フィンランドのヘヴィメタル・バンド『シナジー(Sinergy)』です。
女性シンガーキンバリー・ゴス(Kimberly Goss,vo)は韓国人の父親とドイツ人の母親を持ち、本人はアメリカ人です。アメリカ・テネシー州のとあるフェスティバルに参加したときにノルウェー人と知り合いになり北欧の人と人脈が広がりノルウェーに渡ります。そこで色々なバンドに参加し、やがて自分がリードヴォーカルをとるバンドを作りたいと思った時に、イン・フレイムスやハンマーフォールのギタリスト、イエスパー・ストロムブラードJesper Strömblad,g)が手助けしてくれます。そしてバンドを作ろうということになってメンバーを探したところ、チルドレン・オブ・ボドムのぎタリスト、アレキシ・ライホ(Alexi Laiho,g)に目をつけ、交渉するとアレキシは了承します。さらにドラマーのロニー・ミラノヴィッチ(Ronny Milianowicz)、アーチ・エネミーなどのベースのシャーリー・ダンジェロ(Sharlee D'Angelo,b)が加入して『シナジー』が結成されます。1998年でした。メンバーがそれぞれバンドを掛け持ちしているということからプロジェクト的意味合いが強いスタートでした。
そして1999年ファーストアルバム『Beware the Heavens』をリリースします。
01.Venomous Vixens
02.The Fourth World
03.Born Unto Fire and Passion
04.The Warrior Princess
05.Beware the Heavens
06.Razorblade Salvation
07.Swarmed
08.Pulsation
09.Virtual Future
10.Beware the Heavens(Demo Version) *
*日本盤ボーナストラック
『シナジー』はメロディックデスメタル(メロデス)だと聞いていたので、私はデスの声は苦手なほうなのでどうしようか迷っていたのですが、女性ヴォーカルのデスメタルはどんなものか興味もあったので半信半疑で聴きましたが、どっこい普通のヘヴィメタでした。どちらかというとメロディックスピードメタル(メロスピ)です。タイトル曲はスピード感たっぷりでメロディーもきれいで聴きごたえあります。続く06はスローテンポの哀愁漂う曲です。ギターの絡みがいい。キンバリー・ゴスは容姿からして物凄い迫力ですが、声はそれに似ず優しいです。デビューアルバムとしてはかなりの出来になっていると思います。どうやらキンバリー・ゴスとアレキシ・ライホは結婚したようです。
2000年にセカンドアルバム『To Hell and Back 』をリリースします。
01.The Bitch Is Back
02.Midnight Madness
03.Lead Us to War
04.Laid to Rest
05.Gallowmere
06.Return to the Fourth World
07.Last Escape
08.Wake Up in Hell
09.Hanging on the Telephone
10.Invincible *
*日本盤ボーナストラック
前作の後、キンバリーとアレキシを除きメンバーが総入れ替えになります。
新しくメンバーに加わったのは
ローペ・ラトヴァラ (Roope Latvala,g)
マルコ・ヒエタラ (Marco Hietala,b)
トミー・リールマン (Tonmi Lillman,ds)
イエスパー・ストロムブラードはイン・フレイムに戻り、シャーリー・ダンジェロはアーチ・エネミーへと。もともと彼らはいくつものバンドを掛け持ちしているので止むを得ません。新しく加わったローペ・ラトヴァラにしてもこの後はチルドレン・オブ・ボトムへ、マルコ・ヒエタラはナイトウィッシュへと、とにかく忙しい。
このアルバムは前作の延長線上にあります。キンバリー・ゴスの成長ぶりが著しいです。艶っぽさが増し、曲によっては声を変えながら迫力満点に歌い上げます。ブロンディーやパット・ベネターのカバーもあります。
この後、2002年に同メンバーでサードアルバム『Suicide By My Side』をリリースしますが、残念ながら未購入です。
そしてアルバム発表後、メンバーがそれぞれのバンドへ戻り活動に専念したため、メンバーのめどが立たず解散となりました。惜しいバンドでした。
Sinergy - Laid To Rest(with lyrics)
それでは今日はこの辺で。