先日のキネ旬シアターは『軽蔑』でした。
原作:アルベルト・モラヴィア
出演:ブリジット・バルドー、ミシェル・ピコリ、ジャック・パランス、
製作:1963年 フランス、イタリア 1964年 日本公開
先日の『ジャン=リュック ゴダール 反逆の映画作家』に引き続き、『軽蔑』公開60周年ということで4Kレストア版が公開されました。ゴダールの没後1周年でもあります。
私も約50年ぶりに観ました。ブリジット・バルドーとの再会です。
ゴダールはこの映画の2年前に女優のアンナ・カリーナと結婚しました。きっかけはゴダールの2作目『小さな兵隊』にアンナ・カリーナが出演したことでした。3年後に2人は離婚します。その間に出来たのがこの映画『軽蔑』です。ゴダール映画の中では比較的わかりやすい映画です
映画は劇作家のポールとその妻で元タイピストのカミーユ夫妻のお話です。二人は愛し合っていました。その日の朝までは。その日、ポールは映画プロデューサーのプロコシュに呼ばれ映画の脚本の手直しを頼まれます。
その打ち合わせが終わって、カミーユが迎えに来ます。プロコシュは夫妻を自宅に招きますが車は二人乗りなので一人しか乗れません。プロコシュはカミーユに車に乗るように勧めますが、カミーユは「夫とタクシーでいきます」と断ります。が、ポールが「乗せてもらいなさい」と言うので仕方なく車に乗ります。
ポールがプロコシュの家に着くと、カミーユは何故か機嫌が悪く、理由を聞いても「何でもない」とそっけない態度。プロコシュはカミーユを撮影現場のカプリ島へ誘うが、「それは夫が決めます」と答えます。自宅のアパートへ帰ってもカミーユの不機嫌さは変わりません。しつこく聞くと、「もう愛していない、軽蔑する」と言われてしまいます。ポールは困惑します。女心はわかりません。
結局二人してカプリ島へ行ったのですが、そこでもカミーユの機嫌は戻らず、さらにカミーユとプロコシュがキスしているところを目撃してしまいます。そのことをカミーユに言うと、カミーユは「知っていたわ」と答えます。ポールは怒って「脚本の仕事は断る」と言い出します。
翌日、ポールはカミーユの置手紙を見つけます。カミーユはプロコシュと共に車でローマへと向かったのです。そして悲劇が起こるのですが・・・。
ゴダールもこの時期アンナ・カリーナとの間のことで悩んでいたそうです。その悩みをこの映画に投影したのでしょう。
ゴダール映画の画面構図と色彩のすばらしさを改めて感じました。
久しぶりに見たブリジット・バルドー、やはり小悪魔だ!
それでは今日はこの辺で。