今日の「聴き比べ」は『ダーク・エンド・オブ・ザ・ストリート(Dark End Of The Street)』です。
これは私の大好きな曲で、バラードの名曲中の名曲です。オリジナルはジェイムス・カー(James Carr)で1967年のアルバム『You Got My Mind Messed Up』に収録されました。その前にシングルでもリリースされています。このLPは私も1970年代に購入したと思います。ですから当然後聴きになります。
ジェイムス・カーはアメリカのソウル歌手です。2001年に58歳で亡くなっています。したがってそれほど多作なミュージシャンではありませんでしたが、ソウル界に残した功績は大きなものがありました。
この曲はビルボードの77位を記録し、R&B部門では7位になりました。
The Dark End of the Street
by Chips Moman & Dan Penn
At the dark end of the street
That's where we always meet
Hiding in shadows
Where we don't belong
Living in darkness
To hide our wrongs
You and me at the
Dark end of the street
You and me
I know time is
Gonna take it's toll
We have to pay for
The love that we stole
It's a sin and
We know it's wrong
Oh, but our love
Keeps coming on strong
Steal away to the
Dark end of the street
They're gonna to find us
They're gonna to find us
They're gonna to find us
Lord, someday
You and me at the
Dark end of the street
You and me
James Carr - The Dark End of the Street (Official Audio)
実は私がこの曲を知ったのは、ジェイムス・カーの歌唱ではなく、フライング・バリット・ブラザース(Flying Burrito Brothers,FBB)によってでした。
グラム・パーソンズ(Gram Parsons)とクリス・ヒルマン(Chris Hillman)がザ・バーズを辞めて、1969年に結成したのがFBBでした。その彼らのファーストアルバム『黄金の城(The Gilded Palace Of Sin)』にこの曲が収録されました。このアルバムはザ・バーズの『ロデオの恋人(Sweetheart of the Rodeo)』と並んででカントリーロックの名作中の名作です。
ここでのグラム・パーソンズのヴォーカルが物悲しくて頼りなげでジンと来るのです。このアルバムによってこの曲を知って、色々なカヴァーバージョンを聴くようになり、ジェイムス・カーも知ったということになります。
THE FLYING BURRITO BROTHERS /// 4. Dark End Of The Street - (The Gilded Palace Of Sin) - (1969)
1972年にはライ・クーダー(Ry Cooder)がアルバム『流れ者の物語(Boomer's Story)』でカバーしました。ここではインストナンバーになっています。
Dark End Of The Street-Ry Cooder
1974年にはリンダ・ロンシュタッド(Linda Ronstadt)がアルバム『悪いあなた(Heart Like a Wheel)』でカバーしました。リンダ姉御はさすがの歌唱力です。イーグルスやJD.サウザーなどウェストコーストの常連が参加しています。
Linda Ronstadt - Dark End of the Street
1997年にはなんと大御所、グレッグ・オールマン(Gregg Allman)がアルバム『Searching for Simplicity』がカバーしました。グレッグも渋さが増して、円熟しています。
Gregg Allman - Dark End Of The Street
色々見てきました。この他にもソウル系の人がたくさんカバーしています。今日はロックに絞ってみました。これだけカバーされるのですからやはり名曲なのです。
それでは今日はこの辺で。