今日の「この人の、この1枚」はアル・クーパー(Al Kooper)の『スーパー・セッション(Super Session)』です。
今回も『ブルースの名手たち』で紹介したアーティストです。
1965年のボブ・ディランのアルバム『追憶のハイウェイ61(Highway 61 Revisited)』のレコーディングで知り合ったアル・クーパーとマイク・ブルームフィールド(Mike Bloomfield)はその後、それぞれの道を歩みました。アル・クーパーはブルース・プロジェクトからブラッド・スウェット・アンド・ティアーズ(BST)、マイクはポール・バターフィールド・ブルース・バンドからエレクトリック・フラッグへと活動の場を変えていました。
この二人が1968年にモビー・グレイプ(Mobby Grape)の『Grape Jam』というアルバムに参加しました。ここでのジャム・セッションにヒントを得たアル・クーパーはマイクを誘ってセッション・アルバムを作る相談を持ち掛けました。マイクの了承を得てレコーディングか開始されました。レコーディングにはエレクトリック・フラッグからハーヴェイ・ブルックス(Harvey Brooks,b)とバリー・ゴールドバーグ(Barry Goldberg,p)、そしてセッション・ドラマーのエディ・ホー(Eddie Hoh)が参加しました。
レコーディングはアルバムとしてリリースされた片面の5曲と未収録となった1曲を録音したところで、マイクが不眠症のため行方不明になってしまいました。『フィルモアの奇蹟』のライヴの時もそうでした。
急遽、代わりを探し、運よくバッファロー・スプリングフィールドが解散したばかりのスティーヴン・スティルス(Steven Stills)に承諾をもらい、残りの片面を録音し完成しました。
1968年にアルバム『スーパー・セッション』リリースされました。
Side A
1.Albert's Shuffle
2.Stop
3.Man's Temptation
4.His Holy Modal Majesty
5.Really
Side B
1.It Takes A Lot To Laugh, It Takes A Train To Cry
2.Season Of The Witch
3.You Don't Love Me
4.Harvey's Tune
メンバーは
アル・クーパー(Al Kooper ,p ,organ, vo, g)
マイク・ブルームフィールド(Mike Bloomfield ,g on A1 to A5)
ハーヴヴェイ・ブルックス(Harvey Brooks ,b)
スティーヴン・スティルス(Steve Stills ,g on B1 to B4)
エディ・ホー(Eddie Hoh ,ds)
バリー・ゴールドバーグ(Barry Goldberg ,p on A2)
プロデュースはアル・クーパーです。
A1はアルとマイク。ゾクゾクします。
A4~A5はアルとマイク。
B1はボブ・ディランの「悲しみは果てしなく」。
B2はドノヴァン。
B3はウィリー・コブス。
B4はハーヴェイ・ブルックス。
CDには未発表だった1曲を含む4曲のボーナス・トラックが収録されています。
あの頃、ただただマイク・ブルームフィールドのギターに圧倒されていました。
このアルバム以降、「スーパーセッション」なる言葉が広く使われるようになったような気がします。
いずれにしても白人ブルース・ロックの名盤であることには疑いがないでしょう。
この後、アル・クーパーは第2弾をもくろみます。それは次回にします。
Bloomfield, Kooper, Stills - Super Session - 01 - Albert's Shuffle
Bloomfield, Kooper, Stills - Super Session - 02 - Stop
Bloomfield, Kooper, Stills - Super Session - 05 - Really
Super Session - Season of the Witch.mp4
それでは今日はこの辺で。