今日の「この人の、この1枚」はフランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション(Frank Zappa & The Mothers of Invention)の『いたち野郎(Weasels Ripped My Flesh)』です。
数あるフランク・ザッパのアルバムの中でどうしてこのアルバムか、というとただ単にジャケットが好きだというだということに尽きます。いたちが電気カミソリになっているのです。
1970年のザ・マザーズ・オブ・インベンション名義のアルバムです。一部ライブ音源が入っています。
Side A
1.Didja Get Any Onya?
2.Directly From My Heart To You
3.Prelude To The Afternoon Of A Sexually Aroused Gas Mask
4.Toads Of The Short Forest
5.Get A Little
Side B
1.The Eric Dolphy Memorial Barbecue
2.Dwarf Nebula Processional March & Dwarf Nebula
3.My Guitar Wants To Kill Your Mama
4.Oh No
5.The Orange County Lumber Truck
6.Weasels Ripped My Flesh
パーソナルは
Frank Zappa – lead guitar, vocals
Jimmy Carl Black – drums
Ray Collins – vocals
Roy Estrada – bass, vocals
Bunk Gardner – tenor saxophone
Lowell George – rhythm guitar, vocals
Don "Sugarcane" Harris – vocals, electric violin
Don Preston – organ, RMI Electra Piano, electronic effects
Buzz Gardner – trumpet and flugel horn
Motorhead Sherwood – baritone saxophone, snorks
Art Tripp – drums
Ian Underwood – alto saxophone
プロデュースはFrank Zappaです。
アルバム・ジャケットのデザインはネオン・パークです。ネオン・パークはリトル・フィートやデヴィッド・ボウイなどのジャケットも手掛けています。このイラストはシックの電気カミソリの広告からヒントを得たそうです。
最初にジャケットを見た時の驚きは半端じゃありませんでした。
ジャケットの驚きと同様に、アルバムの中身も驚きます。この頃のザッパはジャズ、特にフリー・ジャズ、アヴァンギャルド・ジャズと呼ばれるジャズに接近していました。
このアルバムは前作『Burnt Weeny Sandwich』の続編のようなアルバムです。前作はバンド解散後に発表された未発表作品集です。この『いたち野郎』もその残りとライヴ音源をプラスして編集されたものです。
A1から既にフリー・ジャズです。ヴォイスはリトル・フィートのロウエル・ジョージです。
A2はドン・エリスのエレクトリック・ヴァイオリンをフューチャーしたブルース・ナンバー。このヴァイオリンが実にいいのです。
A3は不気味な雑音と叫びと笑いです。
A4はまともなインストナンバー。
A5はザッパのギター・ソロ。ザッパらしい曲
B1はエリック・ドルフィー・メモリアルとタイトルされているようにドルフィーを意識した前衛ジャズです。
B2は珍しくきれいなイントロで始まりますが、一筋縄ではいきません。
B3はロックです。いい曲です。
B4もロック・ナンバー。
B5はギター・ソロ。さすがです。
B6はライヴですが雑音のオンパレード。
ザッパの世界に入り込んでしまいます。
フランク・ザッパは1993年に前立腺癌で亡くなっています。ザッパのアルバム数は100枚を超えています。常に反骨精神旺盛でアメリカ政府やキリスト教原理主義者への批判を止めることはありませんでした。
機会を見てその他のマザーズやソロアルバムも取り上げたいと思います。
Frank Zappa - Didja Get Any Onya? (HQ)
Frank Zappa - Directly from my heart to you
The Mothers Of Invention - The Eric Dolphy Memorial Barbecue
The Orange County Lumber Truck
それでは今日はこの辺で。