Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

『この胸のときめきを/エルヴィス・プレスリー』映画「エルヴィス・オン・ステージ」主題歌集

今日は珍しくプレスリーについて書いてみたいと思います。

私のプレスリーとの出会いは、1971年、映画『エルヴィス・オン・ステージ』でした。高校生でした。この映画ですっかりプレスリーに嵌ってしまいましたが、この映画の話をすると、私などより年上の連中にはよく馬鹿にされました。「あんなのはプレスリーじゃない」とか「昔はもっとカッコよかった」とか「もっと痩せてた」とか。でも私たちの年代ではこれがライヴのプレスリーのデビューでした。

しかしこの映画以前にプレスリーを観たことが無く、歌はラジオから流れてくるのを聴く程度でしたので、名前を知っていたという程度です。もちろん大歌手で映画俳優だということは知っていました。

友人のI.K君と観に行ったと記憶しています。二人とも帰りはプレスリーに成りきっていました。それほどカッコよかったのです。そしてさっそくレコードを買いました。

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Side A

1.I Just Can't Help Believin'  君を信じたい

2.Twenty Days And Twenty Nights  20昼夜

3.How The Web Was Woven  恋のはた織り

4.Patch It Up  パッチ・イット・アップ

5.Mary In The Morning  マリー・イン・ザ・モーニング

6.You Don't Have To Say You Love Me  この胸のときめきを

 

Side B

1.You've Lost That Lovin' Feelin'  ふられた気持ち

2.I've Lost You  去りし君へのバラード

3.Just Pretend  ジャスト・プリテンド

4.Stranger In The Crowd  群衆の中のストレンジャー

5.The Next Step Is Love  恋へもう一歩

6.Bridge Over Troubled Water  明日に架ける橋

 

参加ミュージシャンは

ジェームス・バートン(James Burton,g)

ジョニー・ウィルキンソン(John Wilkinson,g)

ジェリー・シェフ(Jerry Scheff,b)

ロン・タット(Ron Tutt,ds)

グレン・ハーディン(Glen D.Hardin,p)

チャーリー・ホッジ(Charlie Hodge,g,vo)

バックコーラスに

スウィート・インスピレーションズ(The Sweet Inspirations)

インペリアルズ(The Imperials)

 

ジェームス・バートンはグラム・パーソンズのレコードでもギターを弾いてます。

 

このレコードは正確に言うと映画『エルヴィス・オン・ステージ』のサントラ盤ではありません。日本語のタイトル副題も主題歌集となっています。

 

映画はエルヴィス・プレスリーが映画出演の契約が終了し、1970年にステージに復帰したときの模様をドキュメント風に描いた作品です。場所はラスベガス・インターナショナル・ホテルでの「エルヴィス・サマー・フェスティバル」の公演です。そのリハーサルの模様から本番のコンサート風景までをデニス・サンダース監督が制作した記録映画です。

映画で使われた曲とこのレコードでは曲目が若干違っています。

 

A-1はビリー・J・トーマスのヒット曲。これはコンサートからの曲です。バリー・マンとシンシア・ワイルの曲。

A-2は映画には登場しませんでした。ベン・ワイズマンとクリーヴ・ウェストレイクの共作。

A-3はリハーサルシーンで使われた曲。これもとクリーヴ・ウェストレイクの曲です。

A-4はコンサートから。映画の目玉曲になっています。とにかくカッコいい。

A-5はジョニー・シンバルとマイケル・ラスコーの曲。映画でも使われていましたが、これはスタジオ録音です。名曲。

A-6は言わずと知れた名曲。これは映画ではちょっとだけリハーサルで歌っていました。このレコードではスタジオ録音です。当時はダスティ・スプリングフィールドのヒット曲とは知らずに、プレスリーでヒットした曲だと思っていました。

 

B-1はライヴ音源です。これもバリー・マンとシンシア・ワイルの曲。

B-2はこれもライヴ音源です。「新曲です」という紹介で始まります。ケン・ハワードとアラン・ブレイクリーの曲です。

B-3は映画では使われませんでした。ダグ・フレットとガイ・フレッチャーの曲。

B-4はリハーサル風景で使われた曲です。ウィンフィールド・スコットの曲。

B-5はリハーサルシーンでちょっとだけ使われました。ポール・エヴァンスとポール・バーンズの共作です。

B-6はサイモン&ガーファンクルの名曲。このような曲も取り上げるところがプレスリーの凄いところ。このレコードでの拍手は後から被せたものです。

 

この時の衣装は今見るとちょっと引きますが、これが当時はバカ受けで、日本でもにしきのあきらなどが真似て似たような衣装を着ていました。

 

このラスベガスのショーのライブ盤はもう1枚発売されました。

 

そして 30年後には完全盤が発売されました。『エルヴィス・オン・ステージ 30Anniversary Edition』です。

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これは3枚組CDボックスではCD1がアルバム『エルヴィス・オン・ステージ』 にボーナストラックを7曲追加したものです。

CD2はラスベガス・インターナショナル・ホテルの8月12日のミッドナイトショーコンサートのライブ音源22曲をすべて収録しました。映画は8月11日~13日に行われた6回のショーから撮られていますが、この8月12日のミッドナイトショーからのテイクが一番多かったようです。

CD3は映画のために録音はしたが未発表になっている9曲と、リハーサル風景の16曲を収録しています。

 

しかし、このコンサートの7年後にプレスリーは亡くなりました。42歳でした。処方薬の過剰投与とのことでした。晩年は過食症ですっかり太ってしまい、若い頃のスリムな体からは想像もできない体型になってしまいました。すべてはストレスから来たとのことです。あまりにも早い死でした。

 

50年代から60年代にかけてプレスリーがロック界のみならず音楽界に与えた影響はビ-トルズと並んで偉大なものでした。とくに50年代後半の古いアメリカに新風を吹き込んだ功績は大きかったのではないでしょうか。なにしろプレスリーが音楽に合わせて振る腰つきが猥褻だと言って、テレビでは「下半身は写すな」といった具合にまだまだアメリカでも保守的な時代でしたから。それでも若者は熱狂し、プレスリー等の活躍で次第にロックンロールが市民権を得るようになったのです。

 

私もこの映画以降、後追いでプレスリーのレコードを買い漁りました。これ以前のロックンロールやバラードはやっぱりいいですね。

そして遂に50年代の5枚組CDボックスへと行き着いてしまいました。『King of Rock 'n' Roll The Complere 50's Masters』です。

 

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最近ではあまり聴く機会もありませんが、今回記事を書くにあたって聴き直しましたが、やっぱりいいです。本物です。ずいぶん昔ですが、NHKでもプレスリーがカムバックしたときのアコースティックライヴを放映したのを憶えています。

 

 


Elvis Presley - You've Lost That Lovin' Feelin' (Thats the Way It Is 1970)


Elvis Presley - Polk Salad Annie Live (High Quality)


Elvis Presley Sweet Caroline 1970 HQ Live


You Don't Have To Say You Love Me (Elvis RPO version)

 

 

エルヴィス・オン・ステージ?30th Anniversary Edition

エルヴィス・オン・ステージ?30th Anniversary Edition

 

 

King of Rock 'n' Roll

King of Rock 'n' Roll

 

 

 

それでは今日はこの辺で 。