前回の続きです。
カイ・ハンセンがハロウィンを脱退して結成したバンドがガンマ・レイです。メンバーはラルフ・シーパース(vo)、ウヴェ・ヴェッセル(b)、マティアス・ブルヒャルト(ds) でした。1990年にはファーストアルバム『Heading For Tomorrow』をリリースします。ファーストアルバムの後メンバーチェンジが行われ、1994年にはヴォーカルのラルフも脱退、カイ・ハンセンがヴォーカルを兼務します。ハロウィンの流れを汲む、メロディック・パワーメタルです。
お気に入りはデビューアルバムの『Heading For Tomorrow』とカイ・ハンセンがヴォーカルを担当した『Land Of The Free』あたりでしょうか。ここにはマイケル・キスクとブラインド・ガーディアンのハンズィ・キアッシュが参加しています。
Gamma Ray Land of the Free (ft Michael Kiske)
『ブラインド・ガーディアン(Blind Guardian)』
1985年に「Lucifer's Heritage」のバンド名で結成されました。ハロウィンやガンマ・レイのカイ・ハンセンとも流が深く、アルバムでお互いに参加し合ったりしています。幻想的なシンフォニック・メタルとでも言った方がいいかもしれません。ファンタジーな世界観です。ヴォーカルは当初からハンズィ・キアシュです。
お気に入りは3枚目のアルバム『Tales from The Twilight World』と6枚目の『Imaginations From The Other Side』あたりでしょうか。ジャケットはどれも幻想的というかミステリアスです。
Blind Guardian "Traveler In Time"
Blind Guardian - Imaginations From The Other Side (studio)
『レイジ(Rage)』
1984年、「Avenger」というバンド名で活動開始しますが、同名バンドがいたため、レイジに改名しました。中心メンバーはピーター "ピーヴィー" ワグナー(vo,b)です。現在はスリーピースです。Avenger時代にアルバムを1枚リリースしていますが、レイジになってからのデビューは1986年の『Reign Of Fear』です。その後は数多くのアルバムを発表しています。
お気に入りは6枚目の『Trapped!』です。
『ヘヴンズ・ゲイト(Heavens Gate)』
1987年に始動したサーシャ・ピート(g)率いるヘヴンズ・ゲイト。サーシャ・ピートはアングラやラプソディのプロデューサーです。デビューは1989年の『In Control』です。
そしてセカンドアルバムがお気に入りの『Livin' in Hysteria』です。スピードもあり、メロディックもあり、バラードもありと多彩なジャーマンメタルです。これは気に入りました。
Heavens Gate - Livin' in Hysteria
『アイアン・セイヴァー(Iron Savior)』
ハロウィンの大元となったバンド、ジェントリーでカイ・ハンセンと盟友だったピート・シールク(g,vo,key,b)とカイ・ハンセン(g,vo)がブラインド・ガーディアンのトーメン・スタッシュ(ds)を加えたプロジェクト的なバンドを1997年に立ち上げました。ピート・シールクはジェントリーの後、セカンド・ヘル、アイアン・フィストまでカイ・ハンセンと行動を共にしましたが、ハロウィンに移行する直前に脱退していました。そして再び音楽界に戻ってきました。ガンマ・レイやブラインド・ガーディアンのメンバーとの交流を深め、アイアン・セイヴァーの結成につながりました。
ファーストアルバムは1997年の『Iron Savior』です。ここには、ゲストとしてブラインド・ガーディアンのハンズィ・キアッシュ、ガンマ・レイのダーク・シュレヒターが参加しています。その後、カイ・ハンセンは2001年に離脱しています。現在も活動中で、アルバムも10枚を数えました。ハロウィンとガンマ・レイとブラインド・ガーディアンを混ぜ合わせた様な、パワー・メタルです。
Iron Savior - 02 Atlantis Falling
Iron Savior - Watcher in the Sky
『サンダーヘッド(Thunderhead)』
ドイツ人とアメリカ人の組合せの異色のジャーマンメタルです。ヴォーカルはアメリカ人のテッド・ブレット。1988年にハノーファーでの結成。ドイツ人3人にアメリカ人1人の4人組です。デビューアルバムは1989年の『Behind the 8-Ball』です。いわゆるジャーマンメタルとは一線を画した、アメリカナイズのハードロックです。お気に入りはファーストとサードアルバムの『Crime Pays』です。
Thunderhead - 01 - Behind The Eight Ball
フェア・ウォーニング関連、ピンク・クリーム69、ヘリコン、エドガイ、キングダム・カムなどは既に書いていますので割愛しました。あと何か忘れているような気もしますが今のところ思い出せません。
極私的と言いながら、極めてオーソドックスな選出でした。終盤バテました。
ロックと言えばまだまだ英米が主流を占めていた70年代、NWOBHM(ニュー・ウェイブ・オブ・ブリティッシュ・へヴィー・メタル)の出現でドイツ・北欧をはじめ世界中にロック・ミュージックが拡散してゆきました。ジャーマン・メタルはその先駆けだったのです。
それでは今日はこの辺で。