Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

聴き比べ 『ヘイ・ポーラ(Hey Paula)』

今日の「聴き比べ」は『ヘイ・ポーラ(Hey Paula)』です。

 

この曲は1962年のポールとポーラ(Paul and Paula)の大ヒット曲です。

元々は大学生のレイ・ヒルデブランドが作った曲で、彼が同じバンドメンバーのジル・ジャクソンとデュエットでローカルなラジオ番組で歌ったところ、リクエストが殺到し、改めてレコーディングし、デュオ名も「ポールとポーラ」にして発売しました。

これが大ヒットし、3週連続全米1位を記録しました。

 

日本でも安井かずみの訳詞で、田辺靖男梓みちよのデュエットで発売され、これまた大ヒットしました。

ダニー飯田パラダイスキングも競作で発売しました。この時のヴォーカルは九重佑三子でした。

 

懐メロ番組では田辺靖男と九重佑三子夫妻がよくデュエットで歌っています。私などはこの二人がオリジナルなのかとずっと思っていましたが、実は違っていました。二人が結婚してから歌うようになったのでしょう。

 

f:id:lynyrdburitto:20210611110233j:plain

f:id:lynyrdburitto:20210611110246j:plain

f:id:lynyrdburitto:20210611110257j:plain

 

Hey, hey, Paula

By  Ray Hildebrand

 

I wanna marry you

Hey, hey Paula

No one else could ever do

I've waited so long for school to be through

Paula, I can't wait no more for you

My love, my love

 

True love means planning a life for two

Being together the whole day through

True love means waiting and hoping that soon

Wishes we made will come true

My love, my love

 

Hey, Paul

I've been waiting for you

Hey, hey, hey Paul

I want to marry you, too

If you love me true, if you love me still

Our love will always be real

My love, my love

 

True love means planning a life for two

Being together the whole day through

True love means waiting and hoping that soon

Wishes we made will come true

My love, my love

 

 

ヘイ・ポーラ 

作曲:レイ・ヒルデブランド

作詞:レイ・ヒルデブランド

訳詞:みナみ カズみ(安井かずみ

  

ヘイ・ヘイ ポーラ おばえてるかい

ヘイ・ヘイ ポーラ はじめて会った

あの時は ふたりとも ポーラ

ただ黙ってた いつまでも

 

ヘイ ポール おぼえているわ

ヘイ・ヘイ・ヘイ ポール

あの日から

あなただけが 大切な

大切な人よ いまもなお

 

好きと言わなくても

判っちゃう ふたり

いつまでも 変わらない

ふたつの心 きっときっと

 

ヘイ・ヘイ ポーラ 今日も会おうよ

ヘイ・ヘイ ポール 明日も会うのよ

 

 

オリジナルから。

www.youtube.com

 

田辺靖男梓みちよ

www.youtube.com

 

ダニー飯田パラダイスキング

www.youtube.com

 

夫婦デュエット

www.youtube.com

 

それでは今日はこの辺で。

 

レーナード・スキナード(Lynyrd Skynyrd)の『Last Of The Street Survivors Tour Lyve!』入手

レーナード・スキナード(Lynyrd Skynyrd)『Last Of The Street Survivors Tour Lyve!』を入手しました。

 

遅ればせながらの入手です。「2CD+DVD」です。

このCDはレーナード・スキナードが2018年から行っているフェアウェル・ライヴの模様を収録したアルバムです。

正直あまり期待はしていませんでした。が、期待以上のライヴでした。オリジナル・メンバーはほとんどが亡くなり、このライヴで演奏しているのはゲイリーと最初期メンバーのリッキーだけです。勿論、ヴォーカルのロニーはおらず、再結成時からは弟のジョニーが代わりを務めています。それでも全盛期の迫力に迫る、熱気あふれるライヴです。お馴染みの曲が続々登場します。これは儲けものでした。

 

Last Of The Street Survivors Farewell Tour Lyve!

 

Disc 1

01.Workin' For MCA

02.Skynyrd Nation

03.What's Your Name

04.That Smell

05.Travelin' Man

06.I Know A Little

07.Needle And the Spoon

08.Saturday Night Special

09.Red White & Blue

10.The Ballad Of Curtis Loew

11.Tuesday's Gone

 

Disc 2

01.Don't Ask Me No Questions

02.Simple Man

03.Gimme Three Steps

04.Call Me The Breeze

05.Sweet Home Alabama

06.Free Bird

 

 

メンバーは

Lead Vocals – Johnny Van Zant

Bass – Keith Christopher

Drums – Michael Cartellone

Guitar – Gary Rossington, Mark "Sparky" Matejka*, Rickey Medlocke*

Keyboards – Peter Keys

Backing Vocals – Carol Chase, Dale Krantz Rossington

 

プロデュースは Ken LevitanRoss Schillingです。

 

映像は別のライヴが含まれています。

 

www.youtube.com

圧巻の「That Smell」

www.youtube.com

www.youtube.com

www.youtube.com

 

それでは今日はこの辺で。

 

聴き比べ 『あざみの歌』

今日の「聴き比べ」はまたしても懐メロです。伊藤久男が歌った『あざみの歌』です。

 

最近、歳のせいかこのような抒情歌が胸に沁みるのです。

この曲は作詞家の横井弘が昭和20年に復員して来た時に、東京の家は全焼しており、知人を頼って長野県下諏訪に転居。そこで湖畔や山を巡り詩作に勤しみました。その中でできた詩のなかで一番気に入ったのが『あざみの歌』でした。八島ケ原湿原で作った詩で、現在も湿原入り口には歌碑が立っているそうです。横井弘はこの後も「哀愁列車」や「川は流れる」「下町の太陽」「虹色の湖」など多くのヒット曲を出しました。

この詩に曲を付けたのが八洲秀章でした。八洲秀章はこのブログでも紹介した「さくら貝の歌」や「山のけむり」さらにはあがた森魚の「赤色エレジー」などを作曲した人物です。

この曲がNHKのラジオ番組で取り上げられました。この時は八洲自ら歌っていました。これが「NHKのど自慢」で人気曲となり、伊藤久男の歌でレコーディングされ、昭和26年(1951年)に発売されました。

以後、この曲は数えきれないくらいの歌手にカバーされ、昭和のスタンダード抒情歌となりました。

伊藤久男は「イヨマンテの夜」や「山のけむり」、また軍歌を歌ったことで有名ですが、NHKの朝ドラ「エール」で山崎育三郎が彼の役を演じて話題になりました。

 

f:id:lynyrdburitto:20210605094105j:plain

 

あざみの歌

作詞:横井弘

作曲:八洲秀章

 

山には山の 愁いあり

海には海の 悲しみや

ましてこころの 花ぞのに

咲きしあざみの 花ならば

 

高嶺の百合の それよりも

秘めたる夢を ひとすじに

くれない燃ゆる その姿

あざみに深き わが想い

 

いとしき花よ 汝はあざみ

こころの花よ 汝はあざみ

さだめの径は 涯てなくも

かおれよせめて わが胸に

 

www.youtube.com

 

カバー曲は数えきれませんが、お気に入りのみ。

 

まずはなんといっても倍賞千恵子さんでしょう。抒情歌の名人です。

www.youtube.com

 

三橋美智也さんです。これは懐かしい。母親が大ファンでした。

www.youtube.com

 

芹洋子さんです。この人の抒情歌も素晴らしい。

www.youtube.com

 

ダークダックスです。

www.youtube.com

 

それでは今日はこの辺で。

 

聴き比べ 中山千夏の『あなたの心に』

今日の「聴き比べ」は中山千夏『あなたの心に』です。

 

この曲は1969年に発売されました。作詞は中山千夏さん本人。作曲は都倉俊一、現文化庁長官です。

 

中山千夏さんと言えば小学生のころから子役として活躍していましたが、私にとってはなんといってもひょっこりひょうたん島での『博士』役でした。なんでも知っている天才少年でした。

その後も女優や司会で人気を得、1969年にはこの曲が大ヒットしました。そして、女性解放運動(ウーマン・リヴ)に参加、1980年には参議院議員も務めました。

いつごろからか、メディアにはさっぱり顔を出さなくなりましたが、現在も歌手活動や著作活動は継続しているようです。

 

この曲は当時のフォークソング・ブームに乗って、軽やかで爽やかなメロディーが受けたのだと思います。それとやっぱり中山千夏さんの声がこの曲にぴったり嵌ったからでしょう。

 

f:id:lynyrdburitto:20210605085625j:plain

 

あなたの心に

作詞:中山千夏

作曲:都倉俊一

 

あなたの心に 風があるなら

そして それが 春の風なら

私ひとりで ふかれてみたいな

いつまでも いつまでも

 

あなたの心に 空があるなら

そして それが 青い空なら

私ひとりで のぼってみたいな

どこまでも どこまでも

 

だって いつも あなたは

笑って いるだけ

そして 私を 抱きしめるだけ

 

あなたの心に 海があるなら

そして それが 涙の海なら

私ひとりで およいでみたいな

いつまでも いつまでも

 

ルルル ルルル

ラララララララ

 

だって いつも あなたは

笑って いるだけ

そして 私を だきしめるだけ

 

www.youtube.com

 

藍美代子さんがカバーしました。

www.youtube.com

 

岩崎宏美さんがカバーしています。

www.youtube.com

 

辛島美登里さんです。ロック調です。

www.youtube.com


石川ひとみさんです。

www.youtube.com

 

やはり千夏さんでしょうか。

 

それでは今日はこの辺で。

 

 

この人の、この1枚『スマイリー・ルイス(Smiley Lewis)/I Hear You Knocking』

今日の「この人の、この1枚」はスマイリー・ルイス(Smiley Lewis)『I Hear You Knocking』です。

 

ニューオリンズ・R&B発展の中心的ミュージシャン、スマイリー・ルイス

彼は1913年ルイジアナ州デクインシーで生まれました。昔の解説資料によると1920年、ルイジアナ州ユニオンの生まれとなっていますが、どうやら誤りのようです。本名はオヴァートン・エイモス・レモンズ。10代の頃にニューオリンズに移り住み、音楽活動を始めた模様です。

1947年にデラックスというレーベルからレコード・デビューを果たしますが、これは不発でした。

1950年にインペリアル・レコードと契約し4曲をレコーディング。中で「Tee-Nah-Nah/Low Down」が少し売れました。その後も何曲かレコーディングし、次第に名前も知られるようになりました。

そして1952年の「Bells Are Ringing」ビルボードのR&B部門で10位となるヒットとなりました。さらに1955年の「I Hear You Knocking」のヒットが決定的となりました。この曲はR&B部門の2位になる大ヒットでした。この時期がスマイリー・ルイスの全盛期となりました。

その後はレコーディングからしばらく遠ざかり、1961年からオーケー、ドット、ロマ、と各レコード会社でレコーディングするも、かつての勢いは取り戻せず、1966年に66歳で亡くなりました。

 

そんな彼の全盛期だったインペリアルでの録音を集めたレコードが『I Hear You Knocking』です。これは日本のユナイト・レコードが「R&B歴史的名盤コレクション」と銘打って発売したシリーズの中の1枚です。オリジナルは1961年にリリースされています。

f:id:lynyrdburitto:20201003093010j:plain f:id:lynyrdburitto:20201003093036j:plain

 

Side A

1.The Bells Are Ringing

2.Standing On The Corner

3.Blue Monday

4.Down The Road

5.Last Week

6.Real Gone Lover

 

Side B

1.Bumpity Bump

2.I Hear You Knocking

3.I Can't Believe It

4.Hey Girl

5.One Night

6.Nothing But The Blues

 

タイトル曲にもなっている「I Hear You Knocking」はゲイル・ストームがカバーして大ヒット、さらにニューオリンズR&Bの巨頭ファッツ・ドミノによってもカバーされました。そしてイギリスのデイヴ・エドモンズがラヴ・スカルプチャーを解散してソロ・デビューでカバーし大ヒットしました。

スマイリー・ルイスのオリジナルは朴訥で泥臭く、それがまたいい味なのです。

「One Night」は大ヒットしたプレスリー盤の原曲です。

当時、このLPでしか聴けない曲も収録されており、非常に貴重なアルバムになっていました。

 


The Bells Are Ringing by Smiley Lewis 1952

www.youtube.com


Smiley Lewis - I Hear You Knockin'


1st RECORDING OF: One Night - Smiley Lewis (1956)

 

それでは今日はこの辺で。

 

 

 

聴き比べ 李香蘭の『蘇州夜曲』

今日の「聴き比べ」は李香蘭こと山口淑子『蘇州夜曲』です。

 

またしても懐メロです。懐メロも懐メロ、戦前の歌です。昭和の懐メロ番組で渡辺はま子さんがよく歌っていたのを憶えています。

 

1940年に李香蘭の主演映画支那の夜』の劇中歌として作られました。作詞は西條八十、作曲は服部良一でした。

レコードとしての発売は同年に渡辺はま子霧島昇のデュエットとして発売されました。

李香蘭こと山口淑子は戦前に李香蘭の名で中国で活躍した女優でした。生まれは中国の奉天です。中国で映画女優としてデビューし、人気女優となりました。ところが自分が日本人であることを伏せていたのです。そして日本映画にも出演していました。

中国で終戦を迎えた彼女は中国人として祖国を裏切ったとして中国の軍事裁判にかけられました。しかし、彼女が日本人であることが証明され国外追放となり、日本に帰国したのです。帰国後は日本人・山口淑子として映画出演などで活躍、さらにシャーリー・ヤマグチ (Shirley Yamaguchi) の名でアメリカでも活躍しました。また、香港では李香蘭の名で映画出演もしました。

 

その後、1958年に結婚により女優を引退しました。そして1969年にフジテレビの報道番組司会者として芸能界に復帰しました。私が彼女を知ったのは多分この頃だったのでしょう。日本赤軍重信房子へのインタビューに成功したのはいまでも記憶に残っています。

1974年には参議院議員になり、国会議員を3期務めました。2014年に94歳で亡くなりました。波乱万丈の生涯でした。

 

f:id:lynyrdburitto:20210601112340p:plain

 

蘇州夜曲

作詞:西條 八十

作曲:服部 良一

 

君がみ胸に 抱かれてきくは

夢の船歌 恋の唄

水の蘇州の 花散る春を

惜しむか柳が すすり泣く

 

髪にかざろか 口づけしよか

君が手折りし 桃の花

涙ぐむよな おぼろの月に

鐘がなります 寒山

 

李香蘭の歌です。

www.youtube.com

 

渡辺はま子霧島昇です。レコードとしてはこちらが売れました。

www.youtube.com

 

女王・美空ひばりもカバーしています。

www.youtube.com

 

都はるみです。

www.youtube.com

 

こんな人も歌っています。平原綾香です。

www.youtube.com

 

その他多くの人がカバーしています。昭和の名曲でしょう。

 

それでは今日はこの辺で。

 

 

この人の、この1枚『ローウェル・フルソン(Lowell Fulsom)/Tramp』

今日の「この人の、この1枚」はローウェル・フルソン(Lowell Fulsom)『Tramp』です。

 

B.Bキングをして「ブルースの眠れる巨人」と言わしめたローウェル・フルソンは1921年オクラホマ州タルサで生まれました。父親はチェロキー・インディアンです。ウェスト・コースト・ブルースの第1人者です。

18歳の時にテキサス・アレキサンダーのバンドに加わった後、1940年にカリフォルニアへ移り、バンドを編成します。そこには若かりしレイ・チャールズスタンリー・タレンタインもいました。

その後、海軍に従事し戦後はスィング・タイム、チェス・レコード、ケント・レコード、ラウンダー・レコードと録音します。B.Bキングがヒットさせた「スリー・オクロック・ブルース」などもありました。

アルバムのレコーディングは1965年のケントからの『Soul』がファーストになります。次いで1967年にリリースされたのが『Tramp』です。

ファンキーなブルース・アルバムで、タイトル曲がヒットしました。ビルボードのR&B部門で5位、ホット100でも52位になりました。ジミー・マクラクリンとの共作です。後に、オーティス・レディングがカーラ・トーマスとのデュエットでカバーしこれ以上にヒットしました。

f:id:lynyrdburitto:20201002125337j:plain f:id:lynyrdburitto:20201002125406j:plain

 

Side A

1.Tramp

2.I'm Sinkin'

3.Get Your Game Up Tight

4.Back Door Key

5.Two Way Wishing

6.Lonely Day

 

Side B

1.Black Nights

2.Year Of 29

3.No Hard Feeling

4.Hustler's Game

5.Goin' Home

6.Pico

 

メンバーは

Lowell Fulson - Guitar, Vocals

Arthur Adams - Guitar

Rene Hall - Guitar

Jackie Kelso - Sax

Chuck Thomas - Drums

Curtis Tillman - Bass

  

プロデュースはMike Akopoffです。

 

ローウェル・フルソンは1999年、77歳で亡くなりました。時代と共に新しい要素を取り入れる柔軟性を持ったブルースマンでした。

 


Tramp - Lowell Fulson (1966) (HD Quality)

www.youtube.com


Lowell Fulson / Black Nights


Lowell Fulsom Goin' Home

 

それでは今日はこの辺で。