もう随分前になりますが、スティーヴ・ミラー(Steve Miller)のブルース・ロック時代の記事を若干書きましたが、それ以後についてはまだ書けていませんでした。
スティーヴ・ミラーは新譜が発売になるたびに購入する私のフェヴァリット・アーティストの一人です。
1960年代のデビュー当時はサンフランシスコで絶大なる人気を誇りました。
しかし、レコード売上はセカンドアルバム『セイラー』がヒットしましたが、それ以外はアルバム自体は悪くはありませんでしたが、売れ行きは今一つパッとしませんでした。
ファーストアルバム『未来の子供達(Children of the Future)』
セカンドアルバム『セイラー(Sailor)』
1st、2ndまではボズ・スキャッグス(Boz Scaggs,g)が在籍。
サードアルバム『Brave New World』
ポール・マッカートニーとニッキー・ホプキンスがゲスト参加。ベン・シドラン(Ben Sidran,key)がメンバー参加。
4枚目のアルバム 『Your Saving Grace』
ニッキー・ホプキンス(Nicky Hopkins,key)が正式メンバーに。
5枚目のアルバム『Number 5』
ジミー・ミラー、チャーリー・マッコイが参加。
6枚目のアルバム『Rock Love』
7枚目のアルバム『エデンからの旅(Recall The Beginning ... A Journey From Eden)』
このアルバムからジェラルド・ジョンソン(Gerald Johnson,b)が参加。
そして通算8枚目のアルバム『ジョーカー(Joker)』が大ヒットし、シングルの「ジョーカー」は全米1位を記録しました。
フライング・バリットのスヌーキー・ピートがゲスト参加。
続く『鷲の爪(Fly Like An Eagle)』も全米で2位になり全盛期を迎えます。
ジェイムス・コットン、レス・デューデックがゲスト参加。
ここまでは以前に記事で書きました。
それ以後についてちょっと書きたいと思います。
続く1977年の10作目の『ペガサスの祈り(Book of Dreams)』も大ヒットとなりました。「ジェット・エアライナー」や「ジャングル・ラブ」などのヒットも生まれました。
前作の『鷲の爪』がロック・ミュージックの新境地を開いた大傑作でしたから、次の作品は期待と不安が織り交ざった心境でしたが、不安の方は杞憂に終わりました。前作の延長線上で、さらに音楽性の幅が広がった感じです。レス・デューデックがメンバー参加。
暫く音信が途絶えて、4年程経った1981年にようやく11枚目のアルバム『愛の神話(Circle of Love)』がリリースされました。
この時のメンバーはジェラルド・ジョンソン (Gerald Johnson,b)、ゲイリー・マラバー (Gary Mallaber.ds)、バイロン・オールレッド (Byron Allred,key)でした。
スティーヴ・ミラー・バンドはバンドと名乗っていますがメンバーの変遷は激しく、固定されたメンバーはそれほどいません。かつてはロニー・ターナー、ボズ・スキャッグス、ベン・シドラン、ニッキ―・ホプキンス、レス・デューデックなども名を連ねましたが、いずれも短い期間でした。あくまでもスティーヴ・ミラー(guitar)のワンマンバンドです。
このアルバムは16分に及ぶ曲が含まれている影響で全曲で5曲、33分というちょっと寂しい構成になりました。
続く1982年に『アブラカダブラ(Abracadabra)』をリリースします。
シングル「Abracadabra」が大ヒットとなりました。私も大好きな曲です。この頃のスティーヴ・ミラーはポップで聴きやすくなっています。
このアルバムではロニー・ターナーも一部復帰し、ギターにはジョン・マサロ(John Massaro,g)が加わっています。
続く1983年には初の全面ライブアルバム『Steve Miller Band Live! 』をリリースします。
スティーヴ・ミラーのヒットパレード的アルバムです。ノートン・バッファローのハープが聴けます。
1984年には14枚目のアルバム『Italian X Rays』がリリースされます。
これはエレクトロ・ポップ。コメントなしです。
1986年には『Living in the 20th Century』をリリースします。
バンド結成20年を記念した作品です。
前作の延長線のエレポップとジミー・リードやウィリー・ディクソンのブルースをアレンジした作品が混ざっています。
1988年には『Born 2 B Blue』をリリースします。
キャピトル時代最後の作品。これはスティーヴ・ミラー名義のジャズ・アルバムです。ゲストにミルト・ジャクソンやフィル・ウッズ、ベン・シドランを迎えています。スティーヴはこういうものがやりたかったんだろうなというのがにじみ出てくるようなアルバムになっています。
しばらくの沈黙が続き、1993年に『Wide River』がリリースされます。
久しぶりのアルバムです。かつてのスティーヴ・ミラーが帰ってきました。しっかりブルースロックもやっています。しかし、このアルバムはほとんど話題にも上りませんでした。隠れた名作かもしれません。
この後は長い沈黙が続きます。その間、かつてのライヴ音源がたくさん発売されました。
なかでもよかったのが『King Biscuit Flower Hour Presents』です。
2枚組のライブで録音時期は1973年~1976年あたりらしいです。その他にも怪しいライブアルバムがたくさん出ました。タイトルは違っていても中身は一緒とかいうものもたくさんあります。気を付けないといけません。
そしてなんと17年ぶりにアルバム『ビンゴ! (BINGO!)』がリリースされます。
全曲ブルースナンバーのカバーです。とはいってもスティーヴ風アレンジでスティーヴ流ブルースになっています。それでもやはり嬉しいものです。ノートン・バッファローもハープで参加しています。ノートン・バッファローはこのアルバムがリリースされる前年に亡くなっています。
翌年、2011年には『Let Your Hair Down』がリリースされます。
これも前作同様ブルースのカバーです。ノートン・バッファローのクレジットがあるところを見ると前作と同時期の録音のようです。前作以上の出来を感じます。
これ以後は今のところアルバムのリリースはありません。
2016年には『ロックの殿堂』入りを果たしました。アメリカンロックの進化に果たした役割は大きかったと思います。現在74歳、もう1枚くらいいかがでしょう、ミラー様。
Steve Miller Band - Abracadabra (élő - 1982)
Steve Miller Band Live From Chicago Serenade
Steve Miller Band "Jet Airliner"
Steve Miller Band - Evil - 1/5/1974 - Winterland (Official)
それでは今日はこの辺で。