Flying Skynyrdのブログ

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隠れた快作!『スローター(Alaughter)/ワイルド・ライフ(The Wild Life)』

スローター(Alaughter)は元ヴィニー・ヴィンセント・インヴェイジョン(Vinnie Vincent Invasion)マーク・スローター(Mark Slaughter,vo,g,key)ダナ・ストラム(Dana Strum,b,vo)の2人が元キッスのヴィニー・ヴィンセントのバンドを辞めたことから、プロジェクト的に始めたバンドです。後からティム・ケリー(Tim Kelly,g,vo)ブラス・エリアス(Blas Elias,ds)が参加して正式に結成されました。1989年でした。

1990年にはクリサリス・レコードがヴィニー・ヴィンセントとの契約を解除したたため、その分をスローターに援用してファーストアルバム『欲望のターゲット(Stick It to Ya)』をリリースします。

 

このデビューアルバムが大変な評判を呼び、『American Music Award』のHM/HR部門最優秀新人賞を獲得したほか、音楽各紙で最優秀新人バンドに輝きました。アルバムの方はと言うと世界中で300万枚という驚異的な売り上げを上げました。「アップ・オール・ナイト」「フライ・トゥ・ジ・エンジェルス」「スペンド・マイ・ライフ」と3枚がシングルトップ40にランクインしました。

 

勢いに乗って1992年にはセカンドアルバム『ワイルド・ライフ(The Wild Life)』をリリースします。

 

01.Reach For The Sky

02.Out For Love

03.The Wild Life

04.Days Gone By

05.Dance For Me Baby

06.Times They Change

07.Move To The Music

08.Real Love

09.Shake This Place

10.Streets Of Broken Hearts

11.Hold On

12.Do Ya Know

13.Old Man

14.Spend My Life (Live) *

15.Days Gone By (Acoustic)

*日本盤ボーナストラック

 

プロデュースはマークとダナです。

 

スローターと言えば必ず前作が取り上げられ、この『ワイルド・ライフ』は陰に隠れてしまっています。

しかしこのアルバムも全米で8位、100万枚以上の売り上げを記録しています。個人的にはこちらの方が気に入っています。

 

前作はノリの良いハードロックとポップ・ロック的な曲で構成されていましたが、今作はバラード調の曲が増え、メロディーラインもきれいになっています。一方でハードな曲も増えています。そのメリハリが効果を上げているような気がします。マーク・スローターのしゃがれたハイトーン・ヴォイスには好き嫌いがあるでしょうが、私は嫌いじゃありません。

 

しかし、100万枚も売り上げたというのにスローターはクリサリス・レコードから去ることになります。レーベルとの方向性・志向の違いらしい。というか、湾岸戦争以降アメリカのレコード会社はメタル系のバンドの契約を解除する傾向が強くなりました。これは湾岸戦争以降の経済状況の悪化とHM/HR路線の行き詰まりが多分に影響していると思います。

 

結局、スローターはクリサリスを離れ、CMCインターナショナルと契約します。

マーク・スローターは喉のポリープの手術を行います。ダナ・ストラムは交通事故で手首を骨折、ティム・ケリーは麻薬で起訴されるなどメンバーに色々なことが重なりしばらく休養となりました。

 

そして1995年にサードアルバム『Fear No Evil』をリリースします。

 

マーク・スローターの声は手術のせいか、いくぶんすっきりしたような気がします。

このアルバムは売れませんでしたが、前作に劣らないぐらいの好アルバムです。

 

その後、1997年に『Revolution』をリリースします。

オルタナグランジ・ブームに呑まれ見せ場もありませんでした。珍しくジョー・ウォルシュの「Rocky Mountain Way」をカバーしています。

この後、ギタリストのティム・ケリーが交通事故死してしまいます。ティムの遺作となりました。

 

ティムの後任でジェフ・ブランドー(Jeff Blando,g)が加入して、1999年に『Back To Reality』をリリースします。

残念ながらこのアルバムは未購入です。聞くところによると、タイトル通りハードロックに戻ったようです。聴いてみたいです。

 

スローターは現在も解散せずに活動しているようです。

厳しい状況の中、同期のスキッド・ロウやファイアー・ハウスなどと共にHM/HRを一時期支えてきたバンドでした。そうだ、まだ解散していませんでした。失礼しました。

 


Slaughter - Real Love


Slaughter - Days Gone By


Slaughter - Times They Change


Slaughter - Reach For The Sky

 

それでは今日はこの辺で。