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この人の、この1枚 『アルビオン・バンド(The Albion Band)/Rise Up Like the Sun』

今日の「この人の、この1枚」はアルビオン・バンド(The Albion Band)『Rise Up Like the Sun』です。

我が家のレコード棚とCD棚にはこのバンドのものが何枚か眠っています。最初にレコード盤を見つけたのは、確か1970年代の後半だったと思います。そのレコードはバンド名をアルビオン・カントリー・バンド(Albion Country Band)となっていました。名前も全く知りませんでしたが、ジャケットの裏を見てそのクレジットに知った名前がたくさんありました。当時よく聴いていたフェアポート・コンベンション(Fairport Convention)のメンバー達です。

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これは是非とも買わねばならんだろうと、即買いでした。しかし、輸入盤で、しかも当時は情報誌も少なく、ましてやインターネットなどあるはずももなく、詳しいことは全く分かりませんでした。やっている音楽はイギリスのトラディショナルなダンス音楽でした。

メンバーにアシュリー・ハッチングス(Ashley Hutchings,b,vo)デイヴ・マタックス(Dave Mattacks,ds)サイモン・ニコル(Simon Nicol,g,vo)など、フェアポートのメンバーの名前がありました。

そして、後々分かったのですが、フェアポート・コンヴェンションの創設者であるアシュリーが、バンドのフォーク・ロック化に耐え切れず脱退し、ティーライ・スパン(Steeleye Span)を結成しますが、このバンドも同じくフォーク・ロックに傾倒していき、アシュレイはこのバンドからも去ってしまいます。

そしてよりトラディショナルなイギリス音楽を目指して1971年にアルビオン・カントリー・バンドを結成します。メンバーにはデイヴ・マタックス、サイモン・ニコルの他に妻のシャーリー・コリンズ(Shirley Collins,vo)や同じくフェアポートのリチャード・トンプソン(Richard Thompson,g)も参加していました。そしてアルバム『No Roses』を発表します。これはシャーリー・コリンズをバンドがバックアップしたという形になっています。レコーディングには上記の他多くのミュージシャンが参加しました。スティーライ・スパンのマディ・プライア(Maddy Prior,vo)も顔を出しています。

内容はエレクトリック・トラディショナルともいうべき音楽で、アシュリーがやりたかった音楽を実践した形になったようです。

 

そして1973年にレコーディングされたのが私が初めて手にした『Battle Of The Fieldです。実際の発売は1976年でした。レコーディングの後、バンドは解散します。このアルバムにはマーティン・カーシー(Martin Carthy,vo,g)スー・ハリス(Sue Harris,vo,oboe)ロジャー・スワロー(Roger Swallow,ds)ジョン・カークパトリック(John Kirkpatrick,vo)も参加しました。

 

 バンド解散後、アシュリーはシャーリーと共にエッチンガムスチームバンド( Etchingham Steam Band)を結成します。しかし、2年足らずで解散し、1976年に新しくアルビオン・ダンス・バンド(Albion Dance Band)を結成します。

メンバーはシャーリー・コリンズ、サイモン・ニコル、デイヴ・マタックスの他にジョン・ロッド(John Rodd,vo,concertina)、フィル・ピケット(Phil Pickett)、マイケル・グレゴリー(Michael Gregory,ds)、グリーム・テイラー(Graeme Taylor,g)、ジョン・ソスコット(John Sothcott)、ジョン・タムス(John Tams,vo)、エディ・アプトン(Eddie Upton,vo)でした。

1977年にアルバム『The Prospect Before Us』をリリースします。

 

そして1978年に今度はアルビオン・バンド名義で『Rise Up Like the Sun』をリリースします。このアルバムは確か上野の中古屋で偶然見つけ、胸躍らせたのを覚えています。

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Side A

1.Ragged Heroes

2.Poor Old Horse

3.Afro Blue/Danse Royale

4.Ampleforth/Lay Me Low

 

Side B

1.Time To Ring Some Changes

2.House in the Country

3.The Primrose

4.Gresford disaster

 

シャーリー・コリンズが離婚のため抜け、リック・サンダース(Ric Sanders,violin)、ピート・バロック(Pete Bullock)が加入しました。ゲスト陣はリチャード&リンダ・トンプソン、マーティン・カーシー、アンディ・フェザーロウ、ジュリー・コヴィントンらが参加しました。

プロデュースはジョー・ボイド(Joe Boyd)です。

エレクトリック・トラッドです。初期のフェアポート・コンヴェンションを彷彿とさせるものがあります。トラッドに憑りつかれたアシュリーの傑作ではないでしょうか。

 

この後はデイヴもサイモンもバンドを去ります。アシュリーはメンバーを入れ替えながら2002年までバンドを維持しました。

 

2003年からはアルビオン・クリスマス・バンド(The Albion Christmas Band)として活動を再開します。そして2008年まで続けますが、そこで活動を中止しました。

2011年に再結成しましたがアシュリーは参加しなかったようです。

 


Ragged Heroes (2003 Remastered Version)


Poor Old Horse (2003 Remastered Version)


The Primrose (2003 Remastered Version)


Gresford Disaster (2003 Remastered Version)

 

 

lynyrdburitto.hatenablog.com

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それでは今日はこの辺で。