Flying Skynyrdのブログ

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幻の『グリース・バンド(Grease Band)』

幻と言っては失礼かもしれません。れっきとしたアルバムを残しています。グリース・バンド(Grease Band)です。

グリース・バンドというとすぐにジョー・コッカーのバックバンドという言葉が浮かびます。確かにジョー・コッカーのファーストアルバム『With Alittle Help from My Friendsでの演奏とウッドストック・コンサートでのジョー・コッカーのバックで写っている姿が思い浮かびます。しかし、単なるバックバンドと違うのはメンバーが百戦錬磨の強者揃いということです。

当初のメンバーはSweeney's Menに在籍していたヘンリー・マックロウ(Henry McCullough,g,vo)、それにクリス・ステイントン(Chris Stainton,key,b)トミー・アイル(Tommy Eyre,key)ケニー・スレイド(Kenny Slade,ds)でした。

そしてジョー・コッカーの『With Alittle Help from My Friends』が成功すると、あらたにブルース・ローランド(Bruce Rowland,ds)ジューシー・ルーシー(Jucy Lucy)にいたニール・ハバード(Neil Hubbard,g)、アラン・スペナー(Alan Spenner,key)が加わりました。

そしてこの3人にヘンリー・マックロウを加えた4人でファーストアルバム『The Grease Band』をリリースします。クリス・ステイントンはプロデュースに回ります。

イギリスの『ザ・バンド』などと形容されることもありますが、ちょっとそれを感じさせるところもありますが、音楽の幅はもっと広く、ロックンロール、ブルースロックからアメリカのスワンプロックまで広がります。

 

このアルバムリリース後、ヘンリー・マックロウはスプーキー・トゥース(Spooky Tooth)のアルバム『Last Puff』に参加し、その後はポール・マッカトニーウィングス(Wings)に参加します。そしてまたジョー・コッカーと行動を共にしたり、フランキー・ミラー(Frankie Miller)のバンドに参加したりして、1975年に再びグリース・バンドを再開します。

ニール・ハバードとアラン・スペナーはファンク・バンド、ココモ(Kokomo)をスタートさせます。

 

1975年に再会したグリース・バンドは先のメンバーにクリス・ステイントン、そして新たにミック・ウィーヴァ―(Mick Weaver,key)テリー・スタナード(Terry Stannard,ds)メル・コリンズ(Mel Collins,sax)らが加わってアルバム『Amazing Grease』がリリースされます。

 

曲によってメンバーが入れ替わりで参加しています。このアルバムはヘンリー・マックロウ中心のセッションアルバムのようなものになっています。

 

このあとブルース・ローランドはロニー・レーンのスリム・チャンス(Ronnie Lane & Slim Chance)フェアポート・コンベンション(Fairport Convention)に参加します。 

 

ヘンリー・マックロウは1975年にファーストソロアルバム『Mind Your Own Business』をリリースします。

ここにはグリース・バンドのメンバーやフランキー・ミラーも参加しています。その後もソロアルバム以外にも多くのセッションにやレコーディングに参加し、一目置かれるギタリストでした。惜しくも2016年に72歳で亡くなりました。

 

グリース・バンドはジョー・コッカーのバックバンドというレッテルは逃れられませんが、バンド自体も実に渋く、玄人好みのバンドでした。

 


'' the grease band '' - let it be gone - live beatclub 24/7/1969.


Joe Cocker, The Grease Band - With A Little Help From My Friends (LIVE BBC 1968)


Grease Band - All I Wanna Do

 

それでは今日はこの辺で。