今日は昨日に引き続き『思い出の映画』のヨーロッパ編をお届けします。これも数が多いので収拾がつかなくなるかもしれません。あくまでも高校・大学生時代に観たものに限ります。
こちらも監督別に書いてみたいと思いますが、どうなることやら心配です。
まずはこの人から。フランス・ヌーヴェル・ヴァーグの旗手です。一時期夢中になって観た監督です。結局はよくわかりませんでしたが。
『勝手にしやがれ』
主演:ジャン・ポール・ベルモンド、ジーン・セバーグ 1960年公開
ゴダールの長編デビュー作。ドキュメンタリー・タッチの映像表現が斬新でした。ハンフリー・ボガードの真似をして、たばこを吸うベルモンドがいかしてました。
『女と男のいる舗道』
主演:アンナ・カリーナ、音楽はミシェル・ルグラン 1962年公開
ゴダールの長編第4作目。最初の奥さんであるアンナ・カリーナが主演。この頃はアンナ・カリーナは必ず出演していました。
『気狂いピエロ』
主演:ジャン・ポール・ベルモンド、アンナ・カリーナ 1965年公開
ベルモンドが顔にペンキを塗りたくり、ダイナマイトまで巻き付け爆死する。この映画でゴダール人気は高まりました。映画の中に映画が出てくる手法をこの頃から使っていました。
『男性・女性』
主演:ジャン・ピエール・レオ、マルレーヌ・ジョベール 1966年公開
ヌーヴェル・ヴァーグには欠かせない俳優、「大人は判ってくれない」のジャン・ピエール・レオを起用。この辺になってくると訳が分からなくなってきました。
主演:マリナ・ヴラディ 1967年公開
団地妻が売春を繰り返す話。
『ウイークエンド』
主演:ジャン・ヤンヌ、ミレーユ・ダルク 1969年公開(日本)
この作品はリアルタイムで観たかもしれません。大渋滞に巻き込まれる夫婦。その後はとんでもないことが次から次へ。観ている方もクタクタ。
その他多数ありますがこの辺にしておきます。ゴダールの映画は70年代あたりまでは大体見ていると思います。60年代後半から70年代は政治性の強い作品ばかりになりました。
考えてみればゴダール映画は簡単には説明できない、不可思議な魅力があります。訳の分からなさも却って病みつきになります。字幕の長さにも苦しめられ、1本観終わるとどっと疲れが出ます。けれどもそれがまた楽しいのです。
以前、このブログでも『去年マリエンバートで』を取り上げました。フランスの監督。
『夜と霧』
1955年公開
32分の短いドキュメンタリー。ですが、中身は濃すぎます。ナチスのアウシュヴィッツでの虐殺を告発した映画です。
『二十四時間の情事』
主演:エマニュエル・リヴァ、岡田英次
彼女が言う「私、ヒロシマを見たわ」。彼が言う「君は何も見ていない」。ヒロシマとは何だったのか。
これは以前の記事で。
『戦争は終わった』
主演:イヴ・モンタン、イングリット・チューリン
スペイン内戦時の中年革命家の3日間。
その他『ミュリエル』などの名作があります。
この監督には嵌りました。アントニオーニについては何度か書いていますので作品名だけ。イタリアの監督。
『情事』
主演:ガブリエーレ・フェルツェッティ、モニカ・ヴィッティ 1960年公開
「愛の不毛3部作」の第1作目。
『夜』
主演:マルチェロ・マストロヤンニ、ジャンヌ・モロー、モニカ・ヴィッティ
1961年公開 「愛の不毛」第2作
『太陽はひとりぼっち』
「愛の不毛」3作目
『赤い砂漠』
主演:モニカ・ヴィッティ 1964年公開
初のカラー作品。これを含めて「愛の不毛 4部作」。
『欲望』
アントニオーニは洋画にのめり込むきっかけになった監督でした。その他『さすらい』『砂丘』などがありますがこの辺で。
イタリア映画の巨匠。
『道』
主演:アンソニー・クイン、ジュリエッタ・マシーナ 1954年公開
ザンパノとジェルソミーナの物語。感動的です。ニーノ・ロータの音楽が心に残る。
『カビリアの夜』
主演:ジュリエッタ・マシーナ、フランソワ・ペリエ 1957年公開
これもニーノ・ロータ。
『甘い生活』
主演:マルチェロ・マストロヤンニ、アニタ・エクバーグ、アヌーク・エーメ 1960年公開
フェリーニの代表作です。上流社会の退廃ぶりを描きます。
『8 1/2』
主演:マルチェロ・マストロヤンニ、アヌーク・エーメ、クラウディア・カルディナーレ 1963年公開
主人公は映画監督で現実と虚構が入り乱れる。フェリーニの8本目の作品で共同監督を含めるとちょうど8 1/2となるということらしい。
その他『魂のジュリエッタ』『サテリコン』などありますがこの辺で。
ポーランドの監督。ポーランド映画はこの人によって知りました。
『地下水道』
主演:タデウシュ・ヤンチャル、テレサ・イジェフスカ 1957年公開
「抵抗3部作」の2作目。1作目は『世代』でしたがこれは、ずっと後になって公開されました。第2次世界大戦末期、ドイツに抵抗するポーランド軍の悲劇。
『灰とダイヤモンド』
主演:ズビグニェフ ツィブルスキー、エヴァ・クジジェフスカ 1958年公開
この作品によって、アンジェイ・ワイダの名前を知りました。主人公がゴミの山で絶命するシーンが印象的でした。
イタリアの監督です。
『自転車泥棒』
主演:ランベルト・マジョラーニ 1948年公開
何度観ても悲しく、切なくなる映画です。戦後イタリアの貧困層の辛さがよくわかります。
『昨日・今日・明日』
主演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ 1963年公開
3話構成のオムニバス。ソフィア・ローレンが迫力です。
『ひまわり』
主演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ 1970年公開
この映画はリアルタイムでした。老けたソフィア・ローレンです。ひまわり畑が見事でした。ヘンリー・マンシーニの音楽がいい。
スペイン、メキシコの監督
『アンダルシアの犬』
1929年公開
衝撃的な短編・無声映画。眼玉を切り裂くシーン、今では気持ち悪くて見れないと思います。
『忘れられた人々』(メキシコ映画です)
1950年公開のメキシコ映画。どこかの名画座で観たような記憶。10代の少年たちの暴力。ネオレアリズモですか。
『昼顔』
『哀しみのトリスターナ』
この2作品は以前のブログで。
その他『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』などがあります。
参りました。たった7人で27作品にもなってしまいました。これはどうやって締めくくりましょうか。まだまだ全然足りません。『日本映画編』と同じく羅列でいきましょう。
ルネ・クレマン 『禁じられた遊び』『太陽がいっぱい』『危険がいっぱい』他
ロマン・ポランスキー 『反撥』『袋小路』『吸血鬼』『ローズマリーの赤ちゃん』他
ロベール・ブレッソン 『スリ』『バルタザールどこへ行く』
イングマール・ベルイマン 『野いちご』『処女の泉』『仮面/ペルソナ』他
ピエル・パオロ・パゾリーニ 『アポロンの地獄』『王女メディア』『豚小屋』他
イエジー・カワレロウィッチ 『夜行列車』『尼僧ヨアンナ』
ジャン・ピエール・メルヴィル 『サムライ』『影の軍隊』『仁義』
コスタ・ガヴラス 『Z』『告白』『戒厳令』
フランソワ・トリュフォー 『大人は判ってくれない』『ピアニストを撃て』『突然炎のごとく』『柔らかい肌』『華氏451』『黒衣の花嫁』他
ルイ・マル 『死刑台のエレベーター』『鬼火』
ルキノ・ヴィスコンティ 『若者のすべて』『山猫』『地獄に落ちた勇者ども』他
ジョセフ・ロージー 『唇からナイフ』『暗殺者のメロディー』
ピエトロ・ジェルミ 『鉄道員』『刑事』『誘惑されて棄てられて』
ジャック・ドミィ 『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』
ロベール・アンリコ 『冒険者たち』『若草の萌えるころ』
ジャック・ドレー 『太陽が知っている』『ボルサリーノ』
ミシェル・ボワロン 『個人教授』『さらば夏の日』
クロード・ルルーシュ『あの愛をふたたび』『流れ者』
その他に『さらば友よ』『シベールの日曜日』『ブーベの恋人』『雪わり草』『赤いテント』『007シリーズ』『かくも長き不在』『抵抗の詩』『汚れなき悪戯』などなど。
番外編 アメリカ映画ですが監督はイギリス人ということで
チャーリー・チャップリン 『街の灯』『独裁者』『モダン・タイムス』その他多数
アルフレッド・ヒッチコック 『裏窓』『めまい』『見知らぬ乗客』『鳥』その他多数
思いつくまま書き出してみましたが、いくら挙げてもきりがないようです。何しろこの頃は年間100本以上は観ていたはずなので、思い出すのも大変ですが、絞るのも大変です。もうこのくらいにしておきましょう。皆それぞれ懐かしい思い出があります。これも第2弾が必要かもしれません。何か大事なものを忘れているような気がしてなりません。
こうして振り返ってみると、この頃は古い映画ばかり観ていたような気がします。それもそのはず、封切り映画を観る金銭的余裕などありませんでした。もっぱら国立フィルムセンターを含む名画座での観賞だったからです。これらは安かったですから助かりました。
昔はいい映画が多かった、などと言うと、また年寄りの懐古趣味だなんて言われそうですが、それでもやっぱりいい映画がたくさんあったような気がします。
思い出すだけでよい頭の体操になりました。
それでは今日はこの辺で。