生前整理をしているといろいろなレコードが出てきます。
今日の「この人の、この1枚」はアリス・クーパー(Alice Cooper)の大ヒットアルバム『スクールズ・アウト(School's Out)』です。
このアルバムがリリースされた1972年はちょうどグラムロックと言われるジャンルが大流行でした。T・レックス、デヴィッド・ボウイ、ロキシー・ミュージック、スレイド、モット・ザ・フープルなど、その音楽性よりもファッションが取り沙汰されていました。音楽的な特徴というのに統一されたものはありませんでした。そんなグラムロックのアメリカの代表選手がアリス・クーパーでした。彼らのステージはそのメイキャップと演劇的手法を用いた演出とで後のパンクロックなどにも影響を与えました。ショックロックなどという呼び方もこのころだったでしょうか。アーサー・ブラウンの影響も大きかったのでしょう。
アリス・クーパーというのは当初はバンド名でした。結成は古く1964年です。
アリス・クーパー(Vincent Furnier,vo)
グレン・バクストン(Glen Buxton,g)
マイケル・ブルース(Michael Bruce, g, vo, key)
デニス・ダナウェイ(Dennis Dunaway,b)
ニール・スミス(Neal Smith,ds)
この5人で1969年にファーストアルバム『Pretties for You』をフランク・ザッパのレーベルからリリースします。ザッパはオーディションで合格した彼らと契約したのです。 サイケデリックなファーストアルバムでした。
翌年、1970年にもザッパのレーベル、「ストレイト・レコード」からセカンドアルバム『Easy Action』をリリースします。
この初期の2枚はいずれも商業的には成功しませんでした。
1971年には3枚目のアルバム『Love It to Death』をリリースします。下記のジャケットは修正盤です。
このアルバムでバンドはロックンロール・ハードロックに変身します。そのせいかどうか、アルバムは全米でも32位になり、ゴールドディスクに認定されました。ボブ・エズリン(Bob Ezlin,key)が参加しています。
前作で火が付いたバンドは同年に4作目『Killer』をリリースします。
このアルバムでバンドの人気は不動のものになります。チャートは21位まで上がりました。ボブ・エズリンと共にリック・デリンジャー(Rick Derringer,g)も参加しました。
そして1972年に大ヒットアルバム『School's Out』がリリースされます。
Side A
1.School's Out
2.Luney Tune
3.Gutter Cat vs. the Jets
4.Street Fight
5.Blue Turk
Side B
1.My Stars
2.Public Animal #9
3.Alma Mater
4.Grande Finale
プロデュースはボブ・エズリンです。
このアルバムは全米2位にまでなりました。さらにシングルの「School's Out」は全米で7位、全英では1位になる大ヒットでした。
ジャケットは変形で学校の机のような構造になっています。私は中古盤で買ったのですが、新品には紙のパンティがついていたそうです。
このアルバムを聴いた当時はアリス・クーパーの派手さの印象が強かったせいか、すごく過激だったような記憶がありましたが、久しぶりに聴いてみたら、実におとなしくごく普通のロックでした。それだけ時代が変わったのでしょう。
アリス・クーパーは1973年に2枚のヒットアルバム『Billion Dollar Babies』『Muscle of Love』をリリースしますが、バンドとしての活動は終わりを告げます。
人気が高まる一方、スケジュールの過密さでメンバーも疲弊してしまい、メンバー間の不調和などもあり解散に至りました。
リーダーのアリス・クーパーは個人名としてこの名前を名乗りソロ活動を始めました。ソロになってからのアリス・クーパーは現在も現役で活動中です。
Alice Cooper - School's Out (1972) HD 0815007
Alice Cooper - Public Animal # 9
それでは今日はこの辺で。