今日の「この人の、この1枚」は引き続きフリートウッド・マック(Fleetwood Mac)です。6枚目のスタジオ・アルバム『枯れ木(Bare Trees)』です。
新加入のボブ・ウェルチとクリスティン・マクヴィーによってよりポップ色を強めたフリートウッド・マックは1972年にアルバム『枯れ木(Bare Trees)』をリリースしました。
Side A
1.Child of Mine
2.The Ghost
3.Homeward Bound
4.Sunny Side of Heaven
SideB
1.Bare Trees
2.Sentimental Lady
3.Danny's Chant
4.Spare Me a Little of Your Love
5.Dust
6.Thoughts on a Grey Day
メンバーは
ダニー・カーワン(Danny Kirwan ,vo, g)
ジョン・マクヴィー(John McVie ,b)
ミック・フリートウッド(Mick Fleetwood ,ds)
クリスティン・マクヴィー(Christine McVie ,key, vo)
ボブ・ウェルチ(Bob Welch ,g, vo)
プロデュースはFleetwood Macです。
A1、A4、B1、B3、B5はダニー・カーワン。
A2、B2はボブ・ウェルチ。
A3、B4はクリスティン・マクヴィー。
A6はMrs.Scarrotの詩の朗読。
ダニー・カーワンが頑張って半分の曲を書きました。しかし、この頃からダニーは曲作り、レコーディング、ツアーと次第にストレスが溜まり、それを酒で解消していました。それが度を過ぎてきて、常に酩酊状態になり、メンバーとも喧嘩も多くなってきて、ステージにも支障をきたすようになり、とうとう解雇されることになりました。
こうして3人のギタリストは全員姿を消しました。ある意味。これで完全にブリティッシュ・ロック・バンドとしてのフリートウッド・マックは終わったのです。
この後はボブ・ウェルチが主導権を握り、3枚のアルバムを残します。いずれもポップロックとジャズ・フィーリングが強いアルバムで好成績を収めました。
ところがボブ・ウェルチは突然バンドを脱退します。バンドは危機に陥ります。しかし、これが幸いしたのか、新加入のリンジー・バッキンガム(Lindsey Buckingham,g,vo)とスティーヴィー・ニックス(Stevie Nicks ,vo)がこの危機を救うどころか、フリートウッド・マックをアメリカはおろか全世界中の大人気バンドに仕立て上げたのです。
1975年の『ファンタスティック・マック(Fleetwood Mac)』は全米1位を、続く1977年の『噂(Rumores)』も爆発的な人気で1700万枚の売り上げを上げ、グラミー賞も獲得しました。
もはやあの泥臭いブルースを演奏していたバンドとは似ても似つかないバンドになりました。ジョン・マクヴィーとミック・フリートウッドのしぶとさに脱帽です。
フリートウッド・マック、とりあえずここまでにしておきます。そのうち新生マックも取り上げる機会があれば書きたいと思います。
それでは今日はこの辺で。