ブルース・トラヴェラーの記事を書いた時に、ジョン・ポッパーがクリス・バロン(Chris Barron,vo)と共に1980年の半ば頃に結成したバンド、トラッキング・カンパニー(Trucking Company)のことに若干触れました。そのトラッキング・カンパニーからジョン・ポッパーがブルース・トラヴェラーに専念するためにバンドを去り、一緒に設立に参加したエリック・シェンクマン(Eric Schenkman,g)とクリスはマーク・ホワイト(Mark White,b)とアーロン・コメス(Aaron Comess,ds)を誘い、バンド名をスピン・ドクターズ(Spin Doctors)と改め再出発を図りました。
スピン・ドクターズはエピックと契約し、ライブEPに続きファーストアルバム『Pocket Full of Kryptonite』をリリースします。
このアルバムには盟友のジョン・ポッパー(John Popper,harmnica)が参加しています。発売当初の売行きは芳しくありませんでしたが、ブルース・トラベラーなどとのライブで人気を獲得し、徐々に売れ出し、ビルボードの3位を記録し、5✖のプラチナディスクになるヒットアルバムになりました。
1994年にはセカンドアルバム『Turn It Upside Down』を発表します。
このアルバムはビルボードの28位と前作の売り上げには届きませんでしたが健闘しました。3曲のシングルカットもありました。
この後、エリック・シェンクマンが音楽性に違いから脱退します。代わりにアンソニー・クリザン(Anthony Krizan,g)が加わります。
そして1996年にサードアルバム『You've Got to Believe in Something』がリリースされます。
リリース後、アンソニー・クリザンはバンドを去り、イヴァン・ネヴィル((Ivan Neville,key)とエラン・タビブ (Eran Tabib,g)が加わります。アルバムの方はさっぱりで、エピックから契約を打ち切られます。
1998年にユニバーサル傘下のレコード会社と契約し、1999年にアルバム『Here Comes the Bride』を発表します。
しかし、このアルバム制作中にマーク・ホワイトがバンドを去ってしまいます。さらにツアー中にクリス・バロンが声帯に異常をきたし声が出なくなってしましました。イヴァンが代役を務めましたが、やはり残りのツアーはキャンセルしました。
結局、バンドは2001年まで活動休止を余儀なくされました。2002年以降はライブ活動を開始し、2005年にアルバム『Nice Talking to Me』を発表しました。
このアルバムではオリジナルメンバー4人が揃いました。しかしレコード会社が倒産、アルバムの売り上げは見込めませんでした。
その後バンドとしては2013年にアルバム『If the River Was Whiskey』を発表しました。
今のところこれが最後のアルバムになっています。
2000年に彼らのベストアルバムが発売になりました。『Just Go Ahead Now: A Retrospective』です。
01.Jimmy Olsen's Blues
02.Little Miss Can't Be Wrong
03.What Time Is It?
04.How Could You Want Him (When You Know You Could Have Me?)
05.Two Princes
06.Cleopatra's Cat
07.You Let Your Heart Go Too Fast
08.Indifference
09.Big Fat Funky Booty
10.Hungry Hamed's
11.House
12.I Can't Believe You're Still With Her
13.If Wishes Were Horses
14.She Used to Be Mine
15.Miss America
16.You've Got to Believe in Something
17.Refrigerator Car" (Live, recorded June 12, 1992)
01~05はファーストアルバム『Pocket Full of Kryptonite』から。
06~10はセカンドアルバム『Turn It Upside Down』から。
11~14,16はサードアルバム『You've Got to Believe in Something』から。
15は未発表曲。
17は1992年のライブアルバム『Homebelly Groove...Live』から。
ほぼ満遍なく選曲されています。
ブルース・トラヴェラーとほぼ時期を共にしたバンドでした。紆余曲折はありましたがオリジナルメンバーが戻って健在というのは30年を超えるキャリアでは珍しいことです。この時期はややもするとグランジなどに流れる傾向がありましたが、このバンドはアメリカンロックの王道を歩いていたような気がします。もう少し頑張りましょう。
Spin Doctors - Two Princes (alternate video)
Spin Doctors - Little Miss Can't Be Wrong
それでは今日はこの辺で。