今日の「この人の、この1枚」はエタ・ジェイムズ(Etta James)の『Tell Mama』です。
エタ・ジェイムズの1968年リリースの傑作アルバムです。
彼女はご存じの通り、アメリカのブルース、R&B、ソウルの大物歌手です。
1938年、カリフォルニア州ロサンゼルス生まれです。本名はJamesetta Hawkinsです。10代の黒人女性とイタリア人の間に生まれ、養父母に育てられました。
幼いころからゴスペルの合唱団に所属しており、12歳で実母に引き取られサンフランシスコに移住。そこで友人とヴォーカル・グループを結成します。そして当時既に人気だったジョニー・オーティス(Johnny Otis)のオーディションを受けました。これが彼女のその後の運命を決めました。
ジョニー・オーティスは彼女を気に入り、早速スタジオに連れていき、録音を開始しました。そしてモダン・レコードと契約し、1955年シングル「The Wallflower」を発売、これがヒットし、名前もエタ・ジェイムズに変更し、以後スターダムへと邁進していったのです。
1960年にはチェス・レコードと契約し多くのヒットを飛ばしました。そして1968年にアルバム『Tell Mama』をリリースします。シングルカットされたタイトル曲はビルボードの23位、オーティス・レディングのカバー曲も40位に入るヒットとなりました。また、後に多くの人にカバーされることになる「I'd Rather Go Blind」も収録されています。
レコーディングはマッスルショールズのスタジオで行われ、常連のスタジオ・ミュージシャンであるロジャー・ホーキンス、デヴィッド・フッド、バリー・ベケットなどお馴染みのメンバーがが参加しました。
1976年にチェス・レコードが倒産するとワーナーやファンタジーなどレーヴェルを転々としますが、今一つパットしませんでした。それと10代のころからの麻薬漬けの生活に苦しみ戦っていました。それらを乗り越え90年代にカムバックしました。グラミー賞を受賞するなど、再び輝きを取り戻したのです。
残念ながら、2012年、73歳で亡くなりました。
Tell Mama
Side A
1.Tell Mama
2.I'd Rather Go Blind
3.Watch Dog
4.The Love Of My Man
5.I'm Gonna Take What He's Got
6.The Same Rope
Side B
1.Security
2.Steal Away
3.My Mother-In-Law
4.Don't Lose Your Good Thing
5.It Hurts Me So Much
6.Just A Little Bit
レコーディング・メンバーは
Etta James – lead vocals
Gene "Bowlegs" Miller – trumpet
James Mitchell, Aaron Varnell – saxophone
Floyd Newman – baritone saxophone
George Davis, Spooner Oldham – keyboards
Carl Banks, Barry Beckett – organ
Marvell Thomas – piano
Jimmy Ray Jenkins, Albert Lowe – guitar
David Hood – bass guitar
Roger Hawkins – drums
Charles Chalmers – background vocals
プロデュースは Rick Hallです。
A-1はクラレンス・カーターの曲。
A-2は多くのミュージシャンがカバーした名曲。
A-3、A-5はドン・コヴェイの曲。
B-1はオーティス・レディングの曲。
それでは今日はこの辺で。