今日はちょっと趣向を変えて、歌謡界の女王美空ひばりの別な一面を書いてみたいと思います。
美空ひばりといえば『天才少女』『歌謡界の女王』と謳われ女性初の国民栄誉賞まで受賞しました。そんな美空ひばりですがテレビでは歌謡曲を歌っている姿しか映していませんでした。
私も子供の頃からテレビやラジオで美空ひばりの歌は聴かされていましたが、彼女の没後にジャズを歌っているCDが発売されているの知って思わず買ってしまいました。
それが『美空ひばり/Jazz & Standards』でした。
01.虹の彼方に Over The Rainbow
02.ラブ・レター Love Letters
03.上海 Shanghai
04.恋人よ我に帰れ Lover,Come Back To Me
05.アイ・ラブ・パリ I Love Paris
06.バラ色に人生 La Vie En Rose
07.セ・マニフィック C'est Magnifique
08.クライ・ミー・ア・リヴァー Cry Me A River
09.スターダスト Stardust
10.アゲイン Again
11.ダニー・ボーイ Danny Boy
12.愛さないなら棄てて Love Me Or Leave Me
13.ブルーベリー・ヒル Blueberry Hill
14.A列車で行こう Take The "A" Train
15.愛のタンゴ I Can't Tell A Waltz From A Tango
16.慕情 Love Is A Many-Splendored Thing
03,06,10,12,14,15はモノラル録音です。
モノラル録音があるように、これらの曲の中の「上海」「アゲイン」は16歳の頃に録音されています。
「恋人よ我に帰れ」や「A列車で行こう」などのジャズナンバーのスウィング感には驚く以外ありません。美空ひばりがジャズシンガーになっていても、おそらく一流のジャズヴォーカリストになっていたことでしょう。
「バラ色の人生」などのシャンソンやいわゆるスタンダードと呼ばれた曲が並びます。
天才は何を歌っても一流だという証拠です。
そういえばいつだったか黛敏郎のテレビ番組『題名のない音楽界』でクラシックに挑戦して、自分の思い通りに歌えなかったのか、悔しがっていた姿が思い出されます。
それと驚くのは英語の発音です。何も知らずに聴いたならば、日本人が歌っているとは思えないでしょう。美空ひばりは英語が話せるわけではないので、聴いたものをそのまま発音できるのでしょう。楽譜も読めるわけではなく、一度聴いたらもう歌えるということですから、耳の聴力というのか何というのかわかりませんが、とにかく人並外れて優れていたのでしょう。
私も美空ひばりについては特別思い入れがあるわけでもありませんが、学生時代に岡林信康のコンサートで飛び入りの美空ひばりを観て、その存在感に圧倒された思い出があります。岡林信康はその頃演歌に入れ込んで、美空ひばりに楽曲を提供していたこともあって、出演してくれたのでしょう。
それ以降、私も遅ればせながら美空ひばりの歌をまじめに聴くようになりました。確かに名曲がたくさんあります。特に好きなのが「越後獅子の歌」「津軽のふるさと」「哀愁波止場」「悲しい酒」「みだれ髪」などでしょうか。
後にも先にもこれ以上の歌手は日本では現れないかもしれません。生きていれば81歳でしょうか。まだ歌っていたかもしれません。
恋人よ我に帰れ Lover, Come Back to Me/美空ひばり
それでは今日はこの辺で。