Flying Skynyrdのブログ

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ニルヴァーナと言っても? 『ニルヴァーナ(Nirvana)/ Songs of Love & Praise』

ニルヴァーナ(Nirvana)といっても、あのアメリカの有名なニルヴァーナではありません。

イギリスのバンドです。今ではNirvana UKとして区別されることもあります。1992年にバンド名の使用を巡ってアメリカ側を提訴しましたが、結局、和解しました。その処置は寛大で名前の使用は許可されました。

 

ニルヴァーナは1965年にパトリック・キャンベル=ライオンズ(Patrick Campbell-Lyons,g,vo)アレックス・スパイロポウロス(Alex Spyropoulos,key)レイ・シンガー(Ray Singer,g,vo)で結成したプロジェクトのようなものです。そこにブライアン・ヘンダーソン(Brian Henderson,b)シルヴィア・シャスター(Sylvia Schuster,cello)、マイケル・コー(Michael Koe,horn,viola)が加わってスタートしました。

彼らはライブ活動を始めると同時に、音楽界のエグゼグティヴにプレゼンを行いました。結果、アイランドレコードのクリス・ブラックウェルに認められ契約を交わしました。

1967年に最初のシングル「Tiny Goddess」をリリースしてデビューします。ポップな曲でしたがヒットはしませんでした。

しかし、2作目のシングル「Pentecoast Hotelがスカンジナヴィアで1位となりました。さらにファーストアルバム『The Story of Simon Simopath』がリリースされます。

これは一説によれば世界最初のコンセプトアルバムで、キンクスプリティ・シングスザ・フーに先駆けて作られたアルバムです。ポップ感覚でオーケストラを導入したクラシックからロック、ラテン、ジャズ、フォークなどを融合したソフトなサイケデリックサウンドを作り上げました。

 

このアルバムの後、1968年に第3弾のシングル「Rainbow Chaser」がスペンサー・デイヴィス・グループのマフ・ウィンウッド(スティーヴ・ウィンウッドの兄)のプロデュースでリリースされ、これが全英の34位になるヒットとなりました。

 

しかしこの頃、レイ・シンガーが脱退、他のメンバーも去り、結局二人になりました。

そして映画『The Touchables』のテーマ曲「All Of Us」を制作し、それを含むセカンドアルバム『All Of Us』をリリースします。

このアルバムは前作同様多彩な音楽が詰まっています。イギリス本国での売れ行きは芳しくありませんでしたが、フランスやスペインなど海外で人気がありました。

また彼らの曲はハーマンズ・ハーミッツやアラン・ボウンなどに注目されカバーされました。

1969年、サードアルバム『Black Flowerを制作しますが、クリス・ブラックウェルはこれが気に入らず、リリースを拒否。アイランドとの契約も切れてしまいます。

しかし、このアルバムはアメリカのマイナーレーベルとの契約が成立して『Dedicated To Markos III』というタイトル名で発売されました。その後イギリスのパイ・インターナショナルからも発売されました。このタイトルは資金援助してくれたアレックスのいとこの息子マルコスに捧げられたものでした。

現在は『Black Flower』のタイトル名でCDが発売されています。

 

このアルバムを最後に相棒のアレックスもバンドを去ります。パトリック・キャンベル=ライオンズは一人になりました。彼はミュージシャン兼プロデューサーとしてヴァーティゴと契約し、1970年にアルバム『Local anaesthetic』をリリースします。

 

そして1972年に通算5枚目のアルバム『Songs of Love & Praise』がリリースされます。

 

Side A

1.Rainbow Chaser

2.Please Believe Me

3.Lord Up Above

4.She’s Lost It

5.Nova Sketch

 

Side B

1.Pentecost Hotel

2.I Need Your Love Tonight

3.Will There Be Me

4.Stadium

 

プロデュースはパトリック・キャンベル=ライオンズ自身です。

 

A-1の「Rainbow Chaser」とB-1の「Pentecost Hotelはアイランド時代のシングルのリメイクです。またA-2とB-4はシングルカットされました。

詳しいレコ―ディンデータは不明です。

 

何とも不思議な世界を醸し出しています。クラシックとロックの融合といえばプログレになってしまいますが、よりポップで聴きやすく、しかもその他の音楽の要素も入り込んで楽しめること間違いなしです。

 

このあとパトリック・キャンベル=ライオンズはニルヴァーナの名前は使わず、1973年にソロ名義のアルバムをリリースします。

さらにはニルヴァーナ名義のシングルを何枚かリリースしています。

 

1960年代後半、一部の人たちに受けたバンドでその後も根強いファンを持っているニルヴァーナグランジで人気沸騰したニルヴァーナと聴き比べるのも面白いかもしれません。

 


Nirvana (UK)-Rainbow Chaser (1972 version)


Nirvana (UK)-Pentecost Hotel (1972 version)


Nirvana (UK)-Please Believe Me

 

それでは今日はこの辺で。