Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

聴き比べ『男が女を愛する時(When a Man Loves a Woman)』

今日の聴き比べは『男が女を愛する時(When a Man Loves a Woman)』です。

1966年、パーシー・スレッジ(Percy Sledge)のデビュー曲にして最大のヒットとなった曲です。パーシー・スレッジはその後も何曲かヒット曲を出しますが、この曲を超える売り上げはありませんでした。1970年以降はヒット曲に恵まれず、消えていきました。その後、1980年代には再びこの曲がヒットし、アルバムも再リリースされました。1990年代には映画『男が女を愛する時』の主題歌にもなり、その他たくさんの映画にも使われました。201年に73歳で亡くなりました。

曲はカルヴィン・ルイス(Calvin Lewis)アンドリュー・ライト(Andrew Wright)で、この二人はパーシー・スレッジがソロになる前に所属していたグループのメンバーです。詩の内容はパーシーが体験した失恋が元になっています。

 

When a man loves a woman

by  Calvin Lewis & Andrew Wright

 

When a man loves a woman

Can't keep his mind on nothin' else

He'd change the world for the good thing he's found

If she is bad, he can't see it

She can do no wrong

Turn his back on his best friend if he put her down

 

When a man loves a woman

He'll spend his very last dime

Tryin' to hold on to what he needs

He'd give up all his comforts

And sleep out in the rain

If she said that's the way

It ought to be

 

Well, this man loves you, woman

I gave you everything I had

Tryin' to hold on to your heartless love

Baby, please don't treat me bad

 

When a man loves a woman

Down deep in his soul

She can bring him such misery

If she is playin' him for a fool

He's the last one to know

Lovin' eyes can never see

 

When a man loves a woman

He can do her no wrong

He can never want

Some other girl

 

Yes when a man loves a woman

I know exactly how he feels

Cause baby, baby, you're my world

 

When a man loves a woman...

 


Percy Sledge - When a Man Loves a Woman

 

この曲をカバーしたミュージシャンは数多いのですが、特にお気に入りを紹介します。

 

まずは1966年に早々とカバーしたのがスペンサー・デイヴィス・グループ(The Spencer Davis Group)です。アルバム『Autumn '66』でカバーしました。スティーヴ・ウィンウッド(Steve Winwood)のソウルフルなヴォーカルが聴けます。スティーヴィーはこの時まだ17歳ぐらいだったはずです。素晴らしい。


The Spencer Davis Group - When A Man Loves A Woman

 

続いてはレオン・ラッセル(Leon Russell)です。1978年のアルバム『Americana』でカバーしました。例によって独特の唱法と声で歌っています。アップテンポで軽快に歌っています。


When a Man Loves a Woman

 

続いてはベット・ミドラー(Bette Midler)です。ジャニス・ジョプリンをモデルにした映画『ローズ』の中でこの曲を歌いました。サントラ盤にも収録されています。


04. When A Man Loves A Woman - Bette Midler

 

1991年にはマイケル・ボルトン(Michael Bolton)がカバして全米1位を獲得しました。アルバム『Time, Love & Tenderness』でした。オリジナルに近いです。


Michael Bolton - When a Man Loves a Woman (Official Music Video)

 

他にもたくさんありますがこの位にしておきます。

 

それでは今日はこの辺で。

ジェーン・モンハイト(Jane Monheit)『Come Dream With Me』入手

ジェーン・モンハイト(Jane Monheit)の2001年のセカンドアルバム『Come Dream With Me』を入手しました。

ここのところ立て続けに買っています。

 

01. Over the Rainbow

02. Hit the Road to Dreamland

03. Spring Can Really Hand You Up the Most

04. Waters of March

05. I'm Through With Love

06. I'll Be Seeing You

07. Something to Live For

08. So Many Stars

09. If

10. Blame It on My Youth

11. A Case of You

12. Nobody Else But Me

 

パーソナルは

Bass [Electric & Acoustic] – Christian McBride

Drums – Gregory Hutchinson

Guitar – Richard Bona

Piano – Kenny Barron

Saxophone – Michael Brecker

Trumpet – Tom Harrell

 

プロデュースはJoel DornCarl Griffinです。

 

オープニングは「虹の彼方に」です。02、03もミュージカルナンバーです。

04はアントニオ・カルロス・ジョビンの曲。彼女はボサノヴァを得意としているのでうなずける選曲です。

05と07はスタンダード・ナンバー、06はミュージカルナンバー。

08はセルジオ・メンデスの曲。

09はなんとブレッドのヒット曲です。驚きます。

10はバラード・ナンバー

11はジョニ・ミッチェルの曲です。彼女はジョニ・ミッチェルのような歌手になりたいとインタビューに応えていたそうです。

 

先に入手した2枚同様、歌のうまさが光ります。スタンダード中心の選曲もうれしいです。

 


Jane Monheit - Over The Rainbow


Jane Monheit / Waters Of March


jane monheit - if.wmv


Jane Monheit - A Case Of You

 

それでは今日はこの辺で。

聴き比べ『I Put a Spell on You』

今日の聴き比べは『I Put a Spell on You』です。

何とも薄気味悪い男、スクリーミン・ジェイ・ホーキンス(Screamin 'Jay' Hawkins)によって書かれ、1956年に自身のアルバム『At Home With Screamin' Jay Hawkins』で発表しました。

私などは当然その頃のことは知る由もありませんでしたが、この曲は非常に気に入っておりましたが、長年オリジナルは聴く機会がありませんでした。しばらく経って聴く機会を得ましたが、やはり気味悪かったです。

彼は元はオペラ歌手を目指していましたが断念しブルースを演奏するようになりました。一方で、ボクサーとしての一面も持っていました。アラスカのミドル級のチャンピョンでした。そんな彼が作った『I Put a Spell on You』がヒットしたのです。ステージでは奇抜な行動をとって人気を得ました。

以後、この曲は多くのミュージシャンにカバーされる名曲となりました。

 

I Put a Spell on You 

by  Screamin 'Jay' Hawkins

 

I put a spell on you

Because you're mine

Stop the things you do

Watch out

I ain't lyin', yeah

I can't stand

No runnin' around

I can't stand

I can't stand No put me down

I put a spell on you

Because you're mine (oh yeah)

Stop the things you do

Watch out, Watch out

I ain't lyin'

I love you

I love you

I love you, yeah...

I don't care if you don't want me

I'm yours right now

I put a spell on you

Because you're mine

 


Screamin Jay Hawkins - I Put A Spell On You

 

この曲を初めて聴いたのが、たぶんジ・アニマルズ(The Animals)だったと思います。


I Put a Spell On You - The Animals

 

そのアニマルズを辞めたアラン・プライスがアラン・プライス・セット(The Alan Price Set)として、シングル・リリースしました。アニマルズとは全く趣が違います。これはヒットしました。エリック・バードンとアラン・プライスの差でしょう。


Alan Price Set - I Put A Spell On You 1966 Animals

 

さらにイギリスからヴァン・モリソン(Van Morrison)率いるゼム(Them)が1966年のアルバム『Them Again』でカバーしました。


Them - I Put A Spell On You

 

1968年にはクリーデンス・クリアーウォータ・リヴァイヴァル(CCR)がファースト・アルバム『CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL』でカバーしました。


Creedence Clearwater Revival - I Put A Spell On You

 

2005年にはブルース界からバディ・ガイ(Buddy Guy)がアルバム『Bring 'Em In』でカバーしました。ゲストにカルロス・サンタナを迎えています。

 


Buddy Guy - I Put A Spell On You

 

他にもたくさんありますが、このあたりで切り上げます。

 

それでは今日はこの辺で。

聴き比べ『プラウド・メアリ(Proud Mary)』

今日の聴き比べはプラウド・メアリ(Proud Mary)』です。

この曲はクリーデンス・クリアーウォータ・リヴァイヴァル(Creedence Clearwater Revival, 略称CCR)の1969年のヒット曲です。CCRにとっても最初のビルボードトップテン入りした曲です。最高2位にまでなりました。CCRは不思議なバンドでシングル1位というのが無くて、やたら2位が多かったのです。

私もCCRの存在を知ったのはたぶんこの曲だったと思います。2枚目のアルバムの『Bayou Country』に収められました。

f:id:lynyrdburitto:20200224090207j:plain
 

 

Proud Mary

by  John Fogerty

 

Left a good job in the city

Workin' for the man every night and day

And I never lost one minute of sleepin'

Worryin' 'bout the way things might have been

Big wheel keep on turnin'

Proud Mary keep on burnin'

Rollin', rollin', rollin' on the river

 

Cleaned a lot of plates in Memphis

Pumped a lot of 'pane down in New Orleans

But I never saw the good side of the city

'Til I hitched a ride on a river boat queen

 

Big wheel keep on turnin'

Proud Mary keep on burnin'

Rollin', rollin', rollin' on the river

Rollin', rollin', rollin' on the river

 

If you come down to the river

Bet you gonna find some people who live

You don't have to worry cause you have no money

People on the river are happy to give

 

Big wheel keep on turnin'

Proud Mary keep on burnin'

Rollin', rollin', rollin' on the river

Rollin', rollin', rollin' on the river

 

ちなみに「プラウド・メアリー」とは蒸気船のことです。

 


Creedence Clearwater Revival: Proud Mary

 

 この曲をカバーしたのはまず1969年にソロモン・バーク(Solomon Burke)です。ソウル、R&B界の大御所です。アルバムもそのまま『Proud Mary』です。


The Bell Sessions (Solomon Burke) - Proud Mary

 

続いて1971年のアイク&ティナ・ターナー (Ike & Tina Turner) です。アルバム『Workin' Together』に収められました。本家より売れたかもしれません。ビルボードの4位にまでなりました。オリジナルとは大分趣が違います。


Ike And Tina Turner- Proud Mary

 

エルビス・プレスリー(Elvis Presley)もこの曲をカバーしました。1970年の『エルヴィス・オン・ステージ 2』に収録されました。


Elvis Presley - Proud Mary (Live)

 

ステイタス・クオー(Status Quo)もカバーしました。1996年のアルバム『Don't Stop』に収録されました。オリジナル・メンバーはフランシス・ロッシのみになりました。このアルバムはデビュー30周年ということでリリースされ売れました。イギリスでは絶大な人気を誇る国民的バンドです。


Status Quo-Proud Mary

 

ジョン・フォガティはソロになってもこの曲を歌っていました。

 

それでは今日はこの辺で。 

聴き比べ『雨を見たかい(Have You Ever Seen the Rain?)』

今日の聴き比べは『雨を見たかい(Have You Ever Seen the Rain?)』です。

ご存じクリーデンス・クリアーウォター・リヴァイヴァル(Creedence Clearwater Revival, 略称CCR)の1971年のヒット曲です。6枚目のアルバム『ペンデュラム(Pendulum)』に収められました。

CCRは日本でも大人気で日本にロックファンを根付かせたバンドの一つでした。この『雨を見たかい』の歌詞は、当時のベトナム戦争を現わしているのではという推測がされました。「晴れているのに降ってくる雨を見たことがあるかい」という歌詞は「雨」イコール「爆弾」と解釈されるというのです。

そしてもう一つの解釈はバンドの状態です。人気は絶頂で、レコードも売れて申し分ないが、メンバー間の不和がある、つまり「晴れた日に雨が降っている」という歌詞でバンドの状態を表したというのです。案の定、この翌年バンドは解散しています。ジョン・フォガティ(John Fogerty)のワンマンぶりが災いしたのでしょう。

 

曲の作者はそのジョン・フォガティです。CCRはこの人のバンドといっても過言ではありません。その辺のことは以前にも書いています。

lynyrdburitto.hatenablog.com

f:id:lynyrdburitto:20200223094535j:plain

 

Have You Ever Seen the Rain?

by  John Fogerty

 

Someone told me long ago

There's a calm before the storm

I know, it's been comin' for some time

When it's over, so they say

It'll rain a sunny day

I know, shinin' down like water

 

I want to know, have you ever seen the rain?

I want to know, have you ever seen the rain?

Comin' down on a sunny day

 

Yesterday, and days before

Sun is cold and rain is hard

I know, been that way for all my time

'Til forever, on it goes

Through the circle, fast and slow

I know, it can't stop, I wonder

 

I want to know, have you ever seen the rain?

I want to know, have you ever seen the rain?

Comin' down on a sunny day

 

I want to know, have you ever seen the rain?

I want to know, have you ever seen the rain?

Comin' down on a sunny day

 


Creedence Clearwater Revival - Have You Ever Seen The Rain (Official)

 

この曲をハスキー・ヴォイスのボニー・タイラー(Bonnie Tyler)が1983年にカバーしました。アルバム『Faster Than the Speed of Night』でした。全く違う曲に生まれ変わりました。


BONNIE TYLER--HAVE YOU EVER SEEN THE RAIN?

 

1993年には以前紹介したスピン・ドクターズ(Spin Doctors)トム・ハンクス主演の映画フィラデルフィアでこの曲をカバーしました。この映画ではブルース・スプリングスティーンニール・ヤングの曲も使われました。

f:id:lynyrdburitto:20200223100449p:plain


Spin Doctors-Have You Ever Seen The Rain

 

2006年にはロッド・スチュワートがカバー・アルバムStill the Same ... Great Rock Classics of Our Timeのオープニング・ナンバーでカバーしました。


Rod Stewart Have You Ever Seen the Rain

 

そしてジャズ・ボーカルから。最近気になっているカレン・ソウザ(Karen Souza)がアルバム『Essentials』でカバーしています。これには驚きです。全く違う曲に聞こえます。彼女はアルゼンチンのジャズ・ヴォーカリストです。


HAVE YOU EVER SEEN THE RAIN? - Karen Souza

 

CCR、懐かしいです。

 

それでは今日はこの辺で。

手術後 2年9か月

腰部脊柱管狭窄症85歳男性 | 天寿堂整骨院・天寿堂鍼灸マッサージ院

早いもので「脊柱管狭窄症」と「すべり症」の手術をして2年と9か月が経ちました。

「闘病記」の記事を1年ちょっと書いていなかったのでちょっと書いておきます。

なぜかというと、いまだに左足の筋力が回復しません。10分ほど歩くと、左足の脱力感が出てきて、力が入らなくなります。これは脊椎管狭窄症の症状である「間欠跛行」なのか、それとも「閉塞性動脈硬化症」による「間欠跛行」なのか。血管の診察では動脈硬化はあるもの血は流れているということでしたので、やはり脊椎管狭窄症のせいなのかもしれませんが、痛みやしびれはそれほどでもないのでどうもすっきりしません。

 

それなりに筋トレも行っているのですが、さっぱり効果がありません。まともに歩ける距離がだんだん短くなっているようで困っています。おそらく神経が損傷してしまったのだろうなどとと想像したりしています。それだと回復は望めないのかもしれません。さらに、最近は股関節にも痛みが出てきているので、ますます歩くのを躊躇しがちです。これではいけないとは思っているのですが。

 

このようなことを書いているのは、「闘病記」を書かなかった1年ちょっとの間、自分の症状がどうだったかを忘れてしまっていることです。退院後はしばらく真面目に書いていたので、その症状の変化が分かったのですが、ふと去年の今頃はどうだったかな、などと思い出そうとしても思い出せないのです。

というわけで、まさしく備忘録として今の症状を書いておくことにしました。これからも時々書くことにします。

 

そんなことより病院に行けばいいのでしょうが、なにせ医者は信用できないので行く気になれません。これまでまともに診察してくれた医者などほとんどお目にかかったことがありません。体にも触れないで、パソコンばかり見ているようでは信用しろというほうが無理です。国民を見ないで政策を決めてしまう政府のようなものです。

 

f:id:lynyrdburitto:20200609125807p:plain

9月には3年目の術後診察が入っていますので、その時また聞いてみましょう。おそろく、「もう戻らないでしょう」、と言われるに決まっているでしょうが。

 

それでは今日はこの辺で。

 

映画『彼らは生きていた』を観る

今日、本当に久しぶりに『キネマ旬報シアター』に行ってきました。

3月2日から休館。3月28日に一旦開館。4月9日より再び休館。そして6月5日にようやく開館となりました。最後に来館したのが2月26日でしたので、ほぼ3か月ぶりです。長かったです。

さぞかし混んでいるかと思いきや、私の観たシアター3は客が僅かに5人でした。それでもソーシャルディスタンスで1列ごと、1席ごとに空けるようになっていました。会員期間も3か月延長して下さいました。

 

今日の映画は『彼らは生きていた』でした。

f:id:lynyrdburitto:20200606112449p:plain

 

監督:ピーター・ジャクソン

製作:2018年 イギリス、ニュージーランド

 

イギリスの帝国戦争博物館に保管されていた第一次世界大戦の記録映像をピーター・ジャクソン監督が再構築したドキュメンタリー映画です。

2200時間にも及ぶモノクロの映像をカラー化し、BBCに残っていた退役軍人のインタビューをもとに、映像のスピードも修正を施し、爆撃音などの効果音も追加して仕上げました。戦闘の場面だけではなく、食事や休憩時間など日常の生活も描かれています。

 

 1914年6月、セルビアの青年がオーストリア=ハンガリー帝国の皇太子を暗殺したことからあっという間に連合国と同盟国との間で戦火が広がり、8月にはドイツ帝国とイギリス帝国の間でも宣戦布告されました。大日本帝国もイギリスの同盟国でしたので8月にはドイツに宣戦布告しました。

 

イギリスではこの宣戦布告と同時に若者が軍隊に応募し続々と入隊しました。中には19歳という年齢制限をごまかし僅か15、6歳の少年たちも入隊しました。

そして軍事訓練を経て前線へ向かいます。その軍事訓練の様子や、食事の風景などがまるで現在のフィルムのように違和感なく再現されています。兵士たちは皆楽しそうです。このあたりの風景は日本の戦争映画における軍律に厳しかった軍隊生活と対照的です。実際にはどうだったのか見当もつきませんが。昔、テレビでアメリカの軍隊生活を描いたコメディのようなドラマがありましたが(タイトルは忘れました)、その時も日本とはずいぶん違うもんだな、などという感想を持ったものでした。

f:id:lynyrdburitto:20200608135801p:plain


やがて、最前線に向かう兵士たちは、次第に厳しい現実に直面してゆきます。つらい塹壕掘り、その中での不潔極まりない生活(糞は垂れ流しなど)、そして銃撃、砲撃にさらされます。さっきまで隣で話していた友人が銃撃で見るも無残な姿で死んでいます。半端な数でない死体の写真、その死体の山を踏み越えて、さらに前進します。その爆撃の様子や、地雷の爆発シーンなどもそっくり残っています。それがカラー化されて再現されているのです。すごい迫力です。

f:id:lynyrdburitto:20200608135621p:plain

 

そして、戦争は終わりに近づきます。捕虜となったドイツ兵と仲良くなったりして、憎い敵だと思っていた相手が、ちっとも悪い人間ではないと気づきます。まだまだ20歳にも満たない人間の価値観などすぐに変わるのでしょう。

 

1918年、終戦。故郷で待ち構えていたのは歓待でも慰労でもありませんでした。100万人の戦死者を出したなかで、なぜ戦って死ななかったのかなど、政府や家族、社会の冷たいあしらいでした。戦後不況で帰還兵は仕事にも満足に就けませんでした。兵士たちの戦争に行く前の高揚した心境と戦時中、そして戦後の心境の変化が実に興味深いです。

 

この映画はそうした退役軍人たちの膨大なるインタビューで再現されています。100年以上前のこれだけの映像がイギリスには残っているのです。このような映画が第一次世界大戦の後に作られていたら、戦争というものの現実をもっと知ることができ、第二次世界大戦へのハードルはもう少し高くなったのかもしれません。

 


ピーター・ジャクソン監督『彼らは生きていた』予告編

 

あらためて、やはり映画館はいいですね。

 

余談ですが、今日「アベノマスク」なるものが届きました。「こんなもん、要らねえわ!」

 

失礼しました。それでは今日はこの辺で。