Flying Skynyrdのブログ

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映画『野生のエルザ』を観る

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昨日の自宅シアターは『野生のエルザ』でした。またまた懐かしい映画で恐縮です。これも高校生の頃、当然ロードショウではなく2番館で観たと思われる映画で、若干記憶に残っています。当時、動物映画をわざわざ観に行くはずもなく、何かとの同時上映だったと思われます。この度CS放送で放映していたので懐かしくなり、つい観てしまいました。

 

 

監督:ジェームズ・ヒル

主演:ヴァージニア・マッケンナ、ビル・トラヴァース

制作:アメリカ 1966年公開

 

ケニア北部で狩猟監視官をしているジョージ・アダムソンはある日、人を喰う雄ライオンを射殺した際に襲ってきた雌ライオンも射殺しました。そして母親を亡くした3頭の子供ライオンを連れ帰りました。

 

ジョージの妻ジョイはこのライオンたちを大層かわいがり、人工保育で育てます。特に一番小さいエルザと名付けたライオンをかわいがりました。このライオンたちとの楽しい生活も、ライオンたちが大きくなるにつれ、結局は檻の中に入れるしかなくなり、野生に返すわけにもいかず動物園に預ける決断をしました。

 

ジョイは別れが悲しく、見送りも出来ません。それを察したジョージはエルザだけを連れ帰ってきました。ジョイは大喜びです。エルザもことのほかジョイに懐いています。

 

エルザもすくすく育ちます。ある日、エルザが象の群れをからかって遊んでいると、象が興奮して暴れまわり、部落に大損害を与えてしまいました。行政からはもうこれ以上ここで飼育するのは無理だ、動物園に送ってくれと依頼されます。ジョージは渋々了承しますが、ジョイは絶対反対だと言って聞きません。そして3カ月だけ待って欲しい、その間に野生に帰れるように教育するというのです。

 

何としてもエルザを檻の中ではなく自由にしてあげたい、エルザの尊厳を守りたいと主張します。周りはとても無理な話だと一蹴しますが、ジョイは頑として首を縦に振りません。とうとうジョージも根負けし協力することになりました。

 

そして野生に帰す教育が始まりました。家から遠く離れた場所に連れていき、餌獲りが出来るようにするために一日中草原に放します。しかし、エルザはイボイノシシを捕まえますが、逆にイボイノシシに逆襲され逃げてしまう始末です。また、雄ライオンのところに連れていき放しますが、すぐに帰ってきてしまいます。

 

困った夫妻は強硬手段にでます。1週間草原に置き去りにすることにしました。1週間経って来てみると、エルザはヨタヨタと近づいてきました。見ると体は傷だらけ、食事をしていないようで、瀕死の状態でした。それでも介護のおかげでなんとか立ち直りました。ライオンが我が子を崖からつき落とすとの例えをそのまま実行しているようで胸が痛みます

 

この時からエルザに変化が現れました。再び草原に放すと、今度はイボイノシシを捕まえ殺しました。驚いた夫妻は、今度はエルザの発情期に雄ライオンのところに行って放してみました。すると雄ライオンのそばにいた雌ライオンとの激しい戦闘の末、勝利し雄ライオンの元へ向かいました。そしてエルザは夫妻に別れを告げるように、振り返り去って行きました。

 

夫妻はイギリスに帰国し、1年後に休暇をもらいケニアにやってきました。そしてエルザと別れた場所に行ってエルザを探しました。しかし、エルザは現れません。休暇も今日で終わり、帰らなくてはなりません。その時、ライオンの鳴き声が聞こえました。エルザです。こちらに向かってやってきます。その後ろには3頭の子供がいます。

 

エルザは夫妻に思いっきり甘えました。忘れていなかったのです。長い時間を一緒に過ごしました。すると雄ライオンが迎えに来ました。エルザは別れを告げ去って行きました。ジョイは子供を抱き上げたかったのですが、手を出しませんでした。ライオンは野生で生きるのが一番いいのだと思ったからでした。

 

 

これは実話でベストセラーのノンフィクション作品でテレビ化もされました。

この映画で驚かされるのは、調教したとはいえライオンがここまで人に馴れるのだ、ということです。とにかくライオンの演技が素晴らしい。

それと野生動物に対する人間の接し方とはいかにあるべきか。この映画で最後にジョイが言っているように、野生動物は野生で生きるのが一番の幸せなんだという事に尽きると思います。

NHKの「ダーウィンが来た!」などを観ていると、つくづく自然界には手を出すなと言いたくなります。地球の主役は人間だけではないはずです。貴重な動物が絶滅していくのは見たくありません。

また、今のペットブームがいつまで続くか分かりませんが、もしブームが去って、繁殖されたペットが溢れたり、高齢化でペットとして飼われていた動物があふれ出したらどうなるのでしょう。

 

感動的な映画なのでしょうが、ひねくれものの私はふとそんなことを考えてしまいました。それにしてもエルザはかわいかった。

 

音楽はジョン・バリーで主題歌はマット・モンローが歌っています。この映画音楽、いいですよ。

 


Born Free / 野生のエルザ 1966

 

それでは今日はこの辺で。