今日の「この人の、この1枚」は前回に引き続きキャンド・ヒート(Canned Heat)の『キャンド・ヒートの魂(Living The Blues)』です。
日本盤にはすごいタイトルがついています。キャンド・ヒートのレコードが最初に発売されたのがアメリカでのサード・アルバム『Living The Blues』です。アルバム・ジャケットも違っています。リリースは1968年でした。
Side A
1.Pony Blues
2.My Mistake
3.Sandy's Blues
4.Going Up the Country
5.Walking by Myself
6.Boogie Music
Side B
1.One Kind Favor
2.Parthenogenesis
I Nebulosity
II Rollin' and Tumblin'
III Five Owls
IV Bear Wires
V Snooky Flowers
VI Sunflower Power (RMS Is Truth)
VII Raga Kafi
VIII Icebag
IX Childhood's End
Side C
Refried Boogie (Part I)
Side D
Refried Boogie (Part II)
メンバーは前作と変わらず
Bob Hite – vocals
Alan Wilson – slide guitar, vocals, harmonica, jaw-harp
Henry Vestine – lead guitar
Larry Taylor – bass, congas
Adolfo de la Parra – drums
アディショナル・ミュージシャンとして
ドクター・ジョン(Dr. John ,horn arrangements, p on A6)
ジョン・ファヒー(John Fahey ,g,on B1)
ジョン・メイオール(John Mayall ,piano on A5 & B.2IV))
ジム・ホーン(Jim Horn ,flute on A4)
ジョー・サンプル(Joe Sample ,p on A3)
プロデュースはスキップ・テイラー(Skip Taylor)です。
A1はチャーリー・パットンの曲でヴォーカルはボブ・ハイト。
A2はアラン・ウィルソンの曲。
A3はボブ・ハイトの曲。
A4の「ゴーイング・アップ・ザ・カントリー」は映画『ウッドストック』のオープニングで流れて有名になり、ビルボードの11位にランクされました。ヴォーカルはアラン・ウィルソン、独特の声です。
A5はジミー・ロジャースの曲。
A6の曲の後にちょっとだけヴァイオリンとギターの演奏が聞こえてきますが、これはヘンリー・シムズとチャーリー・パットンの「カム・バック・コリーナ」の一節だそうです。
B1はブラインド・レモン・ジェファーソン。
B2は組曲風のオリジナル。ギターでジョン・ファヒー、ピアノでジョン・メイオールが参加しています。
レコードの2枚目は両面を費やしてのライヴ・レコーディングです。この前にクリームの『Wheels of Fire』が発売されていましたが、それと同じく1面ライヴです。
この時のライヴの模様が1971年にアルバム『Live At Topanga Corral』というタイトルで発売されました。実に素晴らしいライヴアルバムです。しかし、このタイトルは虚偽で実際には同じカレイドスコープでのライヴでした。随分後になって『Live At The Kaleidoscope 1969』として再発されました。どうやらレコード会社のリバティはライヴ・アルバムを出したくなかったようなので、スキップ・テイラーが録音場所を偽ってワンド・レコードからリリースしたとリバティには報告したのです。
このアルバムでキャンド・ヒートはブルースに留まらず、新たなロックを目指して変革を始めました。ボブ・ハイトは歌が一段とうまくなりました。
翌年、4作目『ハレルヤ(Hallelujah)』をリリースしますが、それは次回に回します。
Going Up The Country (Remastered 2005)
それでは今日はこの辺で。