先日のキネ旬シアターは『大河への道』でした。
監督:中西健二
製作:2022年 日本
中井貴一が立川志の輔の新作落語に感動して映画化を企画し、主演した映画です。
千葉県香取市の市役所総務課に勤める池本は香取市の観光振興に関する会議で意見を求められ、思わず伊能忠敬の「大河ドラマ化」を提案してしまいます。
他の職員たちは半ばあきれ顔でしたが、知事は乗り気でした。そしてその実現のため池本が責任者に抜擢されプロジェクトが立ち上がりました。
知事は脚本家に大物の加藤浩造を指名します。が、加藤は全く興味を示さず断り続けます。池本は加藤を伊能忠敬記念館に連れていき、伊能の功績を説明しますが全く興味なしです。ところが200年前に描かれた日本地図を見て加藤は感激し、興味を持ち伊能忠敬について調べ始めたのです。
後日、加藤は池本に対しとんでもないことを言ったのです。「忠敬は地図を書いてはいない。『大日本沿海輿地全図』が完成する3年前に伊能忠敬は死んでいる」というのです。資料にもその旨が書いてありました。これでは大河ドラマにはならないと言われてしまいます。
場面は変わって、時は1818年。ここから『大日本沿海輿地全図』の隠された真実が明らかになっていくのです・・・・。
私も数年前に千葉の小江戸、香取市の佐原を訪れたことがありました。その時に伊能忠敬の旧宅と「伊能忠敬記念館」も訪ねました。その時は伊能忠敬についての知識は教科書に載っている程度のものでしたが、記念館ではそれまで知らなかったことが知れて大変勉強になりました。50歳から日本全国を測量するなんてとても考えられません。しかも一歩一歩測量しながらですから。気が遠くなります。
1800年から亡くなる1818年までの測量及び地図作成の様子をざっと読んだだけでとても人間業とは思えないくらいの偉業です。
このような人たちがいたからこそ、その後の日本があるわけですから、ただただ感謝・感謝です。
現在と江戸時代で登場人物が一人二役というのも面白い。
それでは今日はこの辺で。