カナダのスリーピース、ハードロックバンド『トライアンフ(Triunph)』です。結成は1975年です。
メンバーは
リック・エメット(Rick Emmet,g,vo)
マイク・レヴィン(Mike Levine,b,key)
ギル・ムーア(Gil Moore,ds,vo)
の3人編成です。ちょっと変わっているのはリード・ヴォーカルが二人いるところでしょう。
カナダの3人編成のロックバンドというと「ラッシュ(Rush)」が思い浮かびますが、よく比較されていました。その他、カナダのヘヴィメタバンドというとニッケル・バックやハーレム・スキャーレムなどが思い浮かびます。古くはステッペン・ウルフあたりでしょうか。
中心人物のリック・エメットは14歳の頃からギターを始めクラシックやジャズを勉強したそうです。好きなギタリストはジャズのチャーリー・クリスチャン、それにジミ・ヘンドリックス、スティーヴ・ハウなどでした。
リックがマイク・レヴィンとギル・ムーアと知り合いバンド結成に至ります。1976年にはファーストアルバム『Triunph』をリリースしますが、鳴かず飛ばずでした。翌年にはセカンドアルバム『Rock & Roll Machine』をリリースします。これが話題を呼び人気が出て来ます。この中にはイーグルスに加入したジェイムス・ギャングのジョー・ウォルシュの「Rocky Mountain Way」もヒットしてアメリカでも知られるようになります。
そして1979年にサードアルバム『Just A Game』がリリースされます。
Side A
1.Movin' On
2.Lay It on the Line
3.Young Enough to Cry
4.American Girls
Side B
1.Just a Game
2.Fantasy Serenade
3.Hold On
4.Suitcase Blues
「トライアンフ」は大概ヘヴィメタ・ハードロックの範疇に入れられていますが、その音楽性は多様です。メロディアス・ハード的なところもあり、ブルース的なところもあり、ジャズ的なところもあります。そしてプログレ風な部分も持っています。
A-1はハードロックです。ところがA-2になるとメロハーになります。これはギル・ムーアとリック・エメットの楽曲の違いでしょう。このアルバムではギルが3曲、リックが5曲という構成です。ヴォーカルの声質も全く違います。これがこのバンドの面白さです。A-3はブルースフィーリングたっぷりです。ギルの曲です。A-4はハードロック、これもギルです。B面はすべてリックの曲。B-1はバラード風、B-2はアコースティックのスパニッシュ風。B-3は全米でも大ヒットした名曲です。アコースティックで始まりハードロックへと。B-4はリックが好きなジャズ・ギターをフィーチャーしたナンバーです。
このあとバンドは1980年代に入り絶頂期を迎え7枚のアルバムを発表し、4枚のゴールドディスクを獲得します。メロディアスなハードロック路線を貫きました。
しかし、1989年にリック・エメットが脱退し、その後メンバーチェンジをしてアルバムを1枚出しますが、結局19993年に解散します。
本国では絶大なる人気を博し、音楽の殿堂入りも果たしましたが、日本での人気は今ひとつでした。
全く違うヴォーカルをご堪能ください。
それでは今日はこの辺で。