Flying Skynyrdのブログ

映画や音楽、本についての雑文

この人の、この1枚『キャンド・ヒート(Canned Heat)/ニュー・エイジ(New Age)』

今日の「この人の、 この1枚」はキャンド・ヒート(Canned Heat)の9枚目のアルバムとなる『ニュー・エイジ(New Age)』です。

 

ジョエル・スコット・ヒルとアントニオ・デ・ラ・バレダが去ったキャンド・ヒートは新たにジェームズ・シェーン(James Shane,g,b,vo)エド・ベイヤー(Ed Beyer,key)リチャード・ハイト(Richard Hite,b,g,vo)を加入させ再々出発を図りました。リチャードはボブ・ハイトの弟です。

 

この新たなメンバーを加えて、1973年にアルバム『ニュー・エイジ(New Age)』をリリースしました。

f:id:lynyrdburitto:20200706102217j:plain f:id:lynyrdburitto:20200706102245j:plain

 

Side A

1.Keep It Clean

2.Harley Davidson Blues

3.Don't Deceive Me

4.You Can Run, But You Sure Can't Ride

5.Lookin' For My Rainbow

 

Side B

1.Rock & Roll Music

2.Framed

3.Election Blues

4.So Long Wrong

 

メンバーは

ボブ・ハイト(Bob Hite,vo)

ヘンリー・ヴェスティン(Henry Vestine ,g)

ジェイムス・シェーン(James Shane ,g,b,vo)

エド・ベイヤー(Ed Beyer,key)

リチャード・ハイト(Richard Hite,b,g.tuba,vo)

アドルフォ・デ・ラ・パラ(Adolfo de la Parra,ds)

です。

 

プロデュースはスキップ・テイラー(Skip Taylor)です。

 

特別ゲストでゴスペル歌手のクララ・ワード(Clara Ward)が参加しました。彼女の最後のレコーディングになりました。

 

A1はリチャード・ハイトの曲。ロックンロール調の曲です。

A2はジェイムス・シェーンの曲。ヴォーカルもジェイムス。カントリー調の曲。

A3はリチャード・ハイトの曲。ヴォーカルもリチャード。軽やかなロック。

A4はエド・ベイヤーの曲。ヴォーカルはボブ・ハイト。スローなカントリー・ロック。

A5はジェイムス・シェーンの曲。ヴォーカルはジェイムスもクララ・ワードとクララ・ワードシンガーズ。ゴスペル調の曲

B1はリチャード・ハイト。ヴォーカルはボブ。ロックンロール。

B2はジェリー・レイバーとマイク・ストーラーの曲。

B3はエド・ベイヤーの曲。ブルース・ロックナンバー。

B4はジェイムス・シェーンの曲。ブルース・ロック。

 

B面にきてようやくブルースっぽい曲が聴けるようになりますが、それまではカントリー、ロックンロール、ゴスペルと雑多な印象を与えます。これまでのキャンド・ヒートとは明らかに違ったバンドになっています。

 

この後、バンドはこれまでずっと所属していたリバティ・レコードを離れ、アトランティックに移籍し、デビューからずっと面倒を見てきたプロデューサー、スキップ・テイラーとも別れます。

 

キャンド・ヒートは移籍後、マッスルショールズのホーン・セクションを加えて10枚目のアルバム『One More River To Cross』をリリースしますが、もはやかつてのキャンド・ヒートではありませんでした。

 

その後はめまぐるしくメンバーを入れ替え、1981年にはボブ・ハイトがヘロインの過剰摂取で亡くなりました。ヘンリー・ヴェスティンも出たり入ったりしていましたが、1997年に亡くなりました。ラリー・テイラーも昨年亡くなりました。途中、スタン・ウェブ(Stan Webb)ウォルター・トラウト(Walter Trout)が加わった時期もありました。現在はただ一人のオリジナルメンバーアドルフォが3人のメンバーを率いて活動しています。

 

アラン・ウィルソン、ボブ・ハイト、ヘンリーヴェスティンというブルースを愛した男たちが作ったバンドはやはりこの3人が揃っていた頃が一番輝いていたような気がしています。特にアランのハープとヴォーカルがキャンド・ヒートの特徴だったと思います。

 

7回にわたってキャンド・ヒートを書いてきました。アメリカを代表する白人ブルース・ロック・バンドだったと思います。こんなに長く書くつもりはなかったのですが、あれもこれもと書き出すと止まらなくなってしまいます。

 

キャンド・ヒートを手っ取り早く聴くにはベスト盤のCDがお薦めです。2枚組の『Uncanned』です。

 

これからも書き足りなかったアーティストの特集を書いていきたいと思います。

 


Canned Heat - Harley Davidson Blues


Canned Heat - Rock and Roll Music (1973)


CANNED HEAT - ELECTION BLUES


Canned Heat - So Long Wrong

 

それでは今日はこの辺で。