アメリカ西海岸のバンド『ストーングラウンド(Stoneground)』は当初は3人でスタートしました。ティム・バーンズ(Tim Barnes,g,vo)、マイケル・マウ(Mochael Mau,ds)、ルーサー・ビルド(Luther Bildt,vo,g)の3人です。間もなくそこにジョー・ブレイクリー(Joe Blakeley,b,vo)とボー・ブラメルズ(Beau Brummels)にいたサル・ヴァレンティノ(Sal Valentino,g,vo)が加わり、さらにサル・ヴァレンティノが4人のヴォーカリストを連れてきました。アニー・サンプソン(Annie Sampson,vo)、リン・ヒューズ(Lynne Hughes,vo)、ディレッド・ラポート(Deirdre LaPorte,vo)、リディア・フィリップス(Lydia Prillips,vo)です。さらにイギリスにいたピート・シアーズ(Pete Sears,b,key(後にジェファーソン・スターシップに参加))まで加わって、総勢10人の大所帯になりました。
彼らはマーティン・スコセッシの映画『Medicine Ball Caravan』にも登場しているように、この大々的なツアーのメンバーでした。この企画はウッドストックの二番煎じを狙ったものでした。
そして1971年にファーストアルバム『Stonground』を発表します。
プロデュースはトム・ドナヒュー(Tom Donahue)とサル・バレンティノでした。
ブルースあり、カントリーあり、サイケデリックありでヴォーカルも多種多様でいかにも70年代の西海岸を代表する様な共同体的雰囲気でした。
そして同年ライブとスタジオを組み合わせた2枚組アルバム『Family Albam』をリリースします。
Side A
1.Get Rhythm
2.Passion Flower
3.Corina
4.Big River
Side B
1.Won't Be Long
2.Super Clown
3.Richland Woman
4.Queen Sweet Dreams
5.Precious Lord
Side C
1.It Takes A Lot To Laugh (It Takes A Train To Cry)
2.I Can't Help It
3.No Doreen
4.It's Not Easy
5.If You Got To Go
6.Total Destruction To Your Mind
Side D
1.You Must Be One Of Us
2.All My Life
3.Where Will I Find Love
4.Gonna Have A Good Time
5.Jam It
メンバーが変わっています。
ピート・シアーズとマイケル・マウ、ルーサー・ビルドが抜け、代わりにコーリー・リリオス(Cory Lerios,key,vo)、ステファン・プライス(Stephen Price,ds)、ブライアン・ゴデュラ(Brian Godula,b)が加わります。
1面から3面までがサンフランシスコでのライブ音源です。4面がスタジオ録音。
ジョニー・キャッシュやボブ・ディランの曲などカバー曲がファーストに比べ多くなっています。
私がストーングラウンドを初めて聴いたのは『フィルモア最后のコンサート』という映画の中でした。確かA-2の「Passion Flower」を演奏したと思います。
とにかくこの映画に出てくる西海岸のバンドの数々には圧倒されっぱなしでした。彼らの他にも初めて知ったバンドがいくつかあって、例えば昨日紹介した、後にAORで売れた『サンズ・オブ・チャンプリン』や『コールド・ブラッド』など新鮮でした。
映画が終わった後、早速レコードを探しに行きましたが。日本盤など出ているはずもなく、輸入盤屋さんでようやく見つけて購入しました。
ストーングラウンドはこの後、メンバーチェンジを繰り返し、結局1973年にはサル・バレンティノもボー・ブラメルズに戻り、コーリー・リリオスとステファン・プライスは途中から加入したデヴィッド・ジェンキンス(David Jenkins)を誘いパブロ・クルーズを結成しました。このバンドはポップロック、AOR路線で大きな成功を収めました。
残ったメンバーのティム・バーンズがメンバーをかき集めなんとか1980年までに3枚のアルバムを残しましたが、鳴かず飛ばずでした。
1970年代初期の輝いていたアメリカ西海岸を象徴するバンドでした。
Stoneground - An Added Attraction (Come and see Me) 1971
Stoneground - You Must Be One Of Us
それでは今日はこの辺で。