イギリス出身の女性シンガー・ソングライター、ベス・オートン(Beth Orton)です。
彼女は1970年の生まれで、元々は女優志望でした。音楽との出会いはウィリアム・オービットとの出会いでした。彼はミュージシャンでありプロデューサーでもありました。既に自身のソロアルバムやマドンナのプロデュースなども手掛けていました。パーティーで知り合った二人はSpillという名のデュエットを組みました。シングルを1枚リリースしましたが、オービットは彼女の才能を認め、ソロアルバムの制作に取り掛かりました。
そして出来上がったのが『Superpinkymandy』です。1993年です。
但し、これは日本だけの発売でした。これはベス・オートン名義にはなっていますがほとんどウィリアム・オービットとの共作でした。
その後、ケミカル・ブラザースのファーストアルバムに参加するなどして、少しずつ名前が知られてきました。
1996年にセカンドアルバム『Trailer Park』が英米でもリリースされました。
このアルバムは本国イギリスでもヒットしました。シングルの「She Cries Your Name」もヒットし、イギリスの最優秀新人賞まで獲得しました。
そして1999年、サードアルバム『Central Reservation』がリリースされました。
01.Stolen Car
02.Sweetest Decline
03.Couldn't Cause Me Harm
04.So Much More
05.Pass in Time
06.Central Reservation
07.Stars All Seem To Weep
08.Love Like Laughter
09.Blood Red River
10.Devil Song
11.Feel To Believe
12.Central Reservation (The Then Again Version)
プロデュースは曲ごとに変わります。エヴリシング・バット・ザ・ガールのベン・ワットやブロウ・モンキーズのドクター・ロバートなども参加しています。
参加ミュージシャンンも多数で、面白いところではドクター・ジョン、ベン・ハーパーが顔を見せています。
このアルバムは全英で17位と健闘しました。アメリカでも110位とチャートインを果たしました。
ベス・オートンのハスキー・ヴォイスはちょっと気だるく、サンディ・デニーを思わせるところもあります。楽曲はまさにジャンルレスです。フォークでありポップスであり、ジャズを感じさせるところもあって、いかにも現代のポップスという感じです。
彼女は非常に寡作で、この後2002年に『Daybreaker』、2006年に『Comfort of Strangers』をリリースします。
前者ではライアン・アダムスやエミルー・ハリスがゲスト参加しています。
さらに、間隔が空いて2012年に7枚目のアルバム『Sugaring Season』がリリースされ、最新作は2016年の『Kidsticks』です。
最新作ではアコースティックからエレクトリックへカムバックしたようです。これは未購入です。
キャリアの割にはアルバムのリリース数が非常に少ないアーティストですが、その分中身はめっぽう濃いです。
Beth Orton - Central Reservation
それでは今日はこの辺で。