またしても『シェルブールの雨傘』の主題歌です。今日はローラ・フィジー(Laura Fygi)というオランダのジャズ・ヴォーカリストです。しかも本家本元のミシェル・ルグラン(Michel Legrand)との競演盤です。
ミシェル・ルグランと競演して「I Will Wait For You」を歌っているのは、他にもリナ・ホーンなどのベテラン歌手がいます。リタ・ルイスも競演ではないですが全曲ルグランをカバーしたアルバムがあります。それぞれ素晴らしいアルバムです。
ローラ・フィジーは1955年のオランダ生まれです。オランダ人の父親とエジプト人の母親の元に生まれました。歩き始める前から歌を覚えた、いわば天才児だったようです。両親は音楽の道に進ませようと思ったのですが、彼女自身はしばらく後になってからだったようです。父親の転勤でウルグアイに住んだときにラテン音楽に夢中になり、ジャズを聴きまくりました。その後オランダに戻り、1980年の初め頃、「Terra」というバンドに加わりプロデビュー、その後女性3人組のポップス・バンドの「センター・フィールド」というグループに参加しました。このグループはヒット曲も飛ばしヨーロッパでは結構な人気グループでした。しかし3人のメンバーの一人が自殺してしまいます。このショックは大きかったようで、やがて解散。残った二人でデュオで再スタートしますが失敗に終わります。傷心の彼女を救ったのがスタンダード・ナンバーを歌うことでした。そして夢中で聴いていたジャズを歌いたくなったのでした。
1991年に結婚・出産を経てファーストソロアルバム『Introducing』をリリースします。
このアルバムはヨーロッパでヒットし、母国オランダではグラミー賞に匹敵する賞を受賞しました。
そしてこのアルバムは1993年に『Bewitched』というタイトルで再プレスされました。そこでは有名ジャズメンの
その後1994年、95年にアルバム『The Lady Wants to Know』『Turn Out the Lamplight』がリリースされます。
前者にはクラーク・テリー、マイケル・フランクスなどが参加しています。
そして1997年に『Whatch What Happens(When Laura Fygi Meets Michel Legrand)』がリリースされます。
01. Where's The Love - (From "The Umbrellas Of Cherbourg")
02. The First Time
03. You Had To Be There
04. The Summer Knows - (From "The Summer Of '42")
05. Watch What Happens - (From "The Umbrellas Of Cherbourg")
06. Et Si Demain - (With Michel Legrand)
07. TheWindmills Of Your Mind - (From "The Thomas Crown Affair")
08. I Will Wait For You - (From "The Umbrellas Of Cherbourg")
09. Once Upon A Summertime
10. What Are You Doing The Rest Of Your Life - (From "The Happy Ending")
11. How Do You Keep The Music Playing - (From "Best Friends")
12. Summer Me, Winter Me
13. Way He Makes Me Feel, The - (From "Yentl")
14. Ask Yourself Why - (From "Swimming Pool")
15. Rachel
プロデュースはRuud Jacobsです。
ミュージシャンは
Louis van Dijk(Grand Piano)
Chris Laurence(b)
Harold Fisher(ds)
Michael Davis(concert master)
当然ながら全曲ミシェル・ルグランの作曲でアレンジと指揮もしています。
05と08が『シェルブールの雨傘』から。09は『華麗なる賭け』から「風のささやき」、大好きな曲です。
04は『おもいでの夏』から。これも名曲です。
06ではミシェル・ルグランとのデュエットが聴けます。
ミシェル・ルグランは映画音楽の世界では超有名人ですが、ジャズ・ミュージシャンとしても『Legrand Jazz』などの多くのアルバムを残しています。
「風のささやき」はちょっとしっとりしすぎかと思いますが、ダスティ・スプリングフィールドとはまた違った味わいがあって、これもいいです。
肝心の「I Will Wait For You」ですが、とてもジャジーで気に入りました。
「The Summer Knows」と「Once Upon A Summertime」、「How Do You Keep The Music Playing」は特によかったです。
ローラ・フィジーはミシェル・ルグランの曲が合っているようで、実にのびのびと歌っているようでハスキーヴォイスが冴えています。
彼女も今では世界的なシンガーになりました。
たまにはこのようなしっとり系もいいのではないでしょうか。
Laura Fygi - I Will Wait For You
ライブです
Laura Fygi - I Will Wait For You (live) / by Gergedan
Laura Fygi - Once Upon A Summertime
それでは今日はこの辺で 。