今日の「懐かしのヘヴィメタ(懐メタ)・シリーズ」はナイト・レンジャー(Night Ranger)です。
ナイト・レンジャーはヘヴィメタにしてはポップで聴きやすいバンドです。ヘヴィメタというよりはハード・ポップ・ロックと言った方がしっくり来るかもしれません。
原点は1977年結成のファンクロック・バンド「ルビコン」でした。サンフランシスコでの結成です。このバンドはスライ&ファミリーストーンのジェリー・マルティーニが結成したバンドで、ここにジャック・ブレイズ(Jack Blades,b,vo)とブラッド・ギルス(Brad Gillis,g)が在籍していました。さらにツアーメンバーとしてケリー・キージー(Kelly Keagy,ds,vo)もいました。
ルビコンが解散すると3人は「ステレオ」というバンドを結成します。そこに元モントローズのメンバーで、ロニー・モントローズのガンマにも参加し、サミー・ヘイガーのバンドでも活躍していたアラン"フィッツ"ジェラルド( Alan "Fitz" Fitzgerald,key)が加わりました。この4人でセッションを始め、レコーディングを開始しました。
最後にジェフ・ワトソン(Jeff Watson,g)が加わりました。彼は自身のバンドを持っていましたが、ブラッド・キルズとはハイスクール時代からの友人でした。
こうして2人のリードヴォーカルと2人のリードギターという珍しい構成のバンドが出来上がりました。
彼らは当初「レンジャー」と名乗りましたが、同名のバンドが存在したため「ナイト・レンジャー」に改めました。
デビュー前にブラッド・ギルスはオジー・オズボーン・バンドのギタリスト、ランディ・ローズが急死したため、その代役に指名され一時的にそのバンドに参加し、日本にもやってきました。1982年のことでした。
そしてその年、オジーのツアーが終了すると、ナイトレンジャーはデビューアルバム『Down Patorol』をリリースします。
このアルバムは全米で38位になるヒットをしました。シングルも「ドント・テル・ミー・ユー・ラヴ・ミー」が40位、「シング・ミー・アウェイ」が54位を記録しました。
典型的なアメリカン・ハードロックですがキャッチーな曲が多く、かなりポップなロックアルバムでした。
そして、翌年セカンドアルバム『Midnight Madness』がリリースされます。
Side A
1.(You Can Still) Rock in America
2.Rumours in the Air
3.Why Does Love Have to Change
4.Sister Christian
Side B
1.Touch of Madness
2.Passion Play
3.When You Close Your Eyes
4.Chippin' Away
5.Let Him Run
プロデュースはパット・グラッサー(Pat Glasser)です。
アルバムは全米15位のヒット作となりました。シングルも「シスター・クリスチャン」が全米5位の大ヒット、続く「ホエン・ユー・クローズ・ユア・アイズ」も14位、「ロック・イン・アメリカ」は51位とそれぞれヒットしました。アルバムはプラチナ認定されました。
バラード曲も増え、いかにも売れそうなアルバムになりました。ハードロックとAORの中間の様な感じです。
1985年にはサードアルバム『セヴン・ウィッシーズ』をリリースします。
このアルバムは、彼らに初の全米トップ10入りを果たさせました。シングルも「センチメンタル・ストリート」が全米8位、「フォー・イン・ザ・モーニング」が19位、「グッドバイ」が17位とヒットの連続でした。
しかし、この時期あたりが頂点でした。
4枚目の『Big Life』、5枚目の『Man In Motion』はセールスも振るいませんでした。
そして、アラン”フィッツ”ジェラルドが脱退、翌年にはジャック・ブレイズも脱退し、バンドは活動停止になりました。ジャック・ブレイズはダム・ヤンキースに参加。
ブラッド・ギルスはバンドの復活を図り、ケリー・キージーと新たにゲイリー・ムーン(Gary Moon,vo,b)を加えて3人でバンドを編成し、ムーン・レンジャーと名乗りました。
1996年にはオリジナルメンバーで再結成を果たしました。その後もメンバーチェンジを繰り返し、現在も活動中です。
Night Ranger - Sister Christian
Night Ranger - When You Close Your Eyes
Night Ranger - (You Can Still) Rock In America
それでは今日はこの辺で。