Side B

1.Unlucky Boy

2.As Time Goes Passing By

3.Jammin' with Ash

4.He Knows the Rules

 

メンバーは

 

スタン・ウェブ(Stan Webb ,g, vo)

ポール・ハンコックス(Paul Hancox ,ds)

ボブ・デイズリー(Bob Daisley ,b)

 

さらに特別参加でしょうが、トニー・アシュトン(Tony Ashton ,p)がピアノで参加しています。 あと、クリス・マーサー(Chris Mercer,sax)も参加しています。

 

プロデュースはニール・スレイヴン(Neil Slaven)です。

 

A4がロニー・ジョンソン。

B1がビッグ・ママ・ソートン。

B4がジミー・マクラクリン。

その他はスタン・ウェブのオリジナルです。

 

ストレートなロックだった前作から、今作はブルース・ロックに戻ってきました。お帰りなさい、というところでしょうか。

 

ところがせっかく帰ってきたのに、この年の10月26日にライヴを行ってバンドは解散してしまいます。その辺りのことは次回ということで。

 


Chicken Shack - You Know Could Be Right


Stan Webb's Chicken Shack - Revelation ( Unlucky Boy ) 1973


Chicken Shack - As Time Goes Passing


Chicken Shack - He Knows The Rules 1973

 

それでは今日はこの辺で。

 

聴き比べ  五輪真弓の『恋人よ』

今日の「聴き比べ」は五輪真弓の最大のヒット曲『恋人よ』です。

 

五輪真弓さんは1972年のデビューです。デビュー曲はシングル・アルバムともに『少女』でした。アメリカでのレコーディングでレコーディングにはキャロル・キングも参加しました。ピアノを弾きながら歌う女性シンガー・ソングライターで「日本のキャロル・キング」などと騒がれました。

この曲は彼女の1980年の発表でアルバム『恋人よ』の先行シングルでした。アルバムはオリコン・チャート1位を記録しました。シングルももちろん1位で、ミリオンセラーです。この年は紅白歌合戦にも出場しました。

この曲はこの年に交通事故で亡くなった木田高介を偲んで書いた曲だそうです。木田高介と言えばフォーク・ファンならだれでも知っているミュージシャンでプロデューサーです。古くは早川義夫率いるジャックスのメンバーで、解散後は小室等六文銭、その後はアレンジャー、プロデューサーとして活躍しました。高石友也岡林信康五つの赤い風船吉田拓郎、遠藤健司、加川良、などなど数多くのミュージシャンのレコーディングに参加してきました。1980年に交通事故で31歳の若さで亡くなりました。

五輪真弓さんのデビュー・アルバムにも参加していました。その関係で彼女は彼を偲んで書いた曲なのでしょう。永遠の名曲です。

 

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恋人よ

作詞:五輪真弓

作曲:五輪真弓

 

枯葉散る夕暮れは

来る日の寒さをものがたり

雨に壊れたベンチには

愛をささやく歌もない

 

恋人よ そばにいて

こごえる私のそばにいてよ

そしてひとこと この別れ話が

冗談だよと 笑ってほしい

 

砂利路を駆け足で

ラソン人が行き過ぎる

まるで忘却のぞむように

止まる私を 誘っている

 

恋人よ さようなら

季節はめぐってくるけど

あの日の二人 宵の流れ星

光っては消える 無情の夢よ

 

恋人よ そばにいて

こごえる私のそばにいてよ

そしてひとこと この別れ話が

冗談だよと 笑ってほしい

 


[五輪真弓] 恋人よ MP3-320K

 

女王・美空ひばりがカバーしています。


美空ひばり-恋人よ

 

なんとあのブルースの女王・淡谷のり子もカバーしていました。


淡谷のり子_恋人よ「ザ・ベストテン スポットライト出演」

 

演歌界からは香西かおりです。


恋人よ 香西かおり=2018

 

由美かおるさんが歌っていました。彼女の歌を聴くのは何十年ぶりでしょう。


9068 SC ♪ 恋人よ ☆ 由美かおる ◇ 190412

 

多くの人がカバーしていますが、オリジナルを超える人はあまりいないようです。

 

それでは今日はこの辺で。

 

この人の、この1枚『チッキン・シャック(Chicken Shack)/イマジネーション・レディ(Imagination Lady)』

今日の「この人の、この1枚」は引き続きチッキン・シャック(Chicken Shack)です。彼らの5作目『イマジネーション・レディ(Imagination Lady)』です。

 

前作のリリース後、チッキン・シャックはプロデューサーのマイク・ヴァーノンとのもめ事、メンバー内の不協和音からブルー・ホライゾン・レーベルとの契約を解除されてしまいます。そしてスタン・ウェブ以外のメンバーは全員サヴォイ・ブラウンに移籍してしまったのです。

それでも残ったスタン・ウェブは何とかバンドを継続させようと、英デッカと契約し、メンバーもそろえました。それがジョン・グラスコック(John Glascock  ,b)ポール・ハンコックス(Paul Hancox ,ds)でした。

 

そして暫くの間隔を置いてリリースされたのが5枚目のアルバム『イマジネーション・レディ(Imagination Lady)』でした。

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Side A

1.Crying Won't Help You Now

2.Daughter of the Hillside

3.If I Were a Carpenter

4.Going Down

 

Side B

1.Poor Boy

2.Telling Your Fortune

3.The Loser

 

メンバーは

スタン・ウェブ(Stan Webb ,g, vo)

ジョン・グラスコック(John Glascock  ,b)

ポール・ハンコックス(Paul Hancox ,ds)

 

プロデュースはニール・スレイヴン(Neil Slaven)です。

 

A1はタンパレッド。BBキングで知られています。ロックにアレンジ。

A2、B1、B2、B3はスタン・ウェブ・

A3はティム・ハーディン。

A4はドン・ニックス。

 

ストレートなロック・アルバムになりました。よりハードロックに近いです。1972年という時代を考えると、このような変化も当然だったのかもしれません。当時の感想としてはチッキン・シャックも変わってしまったか、でしたが、今聴き返すとなかなかいいアルバムです。不思議です。

 

翌年には6枚目のアルバムをリリースします。それは次回ということで。

 


Chicken Shack - Cryin' Won't Help You


Chicken Schack - If I Were A Carpenter


Chicken Shack - Going Down


Chicken Shack-Poor Boy

 

それでは今日はこの辺で。

 

聴き比べ  『好きにならずにいられない(Can't Help Falling In Love)』

今日の「聴き比べ」はエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)が歌ってヒットした、今ではスタンダード・ナンバーになっている『好きにならずにいられない(Can't Help Falling In Love)』です。

 

この曲は1961年のアメリカ映画『ブルーハワイ』で使われヒットした曲ですが、当然私などは流行った当時を知りませんが、エルヴィスが復活後に多くのコンサートを開催し、その中でこの曲は必ずといっていいほど歌っていました。しかもラストナンバーで。もう。その当時はかつてのロックンローラーとしてのエルヴィスではなく、大歌手としてのエルヴィスになっていましたが、貫禄たっぷりに歌う姿はお見事でした。 

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Can’t Help Falling in Love

By George David Weiss / Hugo E. Peretti / Luigi Creatore

 

Wise men say only fools rush in

But I can't help falling in love with you

Shall I stay? Would it be a sin?

If I can't help falling in love with you

 

Like a river flows

Surely to the sea

Darling, so it goes

Some things are meant to be

 

Take my hand, take my whole life, too

For I can't help falling in love with you

 

Like a river flows

Surely to the sea

Darling, so it goes

Some things are meant to be

 

Take my hand, take my whole life, too

For I can't help falling in love with you

For I can't help falling in love with you

 


Elvis Presley - Can't Help Falling In Love (Audio)

 

カムバック・ライヴ


Can't Help Falling In Love ('68 Comeback Special 50th Anniversary HD Remaster)

 

ハワイでのコンサート


Elvis Presley - Can't Help Falling In Love (Aloha From Hawaii, Live in Honolulu, 1973)

 

アンディ・ウィリアムズもヒットしました。


ANDY WILLIAMS - CAN'T HELP FALLING IN LOVE

 

コリー・ハートです。


Corey Hart - Can't Help Falling In Love (Official Music Video)

 

セリーヌ・ディオンです。


Celine Dion live performance: "I Can't Help Falling In Love"

 

リッチー・ブラックモアのユニット、ブラックモアズ・ナイト (Blackmore's Night) もカバーしています。相手はキャンディス・ナイトです。


~Can't Falling In Love by Blackmore's Night~

 

実はボブ・ディランもアルバム『Dylan』でカバーしていますが映像がありません。

 

それでは今日はこの辺で。

 

この人の、この1枚『チッキン・シャック(Chicken Shack)/アクセプト(Accept)』

今日の「この人の、この1枚」は引き続きチッキン・シャック(Chicken Shack)です。彼らの4作目『アクセプト(Accept)』です。

 

前作まで貫いていたブルース・ロックがやや変化を見せ始めました。1970年、4枚目のアルバム『アクセプト(Accept)』がリリースされました。

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Side A

1.Diary of Your Life

2.Pocket

3.Never Ever

4.Sad Clown

5.Maudie

6.Telling Your Fortune

 

Side B

1.Tired Eye

2.Some Other Time

3.Going Round

4.Andalucian Blues

5.You Knew You Did You Did

6.She Didn't Use Her Loaf

 

 

メンバーは

スタン・ウェブ(Stan Webb ,g, vo)

アンディ・シルヴェスター(Andy Silvester ,b)

デヴィッド・ビドウェル(Dave Bidwell ,ds)

ポール・レイモンド(Paul Raymond ,key, vo)

 

プロデュースはマイク・ヴァーノン(Mike Vernon)です。

 

全曲スタン・ウェブとポール・レイモンドの共作です。

 

このアルバムはこれまでのブルース・ロックよりハードロック、サイケデリック・ロックの要素が強いアルバムになりました。これはポール・レイモンドの影響も大きいのでしょう。

日本でもほとんど無視されたアルバムです。本国でも人気がなかったようです。

 

この後、チッキン・シャックは大変な事態を迎えます。それは次回ということで。

www.youtube.com


Chicken Shack - Pocket


Chicken Shack - Andalucian Blues


Chicken Shack - You Know You Did You Did

 

それでは今日はこの辺で。

 

聴き比べ ダウン・タウンの『身も心も』と『欲望の街』

今日の「聴き比べ」は宇崎竜童率いるダウン・タウン・ブギ・ウギ・バンド(DTBWB)『身も心も』です。

1974年の『スモーキン・ブギ』、さらに翌年の港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカが大ヒットしたダウン・タウンがそれまでのブギ・ウギやブルース感覚から、デビュー曲の『知らず知らずのうちに』を思わせるようなスロー・バラードの曲を発表しました。それが1977年のヒット曲『身も心も』でした。

 

この曲は妻の阿木曜子の作詞です。阿木曜子は『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』でデビューし、その後も宇崎竜童とのコンビでヒット曲を連発しました。特に山口百恵に提供した楽曲は悉くヒットしました。

 

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身も心も 

作詞:阿木燿子

作曲:宇崎竜童

 

犬の遠吠え ひとしきり激しく

身体起こして 時計を見れば

夜はまだまだ その色を変えずに

月の明りが 手許を照らしてる

言葉はむなしいけど

ぬくもりなら信じよう

涙は裏切るけど

優しさなら 分かち合える

身も心も 身も心も

一ツに溶けて 今

俺の腕の中で眠る人よ

 

サイレンかすかに 遠くから響いて

夜の帳(とばり)の幕引き係

眠りのその中で 聞き分けたのだろう

頬をすりよせ 胸にすがりつく人

月日は 移ろい易く

やすらぎなら信じよう

愛とは呼ばず あなたに

愛しい そう打明けよう

身も心も 身も心も

一ツの命 今

俺の腕の中で夢みる人よ

身も心も 身も心も

一ツに溶けて 今

俺の腕の中で 眠る人よ

 


「身も心も、アルバム・バージョン」ダウン・タウン・ブギウギ・バンド from album "身も心も" 1977年

 

玉置浩二との絶品デュオ。玉置浩二は歌うまい。


宇崎竜童・玉置浩二 『身も心も』

 

世良公則野村義男のコンビ。世良公則は歳を重ねてもいいですね。


世良 公則 X 野村 義男  「 身も心も 」

 

日活ロマンポルノの女優、寺島まゆみ


身も心も~寺島まゆみ

 

ダウン・タウン・ブギ・ウギ・バンドにはもう1曲大好きな曲があります。1979年に公開された高木彬光原作の映画『白昼の死角』の主題歌です。夏八木勲演じる鶴岡七郎、岸田森演じる隅田光一、東大法学部の学生金融グループの詐欺事件を描いた作品です。実際にあった「光グループ事件」がモデルになっていました。『狼は生きろ。豚は死ね』の名セリフがありましたね。

この主題歌がまたカッコよかったのです。残念ながらカバーしている人は見つかりませんでした。

 

欲望の街

作詞:阿木 燿子

作曲:宇崎 竜童

 

お前の背中ごしの街が今

夕陽の中で 燃え始めた

愛とばかり云えない俺達の

絆の色を うつしているようさ

愛しい人よ もう一度振り向き

もう一度 この胸で泣きなよ

せめて 夜が来る前は

お前の涙を信じよう

都会は明日が見えない 欲望の街

 

手負いの獣にとってやさしさは

危険を招く罠になると

きれい事では済まない俺達さ

始めからよくわかりすぎていた

愛しい人よ もう一度目を閉じ

もう一度 しっかりと抱きなよ

細くしなやな指で

背中にはりつく悲しみを

都会は宝石散らした 欲望の街

 

愛しい人よ もう一度うなずき

俺に構わずに行きなよ

肩を落さずに前を

見つめて不幸を道づれに

都会は別ればらまく 欲望の街

 

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白昼の死角_予告篇


Yokubou No Machi

 

それでは今日はこの辺で。

 

岡林信康の『復活の日』入手

岡林信康先生の最新録音、復活の日をやや遅ればせながら入手しました。3月3日の発売でした。

1988年の『風詞』以来、実に23年ぶりの全曲書下ろしの新譜です。早いものでもうそんなに時間が経ってしまったのかという思いです。

岡林先生の歌や言動に影響された青春時代からはや40年以上経とうとしています。お世話になりました。

今回のアルバムは岡林先生、実に74歳の集大成と言った傑作となっています。ライナーノーツは松本隆さんです。これがまた良かったです。

 

 

復活の朝

 

1.復活の朝

2.蝉しぐれ今は消え

3.コロナで会えなくなってから

4.恋と愛のセレナーデ

5.お坊ちゃまブルース

6.アドルフ

7.BAD JOKE

8.冬色の調べ

9.友よ、この旅を

 

タイトル曲の「復活の朝」や次の「蝉しぐれ今は消え」はかつての「申し訳ないが気分がいい」を思わせるような自然を愛する 思いが溢れる名曲です。

「恋と愛のセレナーデ」は老成した恋愛観です。

「アドルフ」は独裁者に対する強烈な皮肉を込めた岡林先生らしい曲です。トランプや習近平、どこかの国の首相や元首相に聴かせてあげたいです。

「BAD JOKE」は自然破壊に対するメッセージです。

最後の「友よ、この旅を」はかつての「友よ」への返歌のようです。

 

全体としてはアルバム『俺らいちぬけた』や『金色のライオン』の頃を彷彿とさせる内容です。あの頃の岡林信康が帰ってきた、って感じです。「反体制フォークの神様」と言われることに疲れて「俺らいちぬけた」とばかりに田舎に引っ込んでしまった頃と、そこから復活してきた「金色のライオン」が重なります。

お得意の社会に対するメッセージは健在で、そして歳を重ねた枯れた味わいもあって、その人生観もにじみ出るようなアルバムでした。

74歳になってこの創作意欲、頭が下がります。また次を期待してしまいます。

 

lynyrdburitto.hatenablog.com

 

www.youtube.com

 

それにしても邦楽CDは高い!!

 

それでは今日はこの辺で。