今日の「懐かしのヘヴィメタ・シリーズ(懐メタ)」はアングラ(Angra)を脱退したアンドレ・マトス(Andre Matos,vo,p)がヘヴンズ・ゲイト(Heavens Gate)のギタリストであり、アングラなどのプロデューサーでもあるサシャ・ピート(Sascha Paeth,g,b,vo)とのプロジェクトであるVirgoです。
アングラについては以前の記事で。
ヘヴンズ・ゲイトについても『懐かしのジャーマン・メタル 極私的名盤 2』で若干ながら触れています。
2000年にアングラを離れたアンドレ・マトスは一緒に退団したルイス・マリウッティ、リカルド・コンフェッソーリ等と共にシャーマン(Shaman)を結成する準備に取り掛かっていました。しかし、これがなかなか進まず、一方でアングラのプロデュースをしていたサシャ・ピートと気が合い、プロジェクトを作る話が持ち上がりました。
そして2001年、出来上がったのが『Virgo』です。
01.To Be
02.Crazy Me?
03.Take Me Home
04.Baby Doll
05.No Need To Have An Answer
06.Discovery
07.Street To Babylon
08.Rive
09.Blowing Away
10.I Want You To Know
11.Fiction
プロデュースはアンドレ・マトスとサシャ・ピートです。
レコーディングメンバーに
オラフ・ライトマイヤ(Olaf Reitmeier,b)
ロバート・ヒューネケ(Robert Hunecke-Rizzod,ds)
ミロ(Miro,key,vo)
が参加しています。ロバートはヘヴンズ・ゲイトのメンバー。
tracks: 3, 5, 6, 7, 9, 10がアンドレ・マトス、tracks: 1, 2, 4, 8, 9, 10, 11がサシャ・ピートです。
オープニングからクラシックを思わせるようなアコースティカルで雄大な曲で始まります。
2曲目はヘヴィなサウンドに暗いヴォーカルが被さる、重苦しい曲です。
3曲目は静かに始まるミディアム・テンポの曲。ベース音がずしりと来て70年代のハードロックを思わせます。サシャのギターも冴えます。ドラマティックに盛り上がっていきます。
4曲目はガラッと変わってポップチューンです。軽快なロック。
5曲目はメロディアスなナンバー。アンドレの抑え気味なヴォーカルはこれまたいい。
6曲目もメロディアスでポップなナンバー。
7曲目は変わった旋律を持つ曲。異国情緒を感じさせます。
8曲目はちょっぴりR&Bを感じさせるような曲調を持った曲。黒人のバックコーラス入り。
9曲目はハードロックナンバー。
10曲目はAOR風なポップな曲。
ラストはサシャのギターがブルージーでいい味を出しています。サシャのヴォーカルも聴けます。洒落た曲です。
ヘヴィメタと呼ぶにはちょっとシンフォニックでポップな感じもしますが、全体に施されたオーケストレーションやストリングスもこれまでのアングラやヘヴンズ・ゲイトとはまた違ったジャンルを生み出しているようです。これもメロハーの一種かもしれません。
しかし、私の知る限り、このVirgoはこの1枚で終わってしまったようです。
アンドレ・マトスは2006年にシャーマンを脱退、アンドレ・マトスという名前のバンドを結成します。そこで3枚のアルバムをリリースしています。
しかし残念ながら、今年6月8日、心臓発作で亡くなりました。ご冥福をお祈りいたします。
サシャ・ピートはその後。主にプロデュース業に専念しています。ラプソディ・オブ・ファイヤーやエドガイ、アンドレのシャーマンなどを手掛けています。プロデュースはミロとの共同プロデュースも多くあります。
またミュージシャンとしてもラプソディー・オブ・ファイアやエドガイにも参加していました。
VIRGO(Matos-Paeth)-Take Me Home
Virgo - No Need To Have An Answer
それでは今日はこの辺で。