昨日のキネ旬シアターは『護られなかった者たちへ』でした。
原作:中山七里
監督:瀬々敬久
制作:2021年 日本
東日本大震災後の仙台を舞台とした社会派ミステリーです。
東日本大震災から9年後。仙台で連続殺人事件が発生します。一人目の被害者は仙台市若葉区保健福祉センターの課長でした。両手を縛られ、口を塞がれた状態での餓死でした。被害者はは誰からも恨みを買うような人間ではないとの話です。
宮城県警捜査一課の笘篠は捜査を開始します。それから間もなく2件目の殺人事件が発覚します。二人目の被害者は社浦市福祉保険事務所の元所長でした。死因はやはり餓死でした。その被害者にも人に恨まれるような噂はありませんでした。
そして捜査線上にある容疑者が浮かび上がります。笘篠はその容疑者を追い詰めますが、証拠がつかめません。そんな時、第三の事件が起きようとしていました。そこには震災後の暗い過去が横たわっていたのでした。果たしてその過去とは・・・。
涙腺が弱くなってきて困ります・・・。
日本の生活保護制度に焦点を当てた映画でした。生活保護制度とは憲法第25条の「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」という理念に基づき最低限度の生活を保障する制度です。
ただ、私なども小さい頃、「あの家は生活保護もらっているんだよ」とかいう話をよく耳にしました。それはまるで生活保護を受けることが罪悪のような響きがありました。そういったこともあってか、貧しくても生活保護を申請することに対する精神的なハードルの高さは昔からあったと思います。
片や、生活保護を承認する自治体の方もできるだけ「自助」を迫ります。そして家族・親類に問い合わせ、保護を迫ります。家族には知られたくないという思いから、申請を辞退するケースも多いと聞きます。
30年間賃金は上がらず、もはや先進国から脱落してしまった日本。せめて困窮者への支援は滞りなく行って欲しいものです。さもなければ益々住みにくい国になってしまうでしょう。
どっかの首相は「自助、自助」と騒ぎ立てていました。国民の暮らしぶりを全く認知していません。給付金の目的もチンプンカンプン。生い先短い身としては諦めもしましょうが、子や孫のことを考えるとやり切れません。
清原果耶ちゃん、朝ドラの「おかえりモネ」とは全く違った雰囲気を出していました。かわいかったです。
それでは今日はこの辺で。