今日の「懐かしのヘヴィメタ(懐メタ)・シリーズ」はクロークス(Krokus)です。
クロークスと言えばスイス出身の母国では英雄的な存在のバンドで、アメリカを始めヨーロッパでも人気になったバンドです。
AC/DCのクローン・バンドなどと呼ばれた時期もありました。
結成は古く1974年です。クリス・フォン・ローア(Chris Von Rohr,b,perc,vo)、トミー・キーファー(Tommy Kiefer,g)によってスイスで結成されました。
スイスではそこそこの人気を博しました。当初はプログレ風のロックを演奏していましたが、AC/DCのライヴを観て、HM/HRへ路線変更します。そしてヴォーカルもハイトーンヴォイスを採用することにし、マーク・ストラーチェ(Marc Strace,vo)を加入させました。その他のメンバーはフェルナンド・フォン・アーブ(Fernando von Arb,g)、(Jürg Naegeli,b,key)、フレディ・ステディ(Freddy Steady,ds)でした。
そして1980年に4枚目のアルバム『Metal Rendez-vous』をリリースします。
これがスイスではもちろん、アメリカでもそこそこヒットし、人気が出て来ました。
翌年の『Hardware』はアメリカで103位、イギリスでは44位と国際的な人気が出て来ました。トミー・キーファー、Jürg Naegeliはバンドを去ります。マーク・コフラー(Mark Kohler,g)が加入しました。
続く1982年の『One Vice at a Time』はアメリカで遂にベスト100に入る53位、イギリスでは28位になりました。
ここではゲス・フーの大ヒット曲 「アメリカン・ウーマン」をカバーし、
しかし、このあたりまではどうしてもAC/DCのコピー・バンドというレッテルが貼られていました。
ここでドラムのフレディ・ステディが脱退します。代わりのドラマーはハイドラ(Hydra)のスティーヴ・ペイス(Steve Pace,ds)が加入しました。さらにプロデューサーを変えたことが次のアルバムに大きく影響しました。
1984年、アルバム『Headhunter』をリリースします。
Side A
1.Headhunter
2.Eat the Rich
3.Screaming in the Night
4.Ready to Burn
Side B
1.Night Wolf
2.Stayed Awake All Night
3.Stand and Be Counted
4.White Din
5.Russian Winter
プロデュースはストローブス(Strawbs)やジューダス・プリースト(Judas Priest)でおなじみのトム・アロム(Tom Allom)です。
ここではバックマン・ターナー・オーヴァードライヴ(Bachman–Turner Overdrive)の「Stayed Awake All Night」をカバーしています。
またA-4の「Ready to Burn」ではロブ・ハルフォードがバッキング・ヴォーカルで参加し、後にサヴァイヴァ―(Survivor)に参加する、ジミー・ジェイミソンもバッキング・ヴォーカルで参加しています。
プロデューサーの影響なのか、ジューダス・プリーストの影響が強く出たアルバムになっています。メタルというよりもどちらかというとハードロックです。とくにA-3の「Screaming in the Night」のバラードなどはまさに絶品です。
私の感想ではこのアルバムが彼らの頂点だったような気がします。メンバーも入れ替わりが激しくなりました。クリス・フォン・ローアもバンドを去り、初期のメンバーはフェルナンド・フォン・アーブだけになってしまいました。
次のアルバム『The Blitz』は全米31位でゴールドアルバムになりましたが、ハードロックからよりポップになっていきました。
1986年のアルバム『Change of Address』ではアリス・クーパーの「School's Out」をカバーしたりしましたが、商業的には今ひとつでした。
アメリカでの人気は堕ちましたが、スイスでの人気は依然として高く、今でもアルバムを出すごとにスイスNo.1を記録しています。まさに国民的バンドの代表です。
Krokus - Screaming In The Night
それでは今日はこの辺で 。