Flying Skynyrdのブログ

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ブルースロックの後継者たち 80年代以降 ② ゲイリー・ムーア

1990年以降のゲイリー・ムーア(Gary Moore)

 

80年代以降のブルースロックの2回目ということで、今日はゲイリー・ムーア(Gary Moore)を取り上げてみたいと思います。

キャリアの長い(1970年代から活躍)ゲイリーに対し後継者と呼ぶのは失礼かもしれませんが、ブルースロックという観点からみると、私は1990年以降にそれが発揮されているのではと考えています。

それでも昔のアルバムを引っ張り出して聴いてみるとシン・リジィ時代も、ハードロック時代もやっぱりいいですね。

ゲイリーがフリートウッド・マックのピーター・グリーンに傾倒していたというのは有名な話ですが、後々ブルースに回帰するのは当然の成り行きだったのかもしれません。

ということで、ここでは1990年以降のゲイリー・ムーアについて書いていこうと思います。

1990年『スティル・ガット・ザ・ブルース(Still Got The Blues)』というアルバムを発表します。

これは傑作です。ブルースナンバーあり、バラードあり、ハードロックありと、もうたまりません。参加ミュージシャンもアルバート・キングアルバート・コリンズ、ジョージ・ハリソン、ニッキー・ホプキンスなどなど凄いです。しかし、上記の4人はすでにこの世にはいません。もちろんゲイリーもですが。

ブルース・ブレイカーズもやっていたオーティス・ラッシュの「All Your yLove」、クラプトンもよく取り上げていた「Further On Up The Road」、スティーヴィー・レイ・ヴォーンの得意ナンバー「Sky Is Crying」、それにスタンダードの「As Years Go Passing By」「Oh Pretty Woman」など、そしてゲイリー得意の泣きのギター「Still Got The Blues」と素晴らしい出来です。

続いてのアルバムは1992年『アフター・アワーズ(After Hours)』です。

これは前作同様ブルースアルバムになっています。カバーも何曲かありますがオリジナルが増えました。ゲストにB.Bキング、前作に引き続きアルバート・コリンズが参加しています。

この年にライブアルバムが出ます。『Blues Alive』です。

ほとんどが前2作の中から選曲されています。当然ながらブルースです。泣きのギターも聴かれます。「Still Got The Bues」、それに羽生結弦選手でおなじみになった「パリの散歩道」も演奏しています。

次に彼は”クリーム”のジャック・ブルース(Jack Bruce,b)とジンジャー・ベイカー(Jinger Baker)と共演したことがきっかけとなり”BBM"なるバンドを結成します。そしてたった1枚だけですがアルバムを発表します。1994年です。タイトルは『白日夢(Around The Next Dream)』です。

オープニングから「こりゃ、クリームだ」となりました。でも、これはこれで私は大いに気に入りましたが。このバンドはその後ジンジャーがグループを抜けたため事実上解散となります。

1995年にはピーター・グリーンに捧げたアルバムが出されます。『Blues For Greeny』です。

ほぼ全曲ピーター・グリーンの楽曲です。大尊敬するグリーンが体調不良で活動停止を余儀なくされているなか、このアルバムによってグリーンが復帰することを願って作成されたものだと思います。その後、グリーンは復帰しゲイリーとも共演したりします。

この後しばらくゲイリーはブルースから離れます。この間2枚のアルバムを発表します。デジタル音楽のような奇妙なアルバムです。

  

そして2001年、再びブルースに戻ってきます。その名も『Back To The Blues』です。

ここではブルースカバー4曲とオリジナル6曲というバランスが取れています。

カバーでは何といってもT-Bone Walkerの「Stormy Monday」でしょう。ゲイリーがやっとブルースに帰ってきてくれたという感じでした。

この後、Scarsなるバンドを結成します。アルバム『Scars』を発表します。2002年のことです。

 彼はもともとジミ・ヘンドリックスにもあこがれていたのですが、このアルバムはそれこそジミヘンにクリームをまぶしたというようなアルバムです。なかなかいいです。

2004年には再びソロ名義で『Power Of The Blues』を発表します。

そのなのとおり力強いブルースというのかハードなブルースというのか、ハードロックブルースという感じです。これもいいです。

次は『Old,New,Ballads,Blues』です。2006年です。

もうこれは文句のつけようがありません。ゲイリーも年を重ねたせいか、渋みを増した感じでギターもぼヴォーカルも聴かせます。「All Your Love」を再び取り上げています。

つづいて2007年、2008年にブルースロック・アルバムを2枚出します。

Close as You Get』『Bad for You Baby』です。

 

 もうすっかりゲイリー流ブルースロックが定着した感じです。両方とも好アルバムです。後者では珍しくアル・クーパーの楽曲を取り上げています。

そして2011年、休暇先で心臓発作のため急逝します。58歳でした。

死後になって、ジミヘンへのトリビュートアルバムが出されました。ゲイリーのジミヘンへの想いが伝わってくるようです。『Blues For Jimi』です。

ゲイリーに関してはDVDもたくさん出ています。

 

彼もまた早すぎた死でした。

 

年のせいか、ブログを書いていても疲れてきて、最後の方は駆け足になってしまいます。悪い癖です。気を付けます。

今日はこの辺で。