以前、『ハードライン(Hardline)』のことを書きましたが、肝心なその前身の『バッド・イングリッシュ(Bad English)』のことは書いていないことに気が付きました。遅ればせながらちょっとだけ書いてみたいと思います。
『バッド・イングリッシュ』、結成は1988年、メンバーは、
ジョン・ウェイト(John Waite,vo)
ニール・ショーン(Neal Schon,g,vo)
ジョナサン・ケイン(Jonathan Cain,key,vo)
リッキー・フィリップス(Ricky Phillips,b,vo)
ディーン・カストロノヴァ(Deen Castronovo,ds,vo)
ニールが元『ジャーニー』、ジョンとリッキーが元『ベイビーズ』、そしてジョナサンが『ベイビーズ』から『ジャーニー』に引き抜かれた男、というメンバー構成です。こうしてみると知名度からいって『ジャーニー』が『ベイビーズ』を吸収したように見えますが、実態は『ベイビーズ』が『ジャーニー』、とりわけニール・ショーンの知名度を利用したのではないかという憶測がどうしても拭い去れません。それはニールの抑制されたギターとわずか2枚で解散、そしてジャーニーの再結成という流れから見るとそう思わざるを得ないところがあります。
なお、『バッド・イングリッシュ』とはビリヤードの玉を撞くときに失敗することを意味するようです。
1989年にファーストアルバム『Bad English』をリリースします。
01.Best of What I Got
02.Heaven Is a 4 Letter Word
03.Possession
04.Forget Me Not
05.When I See You Smile
06.Tough Times Don't Last
07.Ghost in Your Heart
08.Price of Love
09.Ready When You Are
10.Lay Down
11.Restless Ones
12.Rockin' Horse
13.Don't Walk Away
現在はボーナストラック2曲追加のデラックス・エディションが発売されています。
このアルバムからは02、03、04、05、08がシングルカットされ、05は全米1位を記録します。今聴いても80年代後半の匂いがプンプン、日本人好みの曲が連続です。ハードロックあり、AORあり、バラードありで、叙情的メローディは日本人受けします。ジョン・ウェイトの声は多少ハスキーでこういった曲にはピッタリです。私もこのアルバムはかなり気に入りました。
1991年にセカンドアルバム『Backlash』をリリースします。
01.So This Is Eden
02.Straight to Your Heart
03.Time Stood Still
04.Time Alone With You
05.Dancing Off the Edge of the World
06. Rebel Say a Prayer
07.Savage Blue
08.Pray for Rain
09.Make Love Last
10.Life at the Top
このアルバムは前作が素晴らしすぎたのか、評判がよくありませんでした。
確かにヴォリューム的には前作が62分、今作が48分と大分少なくなりましたが、1曲1曲の曲自体は前作から劣るものではないと思います。
オープニングはいかにもキャッチーなハードポップロック。03、04は泣きのバラード。 ジョン・ウェイトはバラードがよく似合います。05、06は重々しいロック。07はAOR、08はメロハー的。ラストは軽快なロックナンバー。なかなかバラエティに富んだ好アルバムだと思います。
しかしこのアルバム作成の頃からニールの欲求不満は極限まで行きつき、アルバム発売の頃にはドラムのディーンを引き連れ脱退してしまいます。そして『ハードライン』結成へと向かいます。
ジョン・ウェイトはソロに、ジョナサン・ケインはソロ活動の後、ニール、ディーンと共にジャーニーの再結成へ、リッキーは2003年からスティクスへとそれぞれ活動拠点を求めます。
何とも惜しい気もしますが、これがスーパーグループの宿命なのでしょう。
Bad English - When I See You Smile
Bad English - Possession (1989)
それでは今日はこの辺で。