)今日の「この人の、この1枚」はアラン・トゥーサン(Allen Toussaint)の『サザン・ナイツ(Southern Nights』です。
アラン・トゥーサンは1938年、ニューオリンズ生まれのピアニストであり、ヴォーカリストであり、作曲家であり、プロデューサーであり、アレンジャーです。
その活動歴は1950年代後半にまで遡ります。60年代はプロデュースやアレンジャー、作曲かとしての仕事が多かったのですが、70年代になると自身のレコーディングにも積極的に取り組むようになりました。1970年代の半ばごろから日本の音楽シーンでもニューオリンズR&Bが俄然注目されるようになりました。アラン・トゥーサンはその立役者とでもいうべき人物です。
ロック界からもこぞってニューオリンズに足を運ぶミュージシャンが増えました。イギリスからはフランキー・ミラーやサンディ・デニー、地元アメリカでもザ・バンドやドクター・ジョンなどニューオリンズ以外のミュージシャンのアルバムにも関わり、ボズ・スキャッグスなど多くのミュージシャンにも楽曲を提供していました。ポール・マッカートニーのアルバムにもゲスト参加したりしました。
そんな彼が1975年に4枚目のソロアルバムとして発表したのが『サザン・ナイツ(Southern Nights』です。
Side A
1.Last Train
2.Worldwide
3.Back in Baby's Arms
4.Country John
5.Basic Lady
Side B
1.Southern Nights
2.You Will Not Lose
3.What Do You Want the Girl to Do?
4.When the Party's Over
5.Cruel Way to Go Down
パーソナルは
ニューオリンズきってのファンク・バンド、ミーターズ(The Meters)から
Arthur "Red" Neville – organ
George Porter, Jr. – bass guitar
Leo Nocentelli – guitar
Ziggy Modeliste – drums
らが参加しています。
その他
Carl Blouin – baritone saxophone
Gary Brown – tenor saxophone
Lester Caliste – trombone
Joan Harmon – backing vocals
Steve Howard – trumpet
Claude Kerr, Jr. – trumpet, flugelhorn
Charles Victor Moore – guitar
Jim Moore – flute, tenor saxophone
Sharon Nabonne – backing vocals
Deborah Paul – backing vocals
Lon Price – flute, alto saxophone, tenor saxophone
Alfred "Uganda" Roberts – conga
Teddy Royal – guitar
Clyde Williams – drums
プロデュースはMarshall SehornとAllen Toussaintです。
1曲目から思いっきりファンキー・ソウルです。全体としてファンク・ソウルですが哀愁を感じさせるような曲もあって聴きごたえは十分です。ニューオリンズR&Bの傑作と言われるのも納得です。
このアルバムのタイトル曲「サザン・ナイツ」は1977年にグレン・キャンベル(Glen Cambell)がカバーして全米ナンバー1に輝きました。またB3の「あの子に何をして欲しいの」はボズ・スキャッグスがアルバム『シルク・ディグリーズ』で、またボニー・レイットがアルバム『ホーム・プレイト』でそれぞれカバーしました。ボニー・レイットは「girl」を「boy」に置き換えていました。
その後、70年代にソロアルバムを1枚リリースしますが、80年代以降は鳴りを潜めました。2005年にはハリケーンで自宅もスタジオも破壊されました。その経験からベネフィットコンサートなどにも参加したようです。そして残念ながら2015年に亡くなりました。
70年代には音楽雑誌にも数多く取り上げられ、ニューオリンズの音楽を日本にも知らしめた功績は光るものがありました。
Worldwide (Remastered Version)
Allen Toussaint - Southern Nights
What Do You Want the Girl to Do? (Remastered Version)
それでは今日はこの辺で。