『ポール・バターフィールド(Paul Butterfield)』と言えば何といっても『ザ・(ポール・)バターフィールド・ブルース・バンド』ですが、それは以前ほんのちょっとですが触れていますので、今日はその後に結成した『ベター・デイズ(Better Days)』で行きたいと思います。
1971年に「バターフィールド・ブルース・バンド」を解散すると、ニューヨーク州のウッドストックに移り住みます。そこで多くのミュージシャンと出会い『ベター・デイズ』を結成します。
メンバーは
ポール・バターフィールド(harp,vo,p)
ジェフ・マルダー(Jeff Muldaur,g,p,vo)
エイモス・ギャレット(Amos Gyarett,g,b,vo)
ロニー・バロン(Ronnie Barron,key,vo)
ビリー・リッチ(Billy Rich,b)
クリストファー・パーカー(Christopher Parker,ds)
ホーンにハワード・ジョンソン、バッキングヴォーカルに以前に紹介したボビー・チャールズとマリア・マルダーがそれぞれ参加しています。
最初のアルバムは1972年の『Btter Days』です。
ブルースを基本としながらも、肩の力が抜けた楽しい雰囲気で演奏しています。このアルバムにはサックスのデヴィッド・サンボーンも参加しています。バターフィールドの曲は無く、すべてカバー曲です。ロバート・ジョンソンから始まり、パーシー・メイフィールド、メンバーのロニー・バロン、ボビー・チャールズ、ビッグ・ジョー・ウィルアムス、ニック・グレイヴナイツ、エリック・フォン・シュミット、ニーナ・シモンと続きます。エイモスのギターとバターフィールドのハープが光っています。
つづいて1973年には『It All Comes Back』をリリースします。
ここではバターフィールドとボビー・チャールズの共作が2曲収められています。ボビー・チャールズの曲が合計で4曲も収録されています。バターフィールドのボビー・チャールズへの傾倒ぶりが伺えます。ここでは何といってもボビー・チャールズとザ・バンドのリック・ダンコの「Small Town Talk」でしょうか。ヴォーカルはジェフ・マルダーです。前9曲の内バターフィールドが5曲も歌っています。ドクター・ジョンとロニーバロンの共作も1曲あります。
『ベター・デイズ』はこの2枚のアルバムで残念ながら解散します。もともとパーマネントなグループとは思えませんでしたので、当然と言えば当然かと思います。
それでもこの後も、ウッドストックの連中との付合いは続き、マディ―・ウォーターズやザ・バンドのメンバーとの交流も続き、ザ・バンドの『ラストワルツ』ではマディ・ウォーターズと共に出演しています。自身では「Mystery Train」を歌いました。マディー・ウォーターズの「Manish Boy」ではハープを吹いていました。懐かしい。
その後もソロ活動を続けますが1987年に44歳でなくなりました。モルヒネの過剰摂取でした。長年腹膜炎の痛みで苦しんでいたようです。
なお、『ベター・デイズ』のライブ音源が随分後になってからCDで発売されました。
当然即購入、素晴らしい内容で大満足でした。
ポール・バターフィールドはアメリカにおける白人ブルースの先駆けでした。彼のところからマイケル・ブルームフィールド、エルビン・ビショップ、マーク・ナフタリンらが巣立っていきました。彼がロック界に残した功績は偉大なものが有りました。
Paul Butterfield's Better Days - Highway 28
Paul Butterfield's Better Days : Broke My Baby's Heart (Live @ Winterland Ballroom 1973)
それでは今日はこの辺で。