ラット(Ratt)がすったもんだの末、解散となって、スティーヴン・パーシーが元シンデレラ(Cinderella)のフレッド・コウリーと結成したバンド、それがアーケイドです。1992年のことです。
集まったメンバーは
スティーヴン・パーシー(Stephen Pearcy,vo,g,)
フレッド・コウリー(Fred Coury,ds)
マイケル・アンドリュース(Michael Andrews,b)
フランキー・ウィルセックス(Frankie Wilsex,g)
ドニー・シラキュース(Donny "Ripper"Syracuse,g)
以上の5人です。
そして1993年にファイアー・ハウスやドリーム・シアターを手掛けたプロデューサーのデヴィッド・プレイターのプロデュースの元、ファーストアルバム『Arcade』をリリースします。
アルバム全体はやはりRattの影響大ですが、ところどころスティヴン・パーシーがRatt時代にできなかったことを試しているようなところが見受けられます。
特に4曲目の「Cry No More」などは暗いバラードになっています。9曲目の「So Good...So Bad...」も極上のバラードを演奏しています。ロックンロールもややダークでヘヴィな感じがします。スティーヴンのヴォーカルは音域が若干足りないという点からも恐らく好き嫌いが出ると思われますが、その辺も気遣ってかメロディーに工夫がしてあるように思います。
また、アコースティックナンバーも2曲あります。
翌、1994年にはセカンドアルバム『A/2』をリリースします。
オープニングからヘヴィなアレンジで、明らかに当時のオルタナ・グランジブームを意識したと思われる曲で始まります。アルバム全体を通して重たく、暗く沈んでいます。ハードロック、ヘヴィ・メタルからはやや遠ざかったな、という印象が否めません。それでも5曲目の「When I'm Gone」などは聴きごたえがあります。
このアルバムのプロデュースはロブ・ハルフォードのFightのアルバムを担当したアッティ・バウです。
この後バンドはあっさりと解散します。
2000年には、アーケイドのサードアルバムとしてライブ音源とデモ音源をからなるアルバムを発表します。
Ratt時代にもなかったライブ音源が聴けるのは貴重です。
その後、スティーヴン・パーシーはRattの再結成に参加し、その後も出たり入ったりを繰り返しているようです。
改めて1990年代前半は、ハードロック・ヘヴィメタル受難の時期です。
それでは今日はこの辺で。