またまたサイケデリック・ロックです。フリーク・シーン(The Freak Scene)と言っても、本国アメリカでも今や憶えている人はいないかもしれません。
フリーク・シーンの前身はディープ(Deep)とうい名前でした。中心はラスティ・エヴァンス(Rusty Evans,g,vo)です。1966年にアルバム『Psychedelic Moods』をリリースしました。
アルバムは売れませんでしたが、アルバム名に「サイケデリック」というタイトルをつけたことは、以前紹介した『ブルース・マグース(Blues Magoos)』などと並んで、この後のサイケデリック・ブームを思うと、歴史的な意味を持ったのではないでしょうか。
ラスティ・エヴァンスは1967年にコロムビア・レコードと契約しました。名前もフリーク・シーンに改めました。そしてアルバム『Psychedelic Psoul』をリリースしました。
01.A Million Grains Of Sand
02.'...When In The Course Of Human Events' (Draft Beer, Not Students)/
03.Interpolation: We Shall Overcome
04.Rose Of Smiling Faces
05.Behind The Mind
06.The Subway Ride Thru Inner Space
07.Butterfly Dream
08.My Rainbow Life
09.The Center Of My Soul
10.Watered Down Soul
11.Red Roses Will Weep
12.Mind Bender
13.Grok!
レコーディング・メンバーは
ラスティ・エヴァンス(Rusty Evans,g,vo)
デヴィッド・ブロンバーグ(David Bromberg,g,b,vo)
マーク・バーカン(Mark Barkan,perc,vo)
デヴィッド・ブラックファースト(David Richard Blackhurst)
キャロライン・ブルー(Caroline Blue)
レニー・ボーガン(Lenny Pogan)
アーサー・ゲラー(Arthur Geller)
です。
プロデュースはラスティ・エヴァンスです。
メンバーはディープからのメンバーがほとんどです。驚くことに、デヴィッド・ブロンバーグの名前が記載されていたことです。 今回この記事を書くにあたって気がついたのですが、これまでは全然気にせずに聴いていました。迂闊でした。
これはバンドというよりは一種の実験的プロジェクトと言った方が適切かもしてません。
まさにサイケデリックとしか言いようのない音楽です。詩の朗読、ファズのきいたギター、テープの逆回転など、1960年代後半に多くのミュージシャンが試みた手法のさきがけだったのかもしれません。私もフリーク・シーンは後追いで聴いているのでその辺の詳しい事情は分かりかねますが、時期が早すぎたのか、レコード会社がプロモーションに積極的でなかったのか、アルバムのほうはさっぱりでした。
フリーク・シーンはこの1枚でロック界から退場します。ラスティ・エヴァンスはソロに転向しますがこれといって目立った活躍は無かったと思います。
CD時代になってこのような埋もれたミュージシャンが陽の目を見るようになったことは非常に意義があることだと思います。さすがアメリカ、懐が深いです。日本でも一時期サイケデリック・ロックを見直そうと、埋もれたバンドを掘り起こすシリーズが企画され、このフリーク・シーンも発売されました。喜ばしいことです。
The Freak Scene-My Rainbow Life
THE FREAK SCENE-Rose Of Smiling Faces
それでは今日はこの辺で。